あの公園の東屋で
別れを告げられたとき
僕はあの公園にいた
あの時 そう
芽吹くにはまだ早すぎる頃
近くの公園の東屋で
二人きりで話をした
憧れから派生した
僕の一途な恋心
あの人は素直に受け止めた
だけど世界は
何一つ変わり映えもしなかった
ある日かかってきた電話
中身は分かりきっていた
貴方に出来るのは「それだけだろう?」
そう暗に言われていた
その電話をとる前に
あの公園の東屋に行った
雨を裂き 自転車を漕いだ
あの日と同じ場所に
僕はひとり座っていた
雨風がノイズとなっても
あの人のもとへは届かない
電話も電源も切った
雨が土を穿ち
風が髪を乱すだけ
僕はただ
自分の羞恥心を恨んだ
自分の無力さを呪った
この黒ずんだ誤ちは
酸性雨でも流れやしない
そうして空になった僕は
純戀心すら失った
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