間章(6) 堀川の告白と過去(3)

 私たちは私の見たい映画を見た。その後の話でおる。


「いやー、面白かったなぁ!」


 堀川くんがそう言う。ラブコメ系の映画だったので、堀川くんには(そんなにかなぁ)と思っていたのだが、そんなことはなかったようだ。


「そう!? 良かった!」


 私としても(堀川くんに気を遣ってくれて付き合わせてしまった)と思っていたので、『面白い』と言ってくれたことには安心した。しかし、まだ気分は完全には晴れなかった。やはり、失恋はかなり心にくるものなのだろう、身をもって私は実感する。


 それから映画の話をしながら、電車に乗り、私たちが電車に乗った最寄駅に戻ってきた。


「なあ、いい時間だし、ご飯食べて行かないか?」


 駅を出たところでそんな事を聞いてくる。

 (特に用事もないし、家の方もおそらく大丈夫だろう)と、考えた私は


「うん、いいよ」


 と、言うことで私たちは近くにあったファーストフード店に向かって、ご飯を食べた。そこでまた言いくるめられてしまって奢ってもらったのだった。


 食べ終わった後の帰り道。

 そこで堀川くんはついに本題の話を聞いてくる。


「なあ、さっき何で泣いてたんだ? 悩みとか嫌なことがあったら相談に乗るけど…」


 私は(堀川くんに話していいのだろうか、私が北村君を好きってことが分かってしまう…)そんなことを考えてると、


「嫌なら全然いいんだぜ! その、あんなに悲しんでる姿を見るとほっとけなくてよ…」


「優しいね…」


 私は自然に言葉が漏れていた。(あんだけ私のためにしてくれたんだし、話してみてもいいかもしれない)と思った私は


「分かったじゃあ話すね。」


 それから私は2回北村くんに告白したことや、北村くんを幸せにするために楓ちゃんの親に話に行ったことを堀川くんに言った。すると、気持ちが少し楽になった。(人に悩みを話すのは大切だな)と私は改めて思うのだった。

 そして、その話を真面目に聞いていた堀川くんはと言うと、


「そうか……。北村のやつは天野さんと付き合えたのか…。そのせいで柳さんの恋は終わってしまったと…」


 そう言い終えると、堀川くんも黙ってしまった。

 私は堀川くんの方を見ると、目が滲んでいた。


「堀川くん!?」


「だ、だってよ。それ、めっちゃ、悲しいだろ……つらかったなぁ…!」


 人の失恋話に共感してか、泣いてくれるなんて、私は(すごいなぁ…)と思った。

 数分後、堀川くんは泣き止んだ。


「なあ、柳さん。急で悪いけどさ、俺と友達になってくれねぇーか? なんか、こんなこと言っていいのか分からないけどさ、映画とか一緒に見て、映画の話とかして楽しかったからよ、よければまたそんなことしてみたいんだ。どうだ?」


 堀川くんは私の表情を伺いながら聞いてきた。

 私自身も失恋後だから少し威力は減っただろうが、十分に楽しかった。ここまで他人に親身になってくれる堀川くんに私は興味を抱いていた。そんな感じだから、


「うん! こちらこそよろしく!」


 と言う感じで友達になり、数週間の間、映画を見たり、ご飯を食べたりと楽しく過ごした。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 時は告白されている時に戻る。

 まあ、この数週間でこんな感じのことがあったのだ。実際、堀川くんのいいところもさらにたくさんしれて、私も堀川くんを好きになっていた。だが、一つ確認したいことがあった。それは


「私、健全なお付き合いがしたいんだけど、いいかな?」


 (キスとかハグとかは今の所したくない)と言うのが本音だ。そう言う行為の何がいいのか私には理解できないからである。


「うん。全然いいよ!」


 堀川くんはあっさり承諾してくれた。


「デートとかはもちろんいくからね。ありがとうね、。こちらこそよろしくお願いします!!」

 

 と言うことで、私たちはカップルになったのでした!!! まあ、付き合う前からもデートとか結構してたんだけどね☆

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