第87話 猫目線(24)

 舳先は、孤独に向けてある。

 そんな黒猫だから、白猫は線を引いたのだろうか?


 戻るだけにゃ。


 黒猫が白猫を諦めるのは、戻るということにはなりそうにないが黒猫としては白猫に出会う前へと戻る感覚でいるようだ。


 こんなのもう考えたくないんにゃ。

 ごめんちゃいなんて可愛く謝ってきても、もう知らないにゃ。


 白猫から近づいてくることはないのだろうが……。


 言われたの、守らないのが、嫌にゃ……。


 切ない黒猫の日向ぼっこは、優先順位の最終確認で切り上げられそうだ。

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