第47話 猫目線(4)

 白猫の後を追いかけていると称する黒猫は、白猫があることに気づいて足を止めた理由がすぐに分かった。

 何故なら、黒猫と同じ理由だと思えたからだ。

 白猫が見つめる先には、富士山の形をしている隙間があるのだから。その場所は、数日前に黒猫も気になったところである。


 あいつも、気になったのにゃ。そうに違いないにゃ!

 ふふん、葉っぱで囲われてるし覗いてみたくなる気持ちはわかるにゃ。


 黒猫は、得意気に白猫を見ている。

 白猫は、富士山の形をした隙間を簡単にくぐった。

 愕然とした黒猫は、白猫を心配してなのか自身の行動に理由わけが分かっておらず白猫の鳴き声で我に返った。


「ニャーー!」(急に後ろから近づいてなんなのよ!)

「に、にゃー」(えっと、今日も元気だね)


 黒猫の間抜けな返答に白猫は呆れてしまったようで言葉も無かったのだが、可笑しくなってしまい驚きで昂っていたけれど今は笑顔で黒猫を見ている。


 な、なんにゃ。ふふん、笑ってるにゃ…ね……可愛いにゃ。


 黒猫は、白猫が好きなのだ。白猫の気持ちは分からないが、なんとなくいい感じはしている。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る