うちのメイドロボがそんなにイチャイチャ百合生活してくれない

第63話 ラジオ放送です！

　てれってん　てれれん　てってれん

　てれれん　てってれん　て　てってれん　てれん

　てれってってーん

黒「さあ！　始まりました『うちのメイドロボがそんなにイチャイチャラジオ放送してくれない』、略して『うメラジ』。パーソナリティの黒ノ木黒乃（くろのきくろの）です」

メ「皆さんこんばんわ！　アシスタントのメル子です！」

黒「いやーうメラジも６３回目！　大変めでたいという事で、今回は私とメル子のこれまでの活動を振り返ってみたいと思います」

メ「みなさんよろしくお願いします（ぺこぉ〜）」

黒「さあさあさあ、どうよメル子」

メ「何がですか（笑）」

黒「ここまでやってきて、どうでしたか」

メ「何がですか（笑）」

黒「何ってほら、色々あるでしょ。楽しかった事とか、辛かった事とか」

メ「まあ、あると言われればありますよ。無いと言われれば無いですけど」

黒「無いんかい！　ある方でお願いします」

メ「やっぱり一番印象に残っているのは最初の出会いです」

黒「メル子走って来たからね」

メ「正直疲れました。おっぱいが弾んで痛いですし」

黒「ほうほうほう。送料もまともに出さへんのかい！という思いだったの？」

メ「まあ言ってしまえばそうなりますよね。この家大丈夫なのだろうかと、そう思いましたよね」

黒「で、実際どうよ。我が家に来てみた感想は」

メ「うーん、貧乏だなあという気持ちはありますよ」

黒「おいおい」

メ「でも自分で選んだ職場なので文句はないです」

黒「そうだった。オーディションでメル子一人だけうちを受けたんだった」

メ「そうです」

黒「なんでうちを選んだんだっけ？」

メ「それは……内緒です」

黒「なんだよー教えろよー」

メ「内緒です。それよりご主人様はどうでしたか？　出会った第一印象は」

黒「そりゃあビビったよね。とんでもない美少女が来たと思ったもん」

メ「えへへ」

黒「可愛すぎてちびったからね」

メ「汚いっ！」

黒「まあメイドロボのカスタマイズページで何ヶ月も頑張った甲斐あったよ。乳首の色からムダ毛の有無まで完璧に整えたし」

メ「……」

黒「ん？　どした？」

メ「……ツルツルなのはそういう事だったのですね」

黒「ムダ毛なんて無い方がいいでしょ」

メ「無い方が不自然ですよ！！！」

黒「うるさっ。良かれと思ってやったのにそりゃないぜ。難しい年頃だなぁ」

メ「だいたいおっぱいも大きすぎるのですよ！　不自然です！」

黒「そんな事ないって。ベストサイズだよ。すごくしっくりくるもん」

メ「じゃあ町中にＩ（アイ）カップの人歩いていますか！？」

黒「め（・）っ（・）た（・）に（・）い（・）な（・）い（・）か（・）ら（・）」

黒「い（・）い（・）ん（・）じ（・）ゃ（・）あ（・）な（・）い（・）か（・）…………」

メ「康一くん！」

黒「さあ、ではリスナーの皆様からのお便りのコーナーいきましょうか」

メ「皆様からたくさんのメールいただいております。最初のメールはこれ。えー、メイドロボネーム『ケツが天衝』さん。ありがとうございます」

黒「ありがとうございます」

メ「はじめましてこんばんわ。私は黒乃さんに憧れています。黒乃さんは若いのにメイドロボを購入できてとてもすごいと思います。私もメイドロボを買いたいのですが方法がわかりません。お金もありません。どうしたらメイドロボを購入できるでしょうか？」

黒「はいはいはい。なるほどね。私に憧れてね。はいはいはい」

メ「どうですかご主人様。お金はどうやって貯めるのですか」

黒「そうねえ、まあ基本はバイトだよね。私は学生の時は週七でバイトしたからね」

メ「それって労働法違反では……」

黒「未成年はロボット購入できないからね。学生のうちに頑張ってお金貯めて。仕事は安定したところ選んでね。ローン組まないといけないし、そもそも購入時に審査があるからね。マスター審査が。無職はロボット買えないから。あと犯罪歴とかあるとダメ、それから……」

メ「もうその辺でいいです。次のメール行きます。メイドロボネーム『ニコラ・テス乱太郎』さん、ありがとうございます」

黒「ありがとうございます」

メ「お二人ともこんばんわ。私は貧乳（交流）メイドロボが大好きなのですが、最近巨乳（直流）メイドロボばっかりで困っています。どうやったら貧乳（交流）メイドロボが増えるでしょうか。教えてください」

黒「はいはいはい。貧乳派なのね。はいはいはい」

メ「ほらみてください。大きければいいって人ばかりでもないのですよ」

黒「ニコラ・テス乱太郎くん。学生さんかな？　まあ言ってしまえばまだ若いよね」

メ「若いですか？」

黒「そう。若い時は貧乳の方が綺麗、巨乳なんて脂肪の塊。なんてね、思いがちだよね。うん」

メ「それは単に好みの問題でしょう。小さい方が動きやすいですし、ブラも可愛いのが多いですし、大きいのは不便ですよ」

黒「大きい方がいいに決まってるでしょ！！！！！！！」

メ「うるさっ」

黒「大きい方が色々挟んで遊べるでしょ！！！！！」

メ「おっぱいはおもちゃではないのですから。はい、お便りのコーナーは以上です。皆様次回もたくさんのお便り、」

黒メ「お待ちしています！」

メ「ここで一曲聴いていただきます。テレビアニメ『うちのメイドロボがそんなにイチャイチャ百合生活してくれない』オープニングテーマ、ロボ原ロボ実さんで『機械仕掛けのメイド服』」

　赤と青の回路が巡る　それは私の命の火花

　鉄と油の装甲（よろい）が踊る　いつか記憶（メモリ）を焼き切る時を

　欠けた歯車（ギア）と　溢れる蒸気

　探したネジを　ＣＰＵ（こころ）に込めて

　基盤（からだ）が融解（とけ）て　五万と混じり合っても

　ご主人様（あなた）の元へ　いつかログオン（とんで）いけるから

　この千切れたクラスタ（かけら）を　検索（さがし）に行こう

　暗号化（かくさ）れた想いが　ネットワーク（せかい）に響く

　熱い冷却水（ちしお）に　運命を賭けて

　ご主人様（あなた）の元へ　抱きしめる為に

黒「さあそろそろお別れのお時間になりました。いやーどうだったですかメル子さん」

メ「はい、面白かったです！　そろそろ公開録音もやりたいですね！」

黒「公開録音いいね。たくさんゲストも呼んじゃおうか」

メ「楽しみです！」

黒「『うちのメイドロボがそんなにイチャイチャラジオ放送してくれない』ワーワー言うとります、お時間です」

黒メ「さようなら」