第104話 文化祭の終わり(1) 〜売り上げランキング〜
色んなことがあった文化祭が終わりを迎える。
クラスメイトもみんなクラスに集結し、現在は売り上げ発表のため集計でもしているのだろうか、待機時間である。
「楽しかったな」
笑顔で横にいる彼女に話しかける。
「そうだね。悠君、楽しませてくれてありがと!」
楓は満面の笑みでこちらを見た。
表情から、本当に楽しかったのがよくわかった。
お礼に関しては、こちらこそすぎる。そのため、
「いやいや! こちらこそだよ! 大好きな彼女の楓が僕の隣にいてくれたから数100倍楽しくなったんだ!」
本当に、楓と付き合えていなかったらここまで楽しい文化祭にならなかっただろう。
アミューズメントとか回る時も、光と回れるとしても、僕としても森下さんとの時間を邪魔したくない。同様の理由で堀川とも回れない。つまり、ぼっちで回ると言う地獄になるところであった。
そんなの、そこまで楽しくないに決まっている。
「………」
楓は下を向いていた。
「どうしたの?」
無神経に僕は尋ねる。
まあ、気づいていないからしょうがないが。
「………悠君、自分で言ったことを思い出してみて……」
すごく小声で言った。
(…ん?) 脳内で言葉を再生してみる。
まずは、「楽しかっな」だったよな、そして……「大好きな彼女の楓が隣にいてくれたから数100倍楽しくなったんだ」(あ……、よく僕こんなこと言ったな)
そのことを僕が理解した瞬間、顔がほてっていくのを感じた。
クラスメイトからはため息をつかれている。もうみんなあきれているようだ。それは光たちも同じようだった。
(クラスメイトの皆さん! 今日は色々と迷惑かけてごめんなさい!)
心の中で謝罪をしておいた。
そんな事をしていると、
「ピンポンパンポン」
と、放送が始まる合図がなる。
そこそこざわついていたクラスがシーンと静まり返る。
「先ほどは放送中に申し訳ありませんでした! じゃあ! 気を取り直して、それでは売り上げランキングを発表します!」
「「「おー!!」」」
クラスはその言葉で盛り上がる。
「それじゃあ、3位から発表しますっ! …………、ばん! 2年5組さんです!」
2年5組はお化け屋敷をしていたところである。上位入賞が確定しているようなアミューズメントなので、ある程度の高い順位が確定していた、つまり優勝候補が1クラス減った。と言う事だ。
「それでは2位を発表していきます! ……………、ばん! 2年2組さんです!」
このクラスは飲食店を開いていた所である。
たこ焼きにはとてもお世話になったので、感謝である。
「それでは皆さん待望の1位を発表していきます! ……………、ばん!! ○年○組です!」
次話へ続く!笑
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