48話 テンタは異世界人だから





------(テンタ視点))------☆




 夕方にには北支部に到着後、悪特隊メンバーとは別れ、


俺と三毛猫オトア、シェリーさん、タミーさんは、そのまま


仮に借りている北支部にある、ガンブレイブのチームハウスに泊る。


 その日の夕食は、俺と、シェリーさん、タミーさんが、アダマイト


鉱山用に買った、料理をすべて出し、ケンタウロスのレツさんダイ


さん達も含めた6人で、楽しく夕食を過ごした。


 次の日、北支部の冒険者ギルド北支部にケンタウロスのレツさん


ダイさんも伴ってみんなで行く。


そして換金所に行き、大槌の所に行き小槌を壁の窪みにはめ込み、


「振込明細書」


と言うと、その小槌をはめる窪みの下の四角い穴から”ベー”って


感じで、木の板が出てきた。


【明細書】


≪バルバン≫(テンタ)


・ベビルデーモン×1 20万クリスタル


20万クリスタル×0.7×0.8=11万2千クリスタル


(約224万円)


・カザード国坑道クエスト代


15万クリスタル÷3×0.7×0.8=2万8千クリスタル


(約56万円)


【合計 14万クリスタル(約280万円)】


あのゴスロリ風の悪魔を倒した報奨金とクエスト代が、振り


込まれていた。


例によって、ギルド手数料3割と、チーム手数料2割が引か


れている。



 次に、シェリーさんタミーさんが明細書出す。


【明細書】


≪シェリー≫


・レッサーデーモン×1 5万クリスタル


5万クリスタル÷2×0.7×0.8=1万4千クリスタル


(約28万円)


・カザード国坑道クエスト代


15万クリスタル÷3×0.7×0.8=2万8千クリスタル


(約56万円)


・ゴリズリー×1   4万クリスタル


4万クリスタル÷2= 2万クリスタル(約40万)


・※ガルム×3  2万5千クリスタル 


2万5千クリスタル÷2=12,500クリスタル


(約25万円)  


・ジャイアントシャベル×20=5万クリスタル


5万クリスタル÷2=2万5千クリスタル(約50万円)


・ガーゴイル(魔核あり)×3  3万クリスタル


3万クリスタル÷2=1万5千クリスタル(約30万円)


・アラクネ×1   1万5千クリスタル


1万5千クリスタル÷2=7,500クリスタル


(約15万)


・大ワーム×1    2万5千クリスタル


2万5千クリスタル÷2=12,500クリスタル


(約25万円)


【合計 6万クリスタル(約120万円)】


【明細書】


≪タミー≫


・レッサーデーモン×1 5万クリスタル


5万クリスタル÷2×0.7×0.8=1万4千クリスタル


(約28万円)


・カザード国坑道クエスト代


15万クリスタル÷3×0.7×0.8=2万8千クリスタル


(約56万円)


・ゴリズリー×1   4万クリスタル


4万クリスタル÷2= 2万クリスタル(約40万)


・※ガルム×3  2万5千クリスタル 


2万5千クリスタル÷2=12,500クリスタル


(約25万円)  


・ジャイアントシャベル×20=5万クリスタル


5万クリスタル÷2=2万5千クリスタル(約50万円)


・ガーゴイル(魔核あり)×3  3万クリスタル


3万クリスタル÷2=1万5千クリスタル(約30万円)


・アラクネ×1   1万5千クリスタル


1万5千クリスタル÷2=7,500クリスタル


(約15万)


・大ワーム×1    2万5千クリスタル


2万5千クリスタル÷2=12,500クリスタル


(約25万円)


【合計 6万クリスタル(約120万円)】



レツさんダイさんは、換金所でダイレクトに報奨金を


受け取る……と言ってもギルドやチームの手数料は、


引かれているが……。


≪レツ、ダイ≫


・レッサーデーモン×5 25万クリスタル(約500万円)


それに※シェリーさんとタミーさんから、ガルム3体分


のお金を直にもらっていた。


 本来レツ、ダイが倒したガルムは5体だが、うち2体は


丸焦げだたり、真っ二つだったりで、毛皮の価値がないので


、3体分のお金となった。


「こ・こんな大金」


「スゲー」


2人合わせて【16万5千クリスタル(330万円)】


の大金を手に入れ、大喜びの2人に、タミーさんが、耳打ち


をする。


「あまり、派手に喜ぶと、良からぬ奴らに襲われるよ」


その言葉に、2人は”ハっ”として、大人しくなるのだった。


(帰りはみんなで帰ろうね、レツさんダイさん)


と思う俺。


 だが、レツさんダイさんにそう耳打ちしたタミーさんも、


後で自分達の冒険者レベルが2→4に上がってるのを知って、


大はしゃぎするんだけどね……。


 因みに、俺は今回レベル1上がってレベル6になってたん


だけど。













 この日は、もう1泊北支部のチームハウスで過ごし、次の日


再びカザード国へ向け、出発する。


 今回も、前回同様、悪特隊北支部の護衛が付く


悪特隊北支部の護衛が着く……。


 朝出発して、夕方にはカザード国に無事着いた。


(それにしても、悪魔達どうしたんだろ……)


 い~や、別に悪魔に襲われたい訳ではないが、なんか


拍子抜けって感じ。













 この日は、カザード国で、前回からお世話になっている


ホテルに泊まる。


 で、ここのホテル、高級ホテルとまでは言わないけど、


1泊2食付きで、しかも部屋で食事ができるので、前々


から、気になっていたんだけど、いったいいくらするん


だろうと、思ってはいたのよ。


 今日、再び出迎えてくれた、ガイゼルさんに聞いてみ


ると、何と!”ただ”。


 それは、何でか?なんだけど……。


それは、昔、トムさん、ガイゼルさんにミリーさん、


アナさん達が現役の冒険者だったころに、ここのオーナ


ーの命を救ったことがあったらしい。


以来、冒険者チームガイブレイブメンバーは”ただ”


と言うことらしい。


(なるほどねぇ~、何泊もしてたから後で”どえ


らい”請求が来るかと内心心配していたんだけど


ねぇ~、まぁ、よかった、よかった)













 次の日、ホテルを出て、鍛冶屋ガウの方ではなく、ガイゼル


さんの父親が、経営している工房クルーフの方に向かう。


 ガイゼルさんに、俺と三毛猫オトアそれに、今回も見学の


シェリーさん、タミーさんも同行する。


宿泊してるホテルのある地下7階から工房クルーフのある


地下10階へは転送魔法円で降りて行く。


 なぜ、鍛冶屋ガウではなく、工房クルーフの方に行くのか


と言うと、コンバットスーツは、鍛冶屋ガウの方であらかた


完成していた。


 ただ、塗装と武器の最終微調整を、鍛冶屋ガウの方から、


工房クルーフが受けてやっていると言うことだ。


 工房クルーフは、鍛冶屋ガウとは違い、異世界の鍛冶屋


って感じの工房だった。


 ガイゼルさんの後に付いて、お店の中に入ると、


ガイゼルさんの息子さんのゾーンさんが、店の表の方で、


道具を片付けていたが、俺達の気配に気づき、顔を上げ、


ガイゼルさんの顔を見て、


「あっ、父さん」


と言いながら、ガイゼルさんの後ろに居る俺達目線を移すと、


「少々お待ちください」


と頭を下げ工房の奥に向かって、


「じーちゃん~、テンタさん達が来られたよ~」


奥に居るであろうガイゼルさんの父バンデさんに声を掛けた。


 ゾーンさんがここに居るのは、今日は鍛冶屋ガウの休日で、


こっちの手伝いをしに来ていたと言うことだった。


\「わかった今行く」/


と工房の奥からガイゼルさんの父バンデさんの声がして……。


\\ドンガラガッシャン//


大きな物音が工房の奥から聞こえてきた。


それを聞いた、ガイゼルさんと息子のゾーンさんが、


「父さん大丈夫!」


「じーちゃん大丈夫~」


と声を掛けながら、工房の奥へと走って行った。


 しばらくすると、


「いてててぇ~」


と両脇をガイゼルさんと息子のゾーンさんに支えられながら、


出てくるバンデさん。


それを見て、俺は思わず声を掛ける。


「大丈夫ですか?」


「いてててて……、あ、はい、ちょっとそこで躓いて転んだ


ものでね」


俺の呼びかけに、腰を押さえながら言うバンデさん。


「じーちゃん、ここに座って」


とガイゼルさんの息子のゾーンさんに言われ、


「どこらしょ」


とゾーンさんが持ってきた椅子に腰を掛けた。


バンデさんが椅子に座り、少し落ち着いたところで、ガイゼルさん


が言う。


「で、父さん例のあれは?」


その言葉に、バンデさんは言う。


「う……っ、ゾーンや、奥の作業台に載ってる、ほれ、あの……」


と一生懸命、俺のバックルを説明しようと、身振り手振りで言う


バンデさんを見て、ゾーンさんが走って工房の奥に行った。


 しばらくして、ゾーンさんが楕円のベルトのバックルを持って


「じーちゃんこれ」


とバンデさんに渡そうとすると、手で”違う違う”とするので、


ゾーンさんが”えっ、”と驚いた表情を見て、代わりにガイゼル


さんが、それを受け取り、俺に渡した。


それを見て、頷くバンデさん。


(ああ、俺に渡せと言いたかったんだ)












 小槌から、手に入れたアダマイトの塊を出し、側にあった


椅子の上に置いてから、ベルトに受け取ったバックルを取り


付け、


赤着せきちゃく!」


変身ポーズをとり、べルトバックルに取りつけた、楕円の


金属板が光る。


と同時に俺の体が赤い光に包まれ、俺は、コンバットスーツ


姿になるとすぐに、


「宇宙シェリフバルバン!」


とポーズを決める。


 装着したコンバットスーツは、銀色だった。


 これは仕上げ前の状態のコンバットスーツだからなのだが、


ここまでの状態を鍛冶屋ガウで作成し、この後の塗装と微調


整をこの工房クルーフで行うことになっていた。


(少し重い)


装着したコンバットスーツが少し重く感じるのは、三毛猫オトア


と合体し、三毛猫オトアと同化したエードラム様(光の


精霊)の魔力と言うか、精霊力を利用して、動かす


仕様になっているためなのだが、軽く動すぐないなら、


俺にも少し魔力が、この世界に来てから備わっているので


支障はない。


 椅子の上に置いたアダマイトの塊を取って両手で握る。


≪エードラム様準備が出来ました≫


って念話でエードラム様(光の精霊)に言うと、


≪OKw≫


と軽いノリで返される。


すると、俺の体が光に包まれると同時に手に持ったアダマイト


の塊も光に包まれる。


すると、手に持ったアダマイトの塊が徐々に蒸発し、俺を包む


光と交わり……。


 しばらくして光が消えると、


≪終わったよ~≫


ってエードラム様が言う。


(これで、完了だな)


って思っていたら、

 

\ドスン/


とバンデさんが椅子からずり落ちていた。


その横で、立ったまま固まるゾーンさん。


2人の横で、頭を”ポリポリ”掻くガイゼルさんに、その後


ろで、クスクス笑うシェリーさんとタミーさん。


その状況に俺が、


(いったい、どうしました?バンデさん、ゾーンさん)


と思いながら固まていると、


「あわわ、あわわ」


と椅子からずり落ちたまま言うバンデさん。


そして、固まっていたゾーンさんが驚きながら言う。


「て、テンタさんって……まるで精霊様みたいなことで


きるんですね!」


その言葉に俺は、


(うん……俺ではないけど)


でもそんなこと言ったら、誰がって事になるし、本当の


事を話すとまた、ややこしいからって考えていたら、


ガイゼルさんが自身の父親のバンデさんと息子のゾーン


さんに言う。


「テンタは、異世界人だからなw」


その言葉に、2人は、


「「ああ~なるほど」」


って納得しちゃった。











 俺がコンバットスーツを着た状態で、バンデさんが、


チェックする。


「粒子レベルで、アダマイトがスーツをコーティングしてる……」


と唸るように言うバンデさん。


そこで、突然三毛猫オトアが言う。


「テンタ君wテストしようよ~」


 突然、目の前でしゃべる三毛猫に、再びガイゼルさんの父親の


バンデさんと息子のゾーンさんが、それを聞いて顔を引きつらせた。


「ね・ねこがぁ――っ……」


「しゃべった!?」


 それを見て腰を抜かす、バンデさんに、目を見開いたまま固まる


ゾーンさんをそのままほったらかし、三毛猫オトアは言う。


「フェードイン~w」


三毛猫オトアの体が光に包まれると、そのまま俺のベルトの


バックルにダイブする。


俺のベルトのバックルに三毛猫オトアが吸い込まれると、


俺の体が一瞬光る。


すると、俺の正面のモニターでなく、左右にの小さなモニターが開く。


右が……


(オトア!)


 そう、猫になる前のオトアの姿があった。


『えっ、えっ、え――っ!』


驚く俺に、


『えっ、えっ、テンンタ君どうしたの?』


って聞いてくるから、


『いや、人間のころのオトアが映ってる~!』


って言うと、モニターのオトアは、おどけて


『えへ、私かわいいw?』


と聞いてくるので、


『うん』


と答えると、モニターに映るオトアの顔が見る見る赤くなった。


『こほん』


そこへ、左のモニターの女性が咳ばらいをする。


見ると、そこには……。


 あくまで俺の主観だが、ギリシャの女神アテナのような姿の


エードラム様が映っていた。


『えっ、エードラム様?』


と俺が聞くと、


『エッヘン』


と言って胸を張るエードラム様が居た。


そして、エードラム様が、オトアの真似して言う。


『私、かわいいw?』


(かわいい……と言うより美人かな?)


って思ったので、そのまま。


『美人ですw』


って、言うと、エードラム様が手をほっぺにあてて


『そう~ぉ』


ってこちらも照れている。


そこへ、ガイゼルさんが俺に言う。


「今映ってるのは、アロムが作ったグラフィック映像だ」


その言葉に俺は、


「すごい、すごいです、アロムさんて」


感心するのだった。


そして、まだ腰を抜かしているバンデさんと目を見開いた


ままのゾーンさんにガイゼルさんが言う。


「この三毛猫も異世界の猫だから」


って言うと、なぜだか2人は、


「ああ」


「なるほど」


って素直に納得するのだった。


 後で、なぜ2人が納得したのかガイゼルさんに聞くと、


ガイゼルさん自身が、転生者で子供のころから父親である


バンデさんは、何度もこの世界の常識を上回る能力を見せ


られ、この世界に来る転生者や、異世界人の元居た世界


はすごい能力者ばかりだと思っているからなんだって、


当然、ガイゼルさんの息子のゾーンさんも同じなので、


ガイゼルさんは以前より、説明しにくいことなどは、


すべて”異世界だから”って言って納得させていたから


何だってさ。


 その後、コンバットスーツの各部チェックを済ませ、


一旦、解除して再びゾーンさんにバックルを返す。


 後は、塗装だけだが、2日ほどで完成するとのこと


だった。

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