14話 アサヒ法律事務所<1>
「先生! 今日、こんなに忙しいのに
大声で不満を言っているのは、
「
「そうは言いますけどね、先生。この前から意味不明の事件が相次いでるじゃないですか」
「事件というのは無い方がいいですが、どんなときでも起きるのが事件ですからね」
「じゃなくって! あの事件のせいで、届け出だ確認だ書類作成だとこっちの仕事が増えまくってるんですよ」
「仕方ないですね、容疑者は特定されてませんし、かといって怪しいのをほうっておくわけにも行きませんし、やってないことをやってると疑われたら疑いをはらさないといけませんし、人間、権力に疑われると不安にもなりますし、そのための弁護士でもありますし。あ、それにちゃんとお断りはされてますよ。
「だったら、
「……だから、
「はぁ、僕だって終わらせたいですよ。週末は
「もしかして、
「え! 先生、どうして知ってるんです?」
「なるほど、だったら安心していいと思いますよ」
ほほえみながら言う
「おそらく彼女も仕事に追われていることでしょうからね」
「え?」
「彼女、
「あれ、
「そうそう、署長さん」
「ってことは、
「おや、知らなかったんですか? 彼女は非常に優秀でね、
「えぇー、いや、公務員的なってのは聞いてんたんですけどぉ、まさかの」
ちょっとしたショックを受けている
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