137話  南支部での報酬



------(テンタ視点)------☆




 1週間後、南支部でのクエストの査定が出たので、


俺は、三毛猫オトアかりゅうを伴いギルド本部に向かう。


 ここはギルド本部と言うだけあって、北支部よりかなり広い


っと言っても構造は北支部と同じ、換金所の受付に向い、


壁にある大槌の中央にある小槌の形をした所に自分の小槌


をはめる。


ここで俺はトムさんにもらった翻訳眼鏡をかけ、壁に浮かぶ


ウインドウ画面を操作し、報酬の明細を出した。


明細の中身はこうだ。


これは、例の悪魔にはめられたクエスト……と言ってもこの


クエストは、俺の所属するチーム『ガンブレーブ』が出した


クエストなので、これに関してはクエスト料は発生しない。


もちろん一緒に参加してくれたチーム『ポテンザ』には、


うちのチームからクエスト料が払われているし、情報取集


に動いてくれたチーム『シエロ』にもクエスト料は支払っ


ている


ので俺の場合は、討伐料及び素材の代金になる。



【トムさん救出クエスト】


レーーサーデーモン 1,000体


ベビルデーモン         1体


に魔物の討伐代に一部魔物の素材代(サハギンホッパーなど


の昆虫系)を含め、戦闘参加人数の8で割り、ギルド1割


(チーム手数料はこの分だけなし)を引いた


6,735,713クリスタル(約1億3471万4250円)


が俺の手取りになる。


次に、


【空中砦ラブークエスト】


クエスト料は参加人数が5人(クリスタルマンルビーは除く)


なので1人100万クリスタル(約2,000万円)に


ギルド1割チーム2割を引いた金額が72万クリスタル


(約1,440万万円)に、


レーーサーデーモン 2,000体


ベビルデーモン         2体


の魔物の討伐代(これも5分の一)にギルド1割チーム2割


を引いた金額を足すと2億9,480万400クリスタル


(約5億8960万8千円)魔物の素材代は無し。


ついでに言うと、砦で倒した石像や自爆型ドールは討伐代


が付かないとのこと。


(うーん、あれだけ苦労したのにな……)


で最後、


【海底古代王都イーリオスクエスト】


クエスト料は参加人数が7人(クリスタルマンルビーは除く)


なので1人71万2936クリスタル(約1,400万25万


8,720円)


 レーーサーデーモン 2,000体


※ベビルデーモン     2体


 アークデーモン        1体


ベビルデーモンの内ダーク大団長(マーライオン)が300万


クリスタル(約6,000万円)で他は400万クリスタル


(約8,000万円)


で、魔物討伐代にギルド1割チーム2割を引いた金額を全て


足すと6,093万5143クリスタル(約12億1,870万


2,860円)


総額手取りが9,838万5541クリスタル(約19億677


1万820円)となった。


と……明細には続きがあって、これに加え、現物支給?って


書いてあってそれは以下の通り。


・力のアンクル(足輪)1つ


・魔法増幅の杖   1本


・身代わりの指輪  5つ


とあり、これらを換金する場合受付へ


と書いてあった。


なぬ、現物支給とな……。


うーん、どうしようか今現在これだけのお金が入って来たし、


元々持っているお金もまだ、莫大って言うくらいの金額を


持ってるしな……。


って事で現物支給は保留と言うことにした。













\ガチャ/


”カランコロンカラン”


「ただいま戻りました」×2


俺と三毛猫オトアかりゅうは、チームハウスの


喫茶ゴンに戻って来た。


「おかえり~w」×2


(うん?)


そこには、店番をするシェリーさんとタミーさんの姿しかなかった。


「ミリーさんやアナさんは?」


と俺に代わり三毛猫オトアが聞く。


すると、とタミーさんが、


「ああ、2人は明日のお誕生日パーティーの料理の材料を


買いに行っているのよw」


とさらっとおっしゃる。


(えっ、誰の?)


と俺が思うと同時に三毛猫オトアが聞く。


「どなたの誕生日です?」


と聞くと、今度はシェリーさんが、


「ああ、パパとママのだよw」


とこれまたしれーとおっしゃった。


(えっ、そんなの聞いてねーぞ)


と俺は思いつつ少し焦っていると、タミーさんが追い打ちをかける。


「ああ、それにガイゼルおじさんとアナさんの誕生日も近いから


4人の誕生パーティーをね一緒にするのよ」


「えっ!!」×2


「きーてないです!!」×2


と俺と三毛猫オトアが声をそろえて言うと、


「あれ?言ってなかったっけ?」


とタミーさん。


俺と、三毛猫オトアは、これでもかって言うぐらい首を縦に


振り頷くと、


「ああ、2人は何もしなくていいから」


とシェリーさんに言われたが……。


俺の頭に突然三毛猫オトアの念話が入る。


≪どうしよう~テンタ君≫


≪そーだな、何もなしって言う訳には……≫


≪そーだよね、私達の時にプレゼントもらっているものね≫


としばらく三毛猫オトアとの念話で話していたら、


≪ああ!これいいかも≫


とあるアイデアが俺の頭に浮かび三毛猫オトアにそれを


伝えると……。


≪うん、それはいいかも……でもトムさんとガイゼルさんに


それだけでは……≫


とおっしゃるので、俺は


≪あれを取りに行くついでに百貨店で何か買いたそうよ≫


って言ったら、


≪今から間に合う?≫


三毛猫オトアが聞くが、俺は笑顔で


≪間に合わせるさw≫


と答えた。


そして、俺は、シェリーさんタミーさんに


「ちょっと忘れ物したので出かけてきます」


とだけ伝え、三毛猫オトアを自分の肩に載せ、慌てて


店の外にでた。


そして、俺達は、


赤着せきちゃく!」


そして、三毛猫オトアが、


「フェードイン!」


と叫びながら俺のベルトバックル部分に吸い込まれる。


「宇宙シェリフバルバン!」


とキメのポーズをとるなり、


「スカイバリアン!」


と俺は叫び、俺は小槌からスカイバリアンを出す。


そして慌てて、ギルドの方に飛んで行くのだった。













 次の日の夜、それは行われた。


トム(バルジャン)さん、ミリー(トム妻)さん、ガイゼル


(ガンボー)さん、アナ(ガイゼル妻)さんの合同の誕生日パーティー。


トム(バルジャン)さん、ミリー(トム妻)さんが今日10月10日生


まれで、ガイゼル(ガンボー)さん、アナ(ガイゼル妻)さんが、


翌日の10月11日生まれ。


両組とも夫婦で同じ誕生日とは珍しい……って言っても俺と三毛猫オトア


も同じなので驚きはしなかったけど。


 テーブルに料理が並び終わると、シェリーさんとタミーさんがまず、


「パパ、ママそして、ガイゼルおじさん、アナさんお誕生日おめで


とうw」


と言うと、その直後に全員で”クラッカー”的なものをそれぞれ手


に取り、


\\パァ~ン//☆彡


と一斉に鳴らすと、


「トムさん、ミリーさんそしてガイゼルさん、アナさんお誕生日おめ


でとうw」×5


と残りの5人で合唱し、巨大な4段重ねのケーキを慎重にワゴンで運


んでくるチームマネージャーのヴィクセンさん。


(デカイ、俺達の時よりさらにデカイ!)


あまりのケーキの大きさに驚く俺。


そしてトムさん、ミリーさんそしてガイゼルさん、アナさんの目の前


までケーキを運んできたところで、再びシェリーさんの音頭で


”Happy birthday”の歌を皆が合唱すると共に、手に手に飲み物が入


ったグラスを持ち、皆で乾杯した後、タミーさんが、


「さぁ、4人共蝋燭の火を消してw」


沢山立っている蝋燭の火を消すようトムさん達4人にに促す


「せーの」×4


”ふー”×4


と4人で蝋燭の火を消すと、皆から一斉に\\パチパチパチ//


と拍手が起こった。














 パーティーが進む中、ある程度飲み食いが終わり、そろそろ4人に


誕生日プレゼントをって流れになり、各人が思い思いのプレゼントを


渡す中、俺と三毛猫オトアもトムさん達に用意したプレゼント


を渡す。


 まず、トム(バルジャン)さんには……。


「うん!?これは……」


俺達が渡したのは、『身代わりの指輪』と保冷、保温どちらでも


使える金属マグカップ。


「おいおい、『身代わりの指輪』なんてこんな高い物……それに


俺は転生者だからブランチが使えるんだぞ……」


と『身代わりの指輪』を俺達に返そうとするが、


「いえ、これから悪魔との戦いでいつこの前みたいに生身で


捕まるかもしれません、つけておいてください」


と俺が言い、続いて三毛猫オトアが、


「それに、この指輪が高価なものだとは知っていますが、これは


前回の報酬の現物支給分でもらったやつなのでこれ以外にまだ


4つも持っていますから」


と言うと、


「うーん……、わかったありがたくもらっておく、2人ともあ


りがとうよ」


と言ってくれた。


(トムさんが指輪のことを高価なって行ってくれるけど、所詮


現物支給でもらったから、そんなに高価だとは俺達は思ってい


ないんだけどね、どちらかと言うと、マグカップの方が高いん


だけど……なんせ魔法付与のマグカップなのでお値段何と5万


クリスタルつまり100万円なんだ、これは百貨店で購入した


物)


次に同じようにガイゼル(ガンボー)さんにもトムさん同様に


『身代わりの指輪』と保冷、保温どちらでも使える金属マグカ


ップを渡すと、トム(バルジャン)さん同様、


俺も転生者だからブランチが使える……」


と言いかけるが、三毛猫オトア


「それでもです」


と言うと、


「わかった」


と言ってくれて受け取ってくれた。


次に、ミリー(トム妻)さん、にはトムさん達同様に、『身代


わりの指輪』と『魔法増幅の杖』を渡すと、一瞬、目をむいて固まり、


「身代わりの指輪だけでも高いのに、こ・この魔法増幅の杖って


豪華なお屋敷1軒買える値段がするのよ!そ・そんな高い物私は


っ……」


驚きおののき辞退しようとするミリー(トム妻)さんに三毛猫オトア


が、


「いえ、もう冒険者に復帰なさったんですから、これはお使いく


ださい……それに私はこんな体ですし、テンタ君はそれが使えるほど


魔力ありませんしね」


と言うと、しばらく指輪と、杖を見つめていると、そこへタミーさん


がミリー(トム妻)さんの所にやって来て言う。


「ママ、素直に受け取ってあげて、ママはこのチーム唯一の魔法師


なんだし、私のママにそれを持ってもらった方が安心だし、それに……


もう少ししたらあそこに行くんでしょ」


とその言葉にミリー(トム妻)さんが少し考え、俺と三毛猫オトアが渡し


た杖と指輪を恭しく受け取り、


「ありがとうテンタ君、オトアちゃん」


と俺と三毛猫オトアをかわるがわる抱きしめてくれた。


(うん、それはいいんだけど……ミリーさんどっかに行くの?)


と頭に疑問を浮かべながら、俺と三毛猫(オトア)は、次にアナ


(ガイゼル妻)さんに、ミリー(トム妻)さんと同じく、『身代


わりの指輪』と『力のアンクル(足輪)』を渡すと、


「あ~んれまぁ、こんな高価なものを……いいのけれ?」


と聞いてくるので、俺と三毛猫オトアが笑顔で頷くと、


「大事にするっぺw」


と喜んでくれた。


因みにこのアンクル(足輪)は、足に着けると、力の制御ができ


、重たい武器を振り回せるだけでなく、ジャンプ力や走力も強化


してくれるものらしい。


 ただ、喜んでいるアナ(ガイゼル妻)さんがポツリと呟く。


「これで、来週から行く『ジャスタン』の砦でのゴブリン戦で、


思いっきり暴れられっぞい」


とアンクル(足輪)を見つめながらおっしゃった。


(?なになに、来週から『ジャスタン』の砦でのゴブリン戦


って)


と俺が気になり心でそう呟いていると、その様子を見たトム


(バルジャン)さんが、俺の所にやって来て、


「ああ・テンタ悪り~、わり~、実はな、来週から俺達、


お前が冒険者の試験を受けた『ジャスタン』の砦に行って、


ゴブリン狩りをするんだよ」


と言われ、俺と三毛猫オトアがキョトンとしてると、


「いやな、ブランチの能力は回復したものの、ブランチレベルが


また1~なんだよ、それにブランチスキルが今使えない状態でな


、まぁ、クリスタルマンがおっしゃるには、俺がブランチレベルを


上げれば恐らくブランチスキルも回復するだろう~ってんで、


俺にミリー、ガイゼル、アナとシェリーとタミーで俺のレベル


上げのために来週から10日ほどジャスタン』の砦にこもる


から、お前らその間にこの店頼むわ~」


と言われた。


「へっ!」


「あっ!」


トムさんの発言に俺と三毛猫オトアは固まるのだった。













 次の日から、ミリー(トム妻)さんとアナさんは、いつもの


店の仕込みに加え、留守中の仕込みも同時進行で行っていた。


 俺と三毛猫オトアが10日も店番をすると言っても、


料理経験のない俺と経験はあるが料理が出来ない三毛猫オトア


で、料理しろと言っても無理な相談だ。


って事で、留守にする10日分の料理を今から少しづつ作って


それを俺の小槌にしまえば、俺は毎日、その日の仕込み分を


小槌から出し、それを皿に盛りつけるだけでいいって言うのを


聞いて、”ほ”っとした。


それに俺たち以外にマネージャーのヴィクセンさんもここに


残り店を手伝うと言うので、3人いれば何とかなるかと思う。


 それで、トムさん達が『ジャスタン』の砦に向かうまで、


まだ数日あるのでその間に俺と三毛猫オトアは、店の


メニューを覚えるのと、厨房の設備の使い方を覚えること


となった。


(まぁ、少し不安もあるけど……何とかなるっしょ)



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る