康太さんとの決戦
第74話 決戦前夜 〜柳さんとの電話〜
僕はとある人に電話をかけている。その人はワンコールで電話に出る。
「もしもし?」
そう、返事が聞こえる。
「もしもし? 柳さん?」
そう、僕は柳さんに電話をかけたのだ。そして、その柳さんは少しテンションが高いようだ。好きな人から電話がかかってきたら当然嬉しいだろう。
「うん。そりゃ、私の携帯にかけてきたんだから私でしょ?」
まあ、ごもっともな意見である。柳さんは少し笑いながら言う。
「そりゃそうか」
僕も少し笑う。が、ここで、
「それで? 何の用なの?」
柳さんは本題に入る。
「とりあえず、柳さんには言っておこう」
僕はあのことを柳さんに報告することにするために気を引き締めた声で言う。
「なに?」
柳さんも僕の声を聞いて、空気を読んだのか、気を引き締めた、覚悟をした声で返す。
「僕は楓と付き合うことにした」
(告白してくれた柳さんにはしっかりと伝えておこう)と思い、しっかりと報告する。
すると、電話の向こうから泣く声が聞こえてきた。やはり、悲しかったのだろうか。僕は空気を読んで黙っていた。
でも、割とすぐに声を発し、
「おめでとう」
声を震わせながらそう言った。
「ありがとう」
僕はとても声を和らげて言った。
でも、僕は更にここで、僕たちが恋人として認められるために追い打ちをかけなければいけなかった。全ては康太さんにざまぁ、を与えるためだ。
「……それで、柳さん、僕に協力して欲しいことがあるんだけど」
僕は恐る恐る柳さんに聞く。
「なに?」
柳さんは泣き止んだのか、普通の声で返答する。おそらくこうなる覚悟はできていたのだろう。
そして、僕は柳さんになぜ、こうしないといけないかとか、計画を話す。
すると、柳さんは、
「なるほどね。まあ、やっぱり認めたく無いけど、悠君のためなら協力するわ。確かにそうすれば良いかもだけど、どうやってそれを信じ込ませるの? 私の一存だけじゃ信じてもらえない気がするんだけど」
それもそうだろう。確かに友達に嘘をつかせている、とも考えることができるだろう。
「でも、そこで楓に、それが事実だと言うことを事前に話して、そこを乗じて貰えば?」
すると、柳さんは
「自分の娘の言うことだから信じるしか無いってわけね」
柳さんはそう言う。
「そうだよ」
僕は肯定する。
「で? いついくの?」
柳さんは聞いてくる。
「僕は明日にしようと思ってるけど予定大丈夫?」
すると、柳さんは
「大丈夫だよ!」
と言うことで、柳さんの協力を得ることができたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます