感傷
中身の無い退屈な
お偉いさんの挨拶を聞き流し
僕はそこを出た
多少見慣れた道
同じような騒がしい人混みの中を
ひとりで歩く
別に寂しくもなかった
そんなの慣れているから
いつものことだから
仲睦まじい男女がいた
知らない人だった
僕の横を通り過ぎていった
別に 寂しくもなかった
そんなの慣れているから
いつものことだから
はしゃいでいるグループがいた
知らない人たちだった
僕を追い抜いていった
別に 寂しくもなかった
「そんなの慣れているから」
「いつものことだから」
寂しくない
「寂しくない」
寂しくはない
また誰か僕の後ろにいる
そして通り過ぎた
ほんの少しの 叶いもしない
期待が静かに崩れ去る
一体何度繰り返してるんだろう
羨ましいのだろうか
恨んでるだけだろう
n回目の勘違い
そうしていつしか消えた
人混みも忘れて
歩き続けた
どこかへ寄り道しようか
また期待を抱いたけど
すぐに消し去った
寂しくはなかった
ただそこには
漠然とした虚しさが
何かへの 声のない渇望が
あるだけだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます