第58話 第1回公式イベント-9
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ライブラ Lv.25
HP:1240/1240 MP:341/341
耐性
火:0 水:0 氷:0 雷:0 風:0 地:0 光:70 闇:50 物理:0
スキル
《鑑定》《インベントリ》
《狂風》《自由飛翔》《治癒・弱》《見切り》《狂化》《恐怖の瞳》《二刀流》《心の目》《冥界の掟》《無形の瘴霧》《死の波紋》《沸騰する狂気》
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スキルが大分変わってる。5つ減って4つ増えたのかな? 《静音・強》《閃撃》《密殺術》《首斬り》《命刈り》がこの4つに追加、統合、進化したんだろうけど、どれがどうなったのこれ。
とりあえずスキルの確認から。ますます物騒さを増したというか…………。私、物騒な名前のスキルを手に入れるという運命に囚われてたりでもする?
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《冥界の掟》
MP:0 CT:0秒
効果:攻撃時即死率増加(弱)。急所への攻撃時即死率増加(中)。
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ああ、これは《首斬り》と《命刈り》が統合したスキルでしょうね。完全にパッシブスキルになったのね。
変な所は無いし、これはよし。次。
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《無形の瘴霧》
MP:0 CT:0秒
効果:不可視の霧状に身体を変化させるようになる。
霧状態で生物に接触すると、状態異常【腐蝕】を与える。※霧状のまま移動、変形をすることが可能だが、霧散するほどHPが減少する。
※【腐蝕】:生物の身体を蝕み、徐々に肉体を崩壊させる。【部位欠損】を与えることがある。
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…………へ、何これ?姿を消すなんてこと対価無しに出来ていいことじゃないでしょう。というか、霧状になるって、まさか実体まで無くせる訳!?【腐蝕】もこっちはこっちで物騒だし
運営はこれをセーフだと思ってるの? ここは運営の用意した場所なんだから私については把握してるはず。つまりセーフ? いやアウトだと思うよこれ、取った私でもそう思うもん。
あ、待って冥府、霧、瘴霧って…………まさかこのドレス! 《鑑定》!
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冥府の瘴霧 Lv.25
耐久力:∞/∞
周囲の魔物、プレイヤーからHP、MPを吸収することが出来る。即死耐性増加(中)。光属性耐性増加(大)。闇属性耐性増加(中)。
この装備は殺した生き物の魂を吸収し、装備者と共に成長する。
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結果を見て私は頭を抱えるしかなかった。
ドレス、あなたもなのね…………
確かに《恐怖の瞳》使って人は殺してたし、さっきも使って殺させたりしてたけど。それの影響を受けてたのかな?
1つ確認したいことが出来た。一度テーブルから離れ、2人に見えない所で双剣を取り出す。そして、私の左腕を切り裂こうとすると…………
――シュン…………
切った所が透明に…………恐らく霧になったらしく、刃がすり抜けた。常時発動になったからか意識をしないで発動した。
うん、もはや人間じゃなくなってない?
切っても刃がすり抜けるのは身体の構造的に人間では無い気がする。私が強くなる分には問題ないけど、運営的に問題が出ないかだけ心配になる。
このゲーム、プレイヤーは人間を保つ前提で作られていると思っていたんだけど。
――暫く考えたけど、やはり私がどうこうできることでは無いという結論に行き着いた。
うん、これはこういうものだと受け入れよう。私が霧になったのもセーフなんでしょうね。…………うん、スルーしよう。
確認を終えたのでテーブルに戻る。
「どうだ? 確認は出来たか?」
「見られたくないスキルか何かの確認という所だろう? 私達は見ていないから安心していい」
「そうですね、これは確認出来ました。ありがとうございます」
よし、次ね次。《死の波紋》、これも名前からして物騒なんだけど…………
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《死の波紋》
MP:60 CT:60秒
効果:状態異常【出血】を与えた時に一度、対象から状態異常【出血】を与える衝撃波を発生させる。衝撃波によって状態異常【出血】を与えた時、再び同様の衝撃波を発生させる。※5回まで連鎖する。
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さっきのあれのせいでマシに見える。集団相手に強そうなスキルって感じかな。
次、《沸騰する狂気》。これもまた物騒だけど……効果は?
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《沸騰する狂気》
MP:50 CT:120秒
効果:自身を中心に半径1~30mの任意の範囲内にいる全ての生物に状態異常【狂気】を与える。
『tfotf uif xjmm pg nbeoftt bsdipo』
※【狂気】:自身の判断力低下(極大)。消費MP増加(大)。精神錯乱(大)。
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んーー????
効果は置いておいて、何このメッセージは……。謎の文字列のメッセージなんて書かれても読めないから!
と、とりあえず効果から見よう。【狂気】は……狂化の効果からメリットを除去して、デメリットを増幅させた上でちょっと加えた、って感じ? 多分受けたら凄いめんどくさいことになりそうなのは分かる。
MPはそこそこでCTは結構長めだし、バランスは取れてるのかな。効果の『大』と『極大』の程度にもよるから、試しに使ってみないと……
それにしても【恐怖】に【腐蝕】に【狂気】まで、私段々と状態異常使いになっている気がする。
「ふぅ…………」
こんな所かな、中々大変だった。特に理解とか納得をするのが。
「お、終わったか」
「中々険しい表情をしてたが、大したものが無かったか……?」
「いえ、強力なのは間違いないのですが…………」
「ん? なら問題ないんじゃないか?」
「中々物騒なので使いにくいというのと、私が聞いたことないような内容だったもので。私が知らないだけかもしれないですが」
「俺はよく情報集めてるから知られてるかの判断は出来るが、話す訳にもいかないよな」
「そうですね、とりあえず次のラウンドの間に使ってみようかと思います」
「そうか、それなら幸運を祈る」
――ガチャッ
誰かがドアを開けて入ってきた。振り向くと、スーツを着た運営の人だった。
「皆様、第2R終了となりました。シグレ様とライブラ様はこちらで準備をお願いします。ヘリアル様は開始までこちらか交流エリア、どちらでお待ちになられますか?」
「あー……話すことはもう無いから、交流エリアでいい」
「かしこまりました。では元々おられたエリアに転移致します」
「それじゃあ、2人は頑張ってくれ」
「ああ、じゃあな」
「はい、ありがとうございます。頑張ります」
「御二方のタブレットから次のラウンドの地図を確認出来ますので、一度確認をお願います。それと、こちらをお渡ししておきます。目立つ立場になって頂く以上、それの対処のための品です。使う時に割ると、自分の周りが観戦者から見えなくなるという効果になります。それでは、私はこれで失礼致します」
「はい……なるほど」
運営らしき人からガラス玉を3つ渡された。使い時はあるか分からないけど、一応貰っておこう。
そうしてヘリアルさんが転移して運営らしき人もいなくなり、シグレさんと2人になる。
なんか、気まずい。友人の友人って感じだから、話題に困るというか……
「えーっと、シグレさんはヘリアルさんとはどういったご関係なのでしょうか」
「一応上位プレイヤー同士のよしみといった所だ。向こうから話しかけられてフレンド登録も申し込まれた」
「そうだったんですか、シグレさんも上位プレイヤーの方なんですね。私はこのゲームを始めて少しした所で、ヘリアルさんに話しかけられてフレンド登録までした感じです。シグレさんと経緯は一緒ですね」
「あいつの方から話しかけてたのか」
「はい、そうですが……」
「上位プレイヤーには手当り次第声を掛けてるとは聞いたが、初心者の頃に話しかけてたとはな。そして実際この場に来るほど強くなっていると。あいつの観察眼はやはり中々のものだな」
「確かにそうですね、あの方の洞察力は目を見張る物があると思います」
「そうだ、ここで知り合ったのも何かの縁だ。良ければ私とフレンド登録しないか?」
「本当ですか、是非お願いします」
強い人とコネクションが出来るのなら、受けておいて損は無い。
――フレンドに『シグレ』を登録しました――
「そういえば、忍者の格好をしているということは忍者同好会なるものの方ですか?」
「そうだな、というか私が発足したものだからな」
「へぇ、そうだったんですか!」
第1Rの時、忍者少年が話してたトップっていうのはシグレさんだったのね。
「どこかで話を聞いたりしたのか」
「そうですね、第1Rの時に忍者の少年から話を聞きました。鬼についての情報も頂けたので助かりました」
「そうか、それならよかった」
にしてもこの人、顔が目元以外隠れてて見えない。忍者らしいと言えばらしいけど、個人の判断をするという観点からしたら……
「さて、私もそろそろ体を動かすとしよう」
あ、この人すっごい背高い。180超えて190に届いてそう。これなら誰かの判断は簡単そう。
「私も準備始めますね」
「ああ」
あと30分で開始だ。万全を期して臨めるように準備しておこう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ゲームバランスの問題は後々解決されますのでご安心くださいませ。
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