第46話 彼女には必要なプライドだけある
私が見てきた彼女しか知らない。彼女を教えられる存在というものは彼女に言わせると特に居ないとのことで、私以外のフィルターを通した彼女を知る日は来ないのかもしれない。
彼女の話してくれる彼女のことは、知恵のない知識のようで、もどかしくて私は彼女との時間を掴み、引き寄せようと足掻きたくなる。
今日もふたりだから、彼女が始めようとしなければ始まらない……私が始めようとしても始められるかどうかは、彼女次第である。
「猫なら許せるの」
「猫だもんね」
彼女は、必要のないプライドを持つことの無意味さを知っているから、そのなかで必死に生きている人からは恨まれて生きている。
そのなかで生きるしかない人には、彼女が闘わないことは卑怯なことであるし、そのプライドを無価値なものとして扱う彼女を許せないのだ。
そのプライドを私も無価値だと思うが、彼女達は私を卑怯とは言わない……そこに私が生きることは、無いから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます