第41話 猫目線(1)

 小さな変化だが、やはり気になったので近づいてみた。


 ごはんやお水を置くようになったのでは、ないらしいにゃ。ちょっと残念だにゃ。

 まぁ、もう少し歩くだけでを置いてあるところは2つあるからにゃー。


 日々、お腹を空かせてる痩せっぽっち猫ではなく元気で俊敏な猫のようだ。


 猫集会で話題になるような場所ではないからあまり詳しくは知らないけど、なんかいい感じの隙間にゃ。

 人が居るのは分かっているにゃ。

 この距離を測り間違えるワタシではないし、危険な香りを察知する能力はしっかりとあるにゃ。


 少し、自信家の猫のようであるが地域猫仲間から一目置かれているし、身体能力だけでなく機転も利く猫であるらしい。

 富士山の隙間を確認すると、そっと覗き込む。


 まぁ、きれいな庭だにゃ。

 ワタシが走るには狭いけど、あのベンチは気持ち良さそうにゃ。


 富士山の隙間から頭を出すことは無いまま、

 知れる範囲の情報は得ているみたい。

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