52話 謎のジグラット
次の日、朝早くに起き、簡単にオートミールで朝食を済ませ
すぐに出発。
俺は、小槌からスカイバリアンを出し、
マラフトの森へと続く1本道をひたすらペースを上げ進。
休憩を一回飛ばし、何とか午前中に俺と
の森の中で北支部のギルマスチームのシスタームンさん達に
助けられた場所へたどり着いた。
そこは、森の中でも続く1本道の途中にあった。
俺は、スカイバリアンを地上に下し、俺達の馬車を引くケンタ
ウロスのレツさん、ダイさんに合図を送り馬車を停車させる。
そして、後ろの馬車(悪特隊)の御者をしていたロークエン隊員
に、俺は声を掛ける。
「大体この辺りだと思います」
「そうですか」
そう言って、御者をしていたロークエン隊員は御者台から降り
て、馬車の中に居る悪特隊メーンバーや、ニム・アノル博士に
伝えに行った。
しばらくすると、悪特隊の5人とム・アノル博士がこちらに
やって来た。
悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんが、かぶって
いた尖がり帽子を脱ぎ逆さにして、帽子の中から何やら四角い
ボックス状の機械を取り出した。
悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんが持っていた
魔法の杖を帽子の中に仕舞い、帽子をかぶると、先ほどの機械
を背負い、その機械についているケーブルの先にある、棒状の
マイクのようなもので、あたりに向ける。
”ビビビビ”
するとある方角に向けた時、”ビビビビ”と言う音が強くな
った。
「ああ、こっちだな」
と指さすメギルキャップ(隊長)。
しかし、指さす方向には木々が生い茂り、歩いて進むには
困難な方向だったので、俺がメギルキャップ(隊長)に声を
掛ける。
「スカイバリアンで、空から探しましょう~、乗って下さい」
その言葉に悪特隊のキャップ(隊長)メギルさんが、
「ああ、じゃ~お願いします」
と俺の申し出を素直に受けてくれた。
俺は、スカイバリアンの後ろに悪特隊(北支部)のキャップ
(隊長)メギルさんを乗せ、上空へと上がる。
”ビビビビ”
「あっ、こっちだな」
と機械の反応にスカイバリアンの後ろに悪特隊(北支部)の
キャップ(隊長)メギルさんが指さす方を後ろを振り返り
俺は見た。
「ズーム」
そして、自身の視界をズームさせる俺。
『あっ、何んか建物がある~』
と俺の右モニターに映るオトアが言う。
『確かに』
俺はそうオトアに言うと、
「あの左斜め下に見える建物に行ってみましょうか」
と指をさし悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギル
さんに言うと、
「そうですね、お願します」
悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんが言
うので、そこに向かった。
そこには、森が少し開けた広場のようになっていて、
石造りの建物があったので、建物前にスカイバリアンを
着陸させる。
「何だこれ?」
改めて建物を見て言う俺に、
俺の右モニターに映るオトアが言う。
『ジッグラトじゃない?』
その言葉に俺は、目の前の建物をもう一度じっくり見て、
言う。
『ジッグラトって、あの古代文明のか?』
『うん、似てない?テンタ君』
とオトアに言われ、もう一度建物を眺め、
『似てるっちゃ、似てるけど……だとしたら、小さくないか?』
とオトアに言うと、
『うん、小さいと言えば小さいかな……でも、形はそれっぽいよ』
と右モニターのオトアと話していると、
\\\ビビビビ///
悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんが背負っている
機械が一段と大きく鳴り出した。
「やはり、ここで間違いないですね」
建物に、棒状のマイクのようなものを突き付け、機械の反応を
確認した悪特隊のキャップ(隊長)メギルさんが言う。
「では、みんなに知らさないといけないですね」
と俺が言うと、悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんが
建物の前に広が広場のような場所を見て言う。
「ああ、あそこの道ってどこに繋がっているのでしょう?」
と指さし言うので、
「じゃ、俺が見てみますよ」
と俺は悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんが言うと、
スカイバリアンに跨り、地上より少し浮かして、その広場から
どこかに繋がるであろう、場所を確認に行った。
◇
緩やかに右にカーブし、且つ少し緩やかな上り坂になった道
をしばらく進むと、森をまっすぐ突き抜ける道と交わった。
(ひょっとして……)
と思い俺はそれを右に折れ進むと……。
先ほど馬車を止めた場所に出た。
(なるほど……そうなってたのね)
と思い、そこに居たみんなに建物を見つけたことを告げた。
そして、
「この道をまっすぐ600mくらい進んでだら、左に折れる道
があるから、それを道なりに進んでください」
と伝え、俺はそのまま、スカイバリアンで森の上空まで上がり、
先ほど見つけたジッグラト風の建物に直行する。
先ほどの建物前で待つ、悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)
メギルさんの所へ戻り、スカイバリアンを着陸させると、
「もう少ししたら、みんなここへ来ると思います」
と悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんに報告する。
「じゃ、みんなが来てからこの中を調べましょう」
と悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんが言うので、
しばらく、皆を待つことにした。
皆を待つ間に、
「フェードアウト」
「リバース」
と変身を解き、小槌を出して、スカイバリアンを仕舞った。
その後、10分程度で残りのメンバーが到着。
建物の前の広場のように開けた場所に、各馬車を止め、
しばらく、ここに滞在するためのベースキャンプ作成する。
俺達や悪特隊(北支部)メンバーが、ケンタウロスのレツさん
ダイさん、それに悪特隊の馬車を引いてきたユニコーン達の仮
の馬小屋と言うか、テントを設営してる間に、料理人のルフー
ン・アノルさんが、お昼の用意をしてくれた。
「いただきます」×6
俺と、
ニム・アノル博士やその弟の料理人であるルフーン・アノル
さんが手を合わせ、その他の人達はそのまま食べる。
お昼のメニューは『ラガヌム』……要はラザニアなんだけ
どね。
◇
「ごちそうさまでした」×6
お昼ご飯を食べ終わり、今後の調査のスケジュールについて
説明があった。
今日は、このまま野営し、明日から調査のため中に入る。
中の調査期間は3日。
明日、建物の中に調査に入るメンバーは、当然、ニム・アノル
博士を筆頭に俺、
それに、悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさん、
ロークエン隊員、ハル隊員になぜか料理人のルフーン・アノル
さんだ。
悪特隊(北支部)のエスイル隊員と、リラ隊員(女性)は、
この広場に残り、野営地の守備と、馬車を引かせてるユニコ
ーンのお世話係として残ってもらうらしい。
俺を含む建物の調査組は各自の武器や、調査用の道具のチェ
ックをしている間に、料理人のルフーン・アノルさんが、ここ
に残る悪特隊(北支部)のエスイル隊員と、リラ隊員(女性)
それにケンタウロスのレツさんダイさん達のための5日分
(予備含む)の料理と今日の夕食の用意を手際よく済ませ、
居残り組用の食事は、クーラーボックスのような箱を出してき
て収納していた。
たぶん、この箱って、俺達の小槌と同じで、亜空間に仕舞え
る仕組みのようだ。
◇
夕食後、明日は朝早くから調査に出かけるため、早めに寝るこ
とにする。
因みに夕食のメニューは、前菜には森のきのこのテリーヌ。
次にスープは、モモとヨーグルトの冷製スープ。
暖かいスープではなく、冷たく冷やしたスープで、果物の酸味
や甘み、
華やかな香りが、食欲を刺激するスープだった。
そして、メインは、ラムチョップ(羊の骨付きステーキ)。
これは、俺達はかぶりついて食べたが、
つくには、大きすぎたので、俺がナイフで肉から骨を外し
てあげた。
そして、デザートは、カンナ。
ルフーン・アノルさんに聞くと、俺達の世界でイタリアの
デザートのカンノーロって言って、小麦粉を使った生地を金属製
の筒に巻きつけ、油で揚げて作ったサクサクの皮の中に、リコッ
タチーズを使用したクリームを詰めたお菓子と同じものだと言っ
ていた。
このカンナも、
(結局、女性ってデザートが好きなんだ)
と思う俺だった。
食後、俺達の馬車の上のテントで、俺と
「おやすみなさい、テンタ君」
「おやすみオトア」
◇
朝5時起床、そして6時には朝食を取る。
朝食は、オリボルンと言う丸いドーナツと、ヨーグルト。
朝食を終え、いよいよ建物の中に入ることに……。
形は、
しかし、大きさは、市民体育館ほどの大きさ。
”ジッグラト”にしては小さいとは思うが、まぁ、それでも
建物としては、そこそこのボリュウームはある。
「
べルトバックルに取りつけた、楕円の金属板が光る。
と同時に俺の体が赤い光に包まれ、俺は、赤いコンバット
スーツ姿になるとすぐに、
「じゃ~テンタ君行くよ~w」
そして、
「フェードイン~w」
と俺のベルトのバックルに飛び込んだ。
\ピカ/
と一瞬俺の体が光る。
「宇宙シェリフバルバン!」
とポーズを決める俺に続き、シェリーさん、タミーさんも
「
「
と2人ともコンバットスーツ姿に変身する。
俺を先頭に、シェリーさん、タミーさんが続き、その後を悪特隊
(北支部)との3人と、ニム・アノル博士と料理人のルフーン・
アノルさんが続いて、建物の中央にある階段を上って、建物の
2階部にある大きな扉へと向かった。
\ギ―――ィ/
観音扉を、悪特隊(北支部)のキャップ(隊長)メギルさんと
ロークエン隊員で開ける。
扉が開いたと同時に、俺とシェリーさん、タミーさんが、
ビームガンを構えたまま飛び込んだ。
「右クリア!」
「左クリア!」
「正面クリアー!」
シェリーさん、タミーさんに俺が、安全を確認してそう叫んだ。
そこには、ギャラリー(回廊状の廊下)になっており、
1階が見渡せる。
俺達の安全確認の声を聴いて、悪特隊(北支部)のキャップ
(隊長)メギルさんをはじめ、ロークエン隊員、ハル隊員に続き、
ニム・アノル博士と料理人のルフーン・アノルさんが順番に中に
入る。
「あー、あそこに階段があるわよ」
シェリーさんが、自身が居る通路右側に下に降りる階段を見つ
け、指を指しながら皆に言う。
その言葉に、ニム・アノル博士が、
「降りてみましょう~」
と言うので、俺を先頭にシェリーさん、タミーさんそれに、
悪特隊(北支部)の3人に次いで、ニム・アノル博士と料理人
のルフーン・アノルさんの順で階段を下りた。
1階部のフロアには何もない。
ただ、石の壁に囲まれた場所……。
「あれ?」
正面の壁に白いコブラの絵があった。
(白いコブラ……)
って思ったら俺のコンバットスーツのヘルメット内の右モニ
ターに映るオトアが言う。
『ヴァジェトじゃない?テンタ君』
『ヴァジェト!?』
オトアの言葉に聞き返す俺、
『ほら、あのボス部屋の!』
そのオトアの言葉に俺は思い出す。
『ああ、あのでかいコブラか』
『似てないあの絵……』
『そうだな似てるな』
ってそうオトアに返事時をした瞬間だった。
\ピカッ/
と絵の中のコブラの目が光った。
「おお!」×8
俺を含む皆がそれを見て驚いた時だった。
\ズズズズズッ/
って音を立て、床の真ん中部分が開き、通路のようなものが、
現れた。
現れた通路は、緩やかな下りのスロープ状になっていた。
それを見たニム・アノル博士が言う。
「行ってみましょう」
博士の言葉に俺達は、俺を先頭にシェリーさん、タミーさん
それに、悪特隊(北支部)の3人に次いで、ニム・アノル博
士と最後に料理人のルフーン・アノルさんの順でスロープを
ゆっくりと下って行く。
すると、通路の突き当りには、また扉があった。
「開けてみましょう」
と再びニム・アノル博士が言うので扉を、メギルキャップと
ロークエン隊員で開けると……。
\ギ―――ィ/
そこには、俺が飛ばされた洞窟と似た洞窟が広がっている。
「おお!」×8
それを見た、俺を含む皆が驚いた。
「行ってみましょう」
再度、ニム・アノル博士が言うので、俺とシェリーさん、タミー
さんが、ビームガンを構えたままソロリそろりと洞窟内に入ると
「ナイト・スコープ!」×3
俺、シェリーさん、タミーさんはコンバットスーツの視界をナイ
トモードに切り替えた。
後から来る悪特隊(北支部)の3人は持っていた魔法の杖の先
を光らせる。
そして、悪特隊(北支部)の後ろから付いて来るニム・アノル
博士と料理人のルフーン・アノルさんは右手の人差し指を出し、
「光よ 我が指に集いて、深淵の闇を照らせ・ライト」×2
とライトの呪文を唱え指先を光らせ付いて来た。
そして、全員が洞窟に入ってしばらく進んだその時だった。
俺のヘルメット内に\ピキピキ/、\ピキピキ/と言う警告
音と共に、サーチしたデーターが映し出された。
【スライム】(青色)
HP 30
MP 0
運動性 20
攻撃力 40
防御力 40
命中 28
回避 2
10Cm×20
30Cm×15
50Cm× 6
【アシドスライム】スライム亜種(黄色)
HP 35
MP 0
運動性 20
攻撃力 60
防御力 40
命中 28
回避 3
10Cm× 7
30Cm×20
50Cm× 2
俺のヘルメット内と同じく、シェリーさんとタミーさんの
コンバットスーツのヘルメット内で、同じように警告音と
サーチデーターが映し出されたらしく、
「あーん、スライムじゃん」
とタミーさんが嘆くのだった。
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