第25話 波乱だらけの同居
「おはようシノブ、リーリエ。今日もいい天気ね。今日も朝から訓練?」
「ああ、おはよう。まぁ、訓練という程のものでは無いさ。」
『おはようございますレイリー。』
昨日は、リュリュとレイリーと俺の三人で同じ部屋で寝たのだが、流石に昨日の今日で布団は準備出来なかったから、俺の布団をリュリュに使わせた。
・・・まぁ、その時にひと悶着あったのだがな。
「それにしても、私と一緒の布団で寝たら良かったのに。」
『・・・レイリー?昨日も散々言ったでしょう?忍様は婚姻していない女性と同衾はしません!!』
「はは・・・まぁ、そうだな。今日にでも親父の布団を洗濯して干しておくか。修繕は明日になるだろうが、まぁ、2日位畳で寝てもどうってことないさ。」
そう、レイリーが一緒の布団で寝ると言い出したのだ。
当然リーリエが反応して口論に。
だが、問題はそこでは無かった。
「あ、それならぁ、ウチと一緒でも良いですよぅ?何かあっても問題無いしぃ?むしろお得?」
『「はぁ!?」』
リュリュのそんな一言で大荒れになってしまった。
結局、俺がどうあっても一緒の布団では寝ないと言い切って事なきを得たのだがな。
・・・そう言えば、リュリュはまだ起きて無い・・・
「ふぁぁぁぁぁ・・・おふぁよぅ・・・」
「ああ、起きたか。おはようりゅr・・・ぶふっ!?」
「ん?どうしたのシノ・・・あーーーー!リュリュ!あんたなんで服着てないのよ!!」
『リュリュさん!服を着なさい!!殿方がいるのですよ!!』
「ふぇ?別に良いよぅ?」
『「良くない!!」』
・・・思い切り見てしまった。
しかし・・・でかいなやっぱり。
俺は後ろを向いて頭をがりがりとかく。
そんな俺に殺気混じりの視線が。
見なくてもわかる
リーリエとレイリーだ。
「う〜!!何よ何よ!そんなにあの大きなのが良いわけ!?悔しい〜!!リュリュ!あんた乳放り出して歩き回るな!喧嘩売ってるの!?」
「え〜?別に喧嘩したくないよぉ?」
『そういう問題ではありません!小さい人の事はどうでも良いの「リーリエ!!あんたもか!!」です!女性がみだりに肌を晒すなと言っているのです!!』
「だってぇ、ウチ人魚だしぃ?」
「『関係ない!!』
・・・朝から元気だなこいつらは。
朝食を終え、俺は布団の洗濯などを、レイリーは狩りに、そしてリュリュはどうするか・・・
「あ、そうだ〜。シノブン、ちょっと精気を分けてくれません〜?」
「『はぁ!?』」
あっけらかんと言うリュリュにレイリーの目が釣り上がり、リーリエの圧力が高まる。
・・・おい、どうしてこう問題になる事ばかり・・・
「精気って何!?どういうつもり!?」
「えっとぉ、ウチ達人魚はぁ、水の中にいる時は良いだんけどぉ、長時間陸の上で足で過ごす時は精気がいるのねぇ?」
『精気って・・・・どどどどうやって貰うつもりなんですか?まさか・・・』
「ん〜・・・エッチでも良いんだけどぉ、それは駄目って言うからぁ・・・口移しかなぁ〜。」
「『口移し!?』」
「もしくはぁ、肌と肌を触れ合わせる、かなぁ?触れ合う面積が多ければ多いほど早く受け取れるのよねぇ。」
「駄目に決まってるでしょそんなん!!」
『そうです!レイリー!リュリュさんを川に連れて行って下さい!!』
「了解!ほら!リュリュ、行くわよ!!」
「うん、それでも良いよぉ?昨日のお風呂ってのじゃ駄目だったんだよねぇ。あの水、魔力はたっぷりだったんだけど、なんでかなぁ?」
「知らないわよそんなの!ほら!さっさと行くわよ!」
「はぁ〜い。」
・・・はぁ、先が思いやられる。
夕飯後、入浴の準備をする。
その時に判明した事だが、リュリュの特技はやはり人魚なだけはあって、水に関わる事だった。
「は〜い、この中に入りましょうねぇ〜。」
「・・・流石ね。ただの天然人魚じゃなかったわ。」
「・・・凄いな。」
井戸から魔力の操作で水を持ち上げ、そのまま浮かべたまま浴槽の中へ移動させ水で満たす。
なんでも、リュリュは王族だけはあって、水の操作に関わる事であれば同族の中でも最上位にいるらしい。
正直、井戸の水くみは中々の労力だ。
大変助かる。
俺はいつもの焼けた石を放り込む方法で水の温度を上げる。
この方法もいずれは変えたいな。
出来れば、薪で火を起こしてその熱で風呂を沸かしたい。
どうやってそうするかのかは検討中だ。
「さて、じゃあ、また先に入らせて貰おうかなってリュリュ!まだ脱ぐな!!」
「え〜?一緒に入りましょうよぅ。シノブンもどうですかぁ?」
「くっ!?そ、それは正直魅力的・・・いやいやいや、あの乳と一緒にシノブとは入れないわね!くそっ!もぎたい!!あの乳が憎い!!」
『どっちも駄目です!さっさと二人で入りなさい!!』
・・・今日一日、こんな感じだった。
まさか、これが毎日続くんじゃ・・・?
・・・はぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます