第2章 不穏な空気からの…?
楓の判断
第40話 柳さんとの話と部活
僕たちはあれから数日後、また学校に来ていた。楓は用事で職員室に行っていた。
「おはよう、北村君!」
いつもと変わらない具合に柳さんが挨拶をして来る。
「おはよう、柳さん」
そう僕もいつも変わらない様子で挨拶をする。ここでいつもなら終わりなのだが今日は話しを続けるのか柳さんが再び話しかけて来る。
「ね、ねえ、北村君、北村君は何の部活入るの?」
「僕は帰宅部と言う部活に入るよ!」
帰宅部、つまりフリーという事だ。
「いや、それって部活入ってないと一緒じゃん!」
柳さんが突っ込む。それでお互い笑い合った。
「そう言えば柳さんは何の部活入るの?」
僕も聞かれたから聞く権利はあるだろう。
「え? 私も帰宅部☆」
「いや、柳さんもか!」
そしてまたお互い笑い合う。
「ふふっ、私と一緒だね! 悠君!」
悪戯っぽく笑顔を浮かべる柳さん。僕のことを好きだという事を知っているからあえて何とも言わない。
「そうだな。柳さん」
そう言うと柳さんは頬を膨らませている。どうやら名前で呼んでくれなかったことが不服らしい。すると小さな声で
「悠君を楓ちゃんから奪うのは本当に難しそうだね。きっと私が楓ちゃんなら名前で呼んでたでしょ?」
さっきより不服そうに聞いて来る。
「そうだな」
柳さんには「天野が好き」と言う事を伝えているので隠す必要がないのだ。だからちゃんと肯定する。するといつも柳さんが仲良くしている女子友達が登校してきた。
「この話を他の人に聞かれるとまずいから僕は楓さんの所に行くよ」
そう言い、柳さんの方を見ると彼女は驚愕の顔を浮かべていた。(え? 僕何かやばいこと言ったのかな?)僕はこの時は気付いていなかった。
「ま、まあ、詳しい話はまた聞くわ」
どうやらかなり動揺しているようだ。(本当に何なんだろう?)と思いながら職員室から戻ってきていた楓たちの所へ向かって行くのだった。
そして楓たちの所へやって来た。
「何柳さんと話してたんだ? 悠よ」
光はそんな事を聞いてくる。
「いや、大した話ではないさ。『部活動何入る予定?』って話よ」
「なるほどな。今日、本入部届け提出日だもんな」
そう、もう仮入部期間が終わり本入部だ。僕は柳さんとの話した事を深く追及されなかった事にほっとしていた時に、
「みんな何部はいるんだ?」
光はそんな事を言って来た。【間章で書きましたがここの人同士で確認していないため、お付き合いください】
「私は吹奏楽部に入るよ!」
森下さんが言った。
「澪は知ってるよ。話したじゃないか」
「二人で一緒に回る」と言っていたので(そりゃ知ってるわな)と心の中でツッコミを入れておいた。
「そうだったね。ごめん光。でも他のみんなに言うと言う意味で!」
そう言うと光は納得したように頷きながら
「なるほどね」
そう言っていた。
「僕は部活入らないよ」
「私も入らないわ」
二人揃って入らない宣言をした。
「何でだよー、入ろうぜ? 俺は野球部な!」
「頑張れよ、光」
とりあえずそう言って応援をかけといた。すると
「はい、すわれー」
そう言い、担任の奥田先生がいつものように入って来た。それで今日という1日が始まるのであった。
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