47話 5人揃って
アダマイトの坑道のクエスト完了後、俺達はホテルに戻った。
次の日、まだ、俺のコンバットスーツの完成には時間かかかる。
って言うことで、待っている間に一度、北支部に戻り、クエスト
等の報酬をもらいに行くことに……。
ただ、前回、道中悪魔に襲われているので、今回は俺達に悪特
隊北支部の護衛が付く……。
しかも、悪特隊北支部全員による護衛。
(ちょっと、オバーな気もするけど……)
カザード国北門より、北支部を目指す。
俺達は、ケンタウロスのレツさん、ダイさんが引く
その前を、白い馬車が行く。
馬車と言っても、引いているのは馬ではなく、ユニコーンだけど。
だが、通常の馬車同様、御者がいて、ユニコーンをコントローる
する6人乗りの馬車。
悪特隊北支部のメンバーは5人で、1人は御者を務めるので、
中に乗っているのは4人と揺ったり乗れるようだ。
朝出発して、夕方にには北支部に到着。
結局、悪魔に襲われることもなく、北支部に到着し、俺は少々
ガックリきていた。
(この、大げさな警備は何だったんだろう?)
◇
------(第三者視点)------☆
テンタ達が居る大陸とは別の大陸の地下深く岩でできた、
地下城の柱が並ぶ大きな広場、そこに悪魔子爵ゴースン
(腕や下半身には岩のようなものが覆う女の姿)と共にゴースン
配下のパイ(頭がトカゲで体が男)とオミクロン(頭がコブラ
で体が男)が悪魔子爵ゴースンの左右に控えている。
3体の悪魔の前には、1本角で1つ目の巨人、クラーケン
(大蛸)、
ギガレオン(大獅子)、マンモス、大カラス、大蛇、マーライオン
(獅子の上半身に魚の下半身)、大サソリ、サラマンダーの魔獣達
と人間を融合させ、それぞれの魔獣の額には人間の顔があった。
「何だ!この体は……」
と、怪物と化した自身を見て、驚く者、
「元に戻してくれ~!」
と涙ながらに訴える者、
「たすけてくれ~」
と、ひたすら懇願する者達の声が、広間中に響き渡っていた。
そこへ、ダリウス(オトアの体)が、現れた。
悪魔子爵ゴースンと共にゴースン配下のパイとオミクロンが一斉に、
ダリウス(オトアの体)に跪くと、それを黙って見て頷く。
そして、魔物に同化された人々に向かってダリウス(オトア
の体)は言う。
「心配するな、すぐに楽になる」
とほほ笑み、呪文を唱えだした。
「無の具現たる深淵よ 世界を束ねる古の契約よ 我が名に
従いて悪魔伯爵シャッキーとその配下モルス、アーマー、ゾル、
ヘル、ファング、フェザー、ニゲル、デッド、ゲー、ガイスト
を呼び寄せたまえ~」
すると、
”\\\ゴー///”
と言う音と共に、大地が揺れ地響きが鳴り出す。
次の瞬間!
巨獣と同化させられた人々の頭上に、黒い煙と共に悪魔伯爵
シャッキーと、その配下のアストラル体(精神体)が現れ、降り
てくる。
そして、一瞬、あたりが静かになったその時、シャッキーと、
その配下のアストラル体(精神体)は、それらと融合した。
すると、巨獣達は見る見る小さくなり、人間の大きさへ
と変わっていく。
そして、全員がダリウス(オトアの体)の前に膝まづくと、
その中の1人、頭を覆いつくす蛇の髪、目玉が一つで、体を
赤いマントで覆っている男が顔を上げ言う。
「お召しにより、只今参上いたしました」
その言葉にダリウス(オトアの体)が言う。
「よくぞ、復活いしたシャッキーよ」
「ははっ、これよりはダリウス(オトアの体)様の恩ため
、働かせていただきまする」
「うん、頼むぞシャッキー」
そう言って、ダリウス(オトアの体)は退出する。
それを、悪魔子爵ゴースンと配下2名と共に見送る、
悪魔伯爵シャッキーとその配下達。
そして、その悪魔伯爵シャッキーに向かって、悪魔子爵
ゴースンが言う。
「シャッキー殿ご復活おめでとうございます」
その言葉に、
「ゴースン殿の御配慮、いたみ入ります」
と頭を下げる悪魔伯爵シャッキーに、
「なんのなんの、悪魔伯爵シャッキー殿が無事、ご復活
なされたのだ、これで、この私もバンバ殿同様に、人間
界に出れると言うもの、後はお任せいたす、シャッキ
ー殿」
と頭を悪魔伯爵シャッキーに下げる悪魔子爵ゴースン
に、ゴースンの肩に手を掛け、悪魔伯爵シャッキー
は言う。
「任されよ」
その言葉を聞いて、頷き、
「では」
と言って、悪魔子爵ゴースンは、配下のパイとオミクロンを
連れ、退出するのだった。
◇
悪魔伯爵シャッキー達が、居た広間から退出した悪魔子爵
ゴースンと、そのパイとオミクロン。
3体が廊下を移動中に、配下の1人、パイが、悪魔子爵ゴー
スンに聞く。
「シャッキー様達のために
30名ほど余っておりますが、どういたしましょう」
それを聞いた悪魔子爵ゴースンは、
「んっ?……」
と少し考え言う。
「そうじゃな、丁度バンバ殿が例の復活のために千人ほど人間
を集めておったはずじゃ、余ったと言うのなら、帥がバンバ
殿に届けてやってくれぬか」
そう言われたパイが、
「では、早速!」
と悪魔子爵ゴースンに頭を下げると、そのまま\ボワ/と消え
た。
◇
一方、テンタ達が居る大陸の東側では……。
テンタ達が居る大陸の東にある北晋王国、晋王国、南晋
王国の3つの国があるが、これは元々晋帝国だったもの
が、初代皇帝が3人の息子に国を相続させるにあたり、
3つに分割したのが始まりの国々ではある。
その3つの国の1つ晋王国の人里離れた小さな村に、
悪魔男爵バンバの配下クインクゥエ(フルプレート
アーマーの騎士風の男)とセクス(白シャツ吊りバンド
の半ズボン姿の男の子)が居た。
クインクゥエは、気絶する男2人を抱えており、
それを、\ドサ/っとセクス前に下した。
「これで何人になったセクス」
そう聞かれたセクスは、目の前に転がる人間を数え言う。
「んーっと、これでちょうど30人かな?」
それを聞いたクインクゥエは言う。
「なら、今までの奴を入れて丁度100人になったな」
その言葉に、セクスは、
「そーだね、初めは調子よくて、100人単位で
えてたのに……あの銀色の奴に、5人組の転生者、それに
悪特隊まで、加わって僕達の邪魔するんだもん、やって
られないよ」
と不貞腐れて言う。
それを聞いて、慰めるように、クインクゥエは言う。
「まぁ、確かに時間がかかったがこれで終わるんだ、そう
怒るなセクス」
その時だった。
「そうはさせない!」
と太陽を模した赤い仮面に赤い服を着た男が2人の前に
現れ言う。
それを見たセクスは、ため息交じりで言う。
「またぁ~お前か」
すると、今度は別の場所から声がする。
「またで悪かったな」
と風をイメージした紫の仮面に紫の服を着た男が言う。
続いて、
「ここにもいるたい」
と大地をイメージした緑の仮面に緑の服の男が現れる。
さらに、
「俺達もここに居るぜ」
と氷をイメージした白い仮面に白い服の男と、その横には、
ハートをイメージしたピンクの仮面にピンクの服の女が立っ
ていた。
そして、それぞれが、
「「「「トイヤ~!」」」」
と叫び、ジャンプして、赤い仮面の男の所に着地し、
そして整列すると、
「サンライジャー!」
「マッハライジャー!」
「グランライジャー!」
「フリーズライジャー!」
「ラブライジャー!」
と右足を一歩前に出し、ポーズを決めながら言う。
そして、赤い仮面の男の
「5人そろって……」
と言う掛け声に、
「「「「「ゴライジャー」」」」」
と全員でまたもや決めポーズを言いながら言う5人組。
「ま~たぁ~お前らかよ~」
ゴライジャー5人を見て、セクスが、”うんざり”って
表情で言うと、
「ばってん、きさんたちが、人間をおそうからじゃろ」
とゴライジャーのうちのグランライジャーが言う。
「ちぇっ」
それを聞いたセクスが舌打ちをする。
そんなセクスにクインクゥエは言う。
「ここは、俺が引き受けた、お前はこの人間達を早う、
バンバ様の所へ届けてくれ」
その言葉に、セクスは、
「うん、わかった」
と答えたが、その時、別の方向から声がする。
「そうはさせんぞ!」
その声に、クインクゥエとセクスが振り向くと、そこには
あの銀色の男が立っていた。
「え―――っ、銀色まで来た」
とすごく嫌な顔を露骨に出すセクスに、銀色の男は言う。
「宇宙シェリフバルジャン!、今日こそお前らを倒す
!」
と言いながら、セクスとクインクゥエを指さし言うや否や、
「SSフィールド(スペースシェリフシールド)
展開!」
と言って、SSフィールドを展開する。
※SSフィールドとは、宇宙シェリフが使う特殊能力で、
劇中、バルシャンを始め宇宙シェリフ達が、街中での
怪人との戦闘で、街の人や建物の被害を出さないため、
自身と怪人を、異次元空間に閉じ込める能力のことで
ある。
この場合、怪人でなく悪魔になる。
「し・しまった!」
宇宙シェリフバルジャン(トム)にフィールドを張られ、
閉じ込められたことに焦るクインクゥエ。
だが、セクスが、急に
((((((ビエ~ン・エン・エン))))))))
と泣き出した。
するとその泣き声が、バルジャン(トム)が張るSS
フィールド内に充満し、
((((((ビエ~ン・エン・エン))))))))
「「うっ……」」
「な・なんですたい!」
「うわぁ!……」
「キャー!」
とゴライジャー達と、
「うっ……」
バルジャン(トム)が、急に耳を押さえながら苦しみだした。
バルジャン(トム)は、苦しみながらも、自身のコンバット
スーツ内に響く泣き声を遮断しようと、遮音装置を働かせるが、
「うわぁ~!」
頭に響くセクスの泣き声が消えない。
すると、バルジャン(トム)が展開したSSフィールドが、
消えて行く。
それを見た、セクスが、クインクゥエに言う。
「今だ!兎に角、逃げようクインクゥエ!」
その言葉に
「ああ、」
と頷いたクインクゥエは、セクス共々\ボワ/と消え
るのだった。
それを見た、バルジャン(トム)は、
「クッソ、逃がしたか!」
と悔しがるのだった。
◇
晋王国から、逃げかえったクインクゥエと、セクスが、
悪魔男爵バンバの前で、膝まづいていた。
「申し訳ございません、今一歩のところで、銀の男に邪魔
をされてしまい、残り30人を持ち帰ることができません
でした」
と謝罪するクインクゥエに、
「もうよい」
と一言告げる悪魔男爵バンバ。
「しかし、それでは……」
と申し訳なさそうに言いかけるクインクゥエに、悪魔男爵
バンバは、
「もうよいのだ、クインクゥエ……魂ならもう千集まって
おる」
その言葉を聞いて、
「えっ、どう言うことでございましょうバンバ様……」
と聞き返すクインクゥエに、”ああ”って言う顔で、悪魔
男爵バンバは言う。
「いやな、先ほどゴースン殿の配下のパイが、届けてくれ
てのう、だからもうよいのだクインクゥエ」
と言うが、その悪魔男爵バンバの言葉に少し納得いかない
と言う顔で、クインクゥエが聞き直す。
「それは、どういったことで、パイが届けてまいったので
しょう?」
と聞くので、
「おそらく、シャッキー殿復活用に集めた人間の残りで
あろうて……」
と言うと、クインクゥエが、”なるほど”と納得した様子
で、
「さようで……」
と言う。
その言葉に、”それより”って言う顔で、悪魔男爵バン
バは、目の前に居るクインクゥエとその横に控えるセクス
に言う。
「それより、セプテンが、あの小僧に倒された」
その言葉に、
「何と!」
「え――っ!」
と驚くクインクゥエとその横に控えるセクス。
そして、クインクゥエが言う。
「あの小僧にですか!?」
その言葉に黙って頷く悪魔男爵バンバ。
そして、
「クインクゥエ、セクス決して油断はするなよ、あの
小僧……何か我等の知らぬ力を秘めているのかもしれん
でな」
その悪魔男爵バンバの言葉に、クインクゥエとセクスが、
「ははっ!」
「はい」
と気持ちを引き締め悪魔男爵バンバに返事をするの
だった。
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