45話 アダマイトの坑道(中編)
皆で手を合わせせ、
「「「「ごちそうさまでした」」」」
と言うと、出発の準備をする。
「
「
「
それぞれが、コンバットスーツを装着すると、
再び坑道の奥へと進んだ。
ガーゴイルを倒した場所から歩くこと約1km。
前方に何やら、七色に光るカーテン?らしきものが
見えてきた。
俺達は、警戒し、サーチャースコープを使おうとした
その時だった。
なんだか、体が”ふわふわ”しだし……。
そして、光のカーテンに、なぜだか学校のクラスメ
イトが見えたり、とうさん、かあさんの姿が見えた。
「あれ、どうしたの?とうさん!、かあさん!」
と俺はそう声を掛けるが、とうさんとかあさんは、
唯、ほほ笑むだけだった。
「こっちに来てたの?とうさん!、かあさん!」
と再度問いかけるが、ただ、唯、笑顔で笑っている
だけ……。
すると、そのとうさんとかあさんの側にオトアが居た。
それも、三毛猫になる前のオトア。
「オトア、人間に戻れたのか!」
と叫んでみるが、光のカーテンの中に居るオトアは、
何も言わず、笑顔で手招きをする。
俺は、オトアの手招きする光のカーテンの方に
歩いて行くのだた。
◇
------(第三者視点)------☆
突如として、テンタ達の前に現れた、七色に輝く光の
カーテン。
そこに、テンタ、シェリー、タミーが、吸い込まれる
ように歩き出した。
それを見て、三毛猫(オトア)は、みんなに話しかける。
「テンタ君、シェリーさん、タミーさん……みんなどうし
たの!?」
しかし、テンタもシェリー、タミーも三毛猫(オトア)の声が
聞えていないようだ。
「みんな、どうしたの!?」
必死に叫ぶ三毛猫(オトア)に、
≪あー、やばいね≫
と三毛猫(オトア)と同化したエードラム(光の精霊)が言う。
「みんな、どうしちゃったんですか?」
三毛猫(オトア)が自分に同化したエードラムに聞く。
≪んー、あれはアラクネの仕業ね≫
「アラクネ?ですか」
エードラムの言葉に聞き返す三毛猫(オトア)に
≪アラクネって蜘蛛の魔物なんだけど、本体は
地中の中に居て背中から、幻影を人に見せて惑
わせるのよ≫
とエードラムの説明に、
「惑わせてどうなるんですか?」
と質問する三毛猫(オトア)に
≪惑わせ、近づいてきたところで、地中に居る本体がね……≫
とじらすような説明に、三毛猫(オトア)が、
「本体がどうするんですか!エードラム様!」
怒鳴った。
≪ああ、ごめん、ごめん、本体が食べてしまうのよ≫
その言葉を聞いた三毛猫(オトア)は、驚き叫ぶ。
「え――っ、駄目じゃyないですか!」
三毛猫(オトア)の叫びにエードラムは軽く、
≪そうね≫
と答えるのだが、三毛猫(オトア)が、
「助けないと!」
と言いながら、走り出そうとするが、それをエードラムが
止める。
≪待って、やみくもにオトアちゃんが突っ込んでも食べれれる
だけだから≫
その言葉に三毛猫(オトア)は、
「でも~!」
と不服そうに返す。
そんな三毛猫(オトア)にエードラムが言う。
≪ちょっと、オトアちゃんの負担になるけどいいかしら?≫
と聞く、それに対して、
「良いも悪いもないです、今すぐみんなを助けてください」
と言う三毛猫(オトア)の言葉を聞いて、
≪わかったわ≫
と言うや否や、三毛猫(オトア)のコントロールをエードラムが
取り、三毛猫を走らせ、ジャンプする。
そして目の前に居るテンタ達を飛び越え、空中で魔法を発動
させる。
「シャイニングアロー・ディバイダー!」
そうエードラムが叫ぶと、一本の光の矢が形成され、地面に
向けてそれを発射するが、地面に刺さる前に無数の矢に分離
し、
\シュパッ/
\ブシュッ/、\ブシュッ/、\ブシュッ/、\ブシュッ/
と地面に刺さった。
\\グァァァッ//
悲鳴とも、泣き声とも聞こえる声がし、無数の矢が刺さった
地面が、
\\ズッズッズッ――//
\\グラグラグラ//
と揺れたかと思ったら、
\\ドッカーン//
と体長1.6mの大きな土蜘蛛が出てくるのだった。
◇
------(テンタ視点)------☆
地面が、
\\ズッズッズッ――//
\\グラグラグラ//
と揺れた。
「えっ、なになに?」
俺は、急に夢から覚め現実に引き戻されたようで、気が付くと
目の前に大きな土蜘蛛が居た。
”はっ”として、俺はビームガンを抜く。
俺の隣に居たシェリーさんとタミーさんも同じだったようで、
俺と同じくビームガンを抜いていた。
3人はお互いの顔を見合わせると、すぐさま、
「「「トリプルバスター!」」」
3人が同時にしかも同じ個所にビームを集中させた。
”ビシューン”
\\\ズキュン///
\\\ボン///
3人が放つ光線が大きな土蜘蛛の顔を吹っ飛ばした。
すると大きな土蜘蛛は体を”ガク”っとさせそのまま動かなく
なった。
「ふぅ~」
俺がため息を着くと、シェリーさんが
「これはいったい……」
と状況を考えている横で、タミーさんが、
「どういうこと?どう言うことよ」
と俺とシェリーさんに聞いてくるが、俺とシェリーさんが、
両手を広げて、”さぁ~”って言うポーズをとった。
◇
俺達と、土蜘蛛の死骸の間に、三毛猫(オトア)が倒れていた。
「オトア~!」
「オトアちゃん」
「オトアちゃん」
俺と、シェリーさん、タミーさんが倒れている三毛猫(オトア)の前に
駆け寄り、俺は三毛猫(オトア)を抱きかかえて、もう一度
「オトア!どうしたんだ」
と叫ぶと、俺の頭の中にエードラムさんからの声がした。
≪いやー、そのう~、みんながアラクネに食べられそうだったんで、
でね、オトアちゃんに助けてって言われてねぇ……≫
なんだか要領が得なかったが、話をよく聞いてみると、
この大きな土蜘蛛はアラクネと言う魔物で、本体である土蜘蛛の
部分は地中に居て、背中から、人を惑わすフェロモンと共に、
幻影の光を出して、自身の近くにおびき寄せ食べるらしい。
それで、俺やシェリーさん、タミーさんがまんまと、アラクネの
術中にはまり、食べられそうになっていたのを助けようとした
三毛猫(オトア)が、エードラム様にお願いし、エードラム様が
、三毛猫(オトア)の体を使って魔法攻撃を行使したら……。
三毛猫(オトア)の体に思った以上に負荷をかけてしまい、
三毛猫(オトア)が気絶したって事らしい。
それを聞き、シェリーさん、タミーさんにも俺の口から説明した。
幸い、気を失っているだけで、三毛猫(オトア)の体に別状は、
ないらしいが……。
「ごめん、オトア、俺がふがいないばかりに」
と俺は三毛猫(オトア)に謝り、小槌から敷物と毛布をだし、
三毛猫(オトア)をそこに寝かせた。
「ごめんね、オトアちゃん」
とシェリーさんが毛布にくるまれ、すやすやと寝る三毛猫(オトア)
を撫でながら謝るシェリーさん。
その横で、三毛猫(オトア)を見つめながら、
「ごめん、オトアちゃん」
と頭を下げるタミーさんだった。
◇
三毛猫(オトア)をそのまま寝かせて、3人で話し合う。
「まだ、午後3時だけど、今日は無理せず、ここで野営に
しようか」
とシェリーさんの提案に、俺とタミーさんも同意し、野営の
準備と、そして、シェリーさんとタミーさんは、先ほど三毛猫(オトア)
と言うかエードラム様が倒した、アラクネの死骸をシェリーさん
の小槌に収納する。
収納する際、こいつの能力をサーチしてみると、
【アラクネ】
HP 0/500
MP 0/300
運動性 0/ 80
攻撃力 0/200
防御力 0/250
命中 0/ 65
回避 0/ 63
≪アラクネ死骸≫×1
なんでも、こいつのフェロモン袋ってのが、香水の原料に
使えるとかで、1,500クリスタル(30万円)でギルド
で買い取ってもらえるとか。
でも、本来、こいつのフェロモンを嗅いだ人間は、性的な
高揚し、見せられる幻影もセクシーな幻影らしいが……、
俺も、シェリーさんも、タミーさんも幻影には惑わされたが、
その……セクシーなってのはなかった。
これは、エードラム様曰く、フェロモンを嗅がなかったか、
嗅ぐ前にエードラム様が攻撃して、アラクネがフェロモン
を出せなかったか……かも?と言う話だった。
◇
3人とも持っている1人用テントを準備する……と言っても、
小槌から出し、テントにある仕掛けを”ポン”と触ると、自動で
テントが張れる。
(便利だね~)
それに、火の準備もいらない……だって料理は作らないからw。
しかも、本来焚く、魔物避けの香を焚く必要もない。
なぜなら、俺達が寝てる間、三毛猫(オトア)中に居るエードラム
様が俺達に変わり見張ってくれるそうで、もし、魔物の気配が
あったら三毛猫(オトア)を起こして俺達に知らせてくれるん
だと。
(精霊って便利w)
その三毛猫(オトア)もあれから2時間ぐらいで復活!。
今は、元気になって、シェリーさんとタミーさんの女子3人で、
何やらお話をしている所だ。
俺はこの間に、コンバットスーツの魔晶石を交換していた。
俺の魔晶石の交換が終わったころ、シェリーさんが、俺の所に
来て、
「そろそろ、夕ご飯にしな~い」
って言ってきたので、
「そうですね、で、今日の夕飯何にします」
と聞くと、その声が聞えたのか、三毛猫(オトア)としゃべって
いたはずのタミーさんが言う。
「フリテ―レンがいいw」
その言葉に俺も
「ああ、それいいですねぇ~」
って返すと、シェリーさんが、
「じゃ、それにしましょうw」
と言った。
3つ並んだテントの前で、敷物を敷き、そこに各人が自分の
皿を出す。
そしてシェリーさんが自分の小槌から、フリテ―レンとその
付け合わせのフライドポテトが載った大皿と、それを取り分
けるためのトングを出し、みんなが座る前に置いた。
『フリテ―レン』とは、以前俺と三毛猫(オトア)の歓迎会で、
アナさん(ガイゼル嫁)が作ってくれたことのある料理で、
俺達の世界で言うドイツ系や中東で食べられている「シュニ
ッツェル」と言う、日本のとんかつのような料理。
日本のとんかつと違うのは、使う肉が豚ではなく羊肉で、お肉を
叩いて薄くのばし、衣をつけ、フライパンに少し多めの油を入れ
て揚げ焼きにしたもの。
各自、トングで、『フリテ―レン』と付け合わせのフライド
ポテトに同じく付け合わせの野菜(葉物)を順番に取って行く。
そして、それに合わせて、丸いハードロール系のパンをタミ
ーさんが小槌から、各自の皿に出して行く。
「「「「いただきますw」」」」
皆で手を合わせ『フリテ―レン』をいただく、当然だが、
いただく前には、ちゃんと三毛猫(オトア)が食べやすいよう
『フリテ―レン』を細かく切ったり、パンを細かく千切って
はある。
皆で、談笑しながら食べる夕食は実に楽しく、実においしい
と思う俺と三毛猫(オトア)だった。
◇
「「「「ごちそうさまでした」」」」
皆で手を合わせ、片付けをすると言っても、”泉の水筒”の
水を使い、各自の皿を洗い、小槌に収納するだけだけどね。
片付けが終わると各自自分のテントに入る。
俺と三毛猫(オトア)は、同じテントで寝る。
「おやすみ、オトアw」
「おやすみなさい、テンタ君」
ZZzzzz。
◇
翌朝。
生暖かい……ザラとしたものが頬をつたう。
何度も何度も。
「んっ!」
(い・い痛い!)
ハッとして目が覚める。
「テンタ君おはよう~w」
「んーっ、あ、オトアおはよう~w」
ちょっと前まで、同じルーティーンだったが、その時は舌舐め
と共に猫の泣き声で起こされ居たが、今は違う。
ちゃんとオトアの声で挨拶できることに幸せを感じる俺。
昨日使っ寝袋を小槌に収納し、自分達のテントから三毛猫(オトア)
共に出ると、丁度、シェリーさんとタミーさんもテントから
出てきたところだった。
3人で、まず、寝ていたテントを片付ける。
っと、言ってもテントにある仕掛けを”ポン”と触るだけ、あっという
間にテントがたたまれ、それを小槌に収納する。
それから、朝のご飯の用意っと言ってもまた、誰かの小槌から出すだけ
……何だが、今回は、俺の小槌から、『ケーゼクノップフリ』と言う
パスタを出す。
夕食のように各自の皿に鍋に入った『ケーゼクノップフリ』を分けて行く。
この『ケーゼクノップフリ』って料理は、日本で言う所謂、スパゲティ
の麺……と言ってもかなりやわらかい……が、これに揚げた玉ねぎと、
すりおろしたチーズを掛けた料理。
実は今回俺や三毛猫(オトア)だけでなく、シェリーさんとタミー
さんも食べたことのない料理だった。
「「「「いただきますw」」」」
皆で手を合わせ『ケーゼクノップフリ』をいただく、今回は三毛猫(オトア)
の分を細かくする必要はない。
食べた俺の感想としては、麺はやわらかくスパゲティと言うより、
縮れたうどん!?かな、それと、かなりチーズが効いている。
始めは”んっ”って感じだけど、なれれば、食べれるって感じかな。
「「「「ごちそうさまでした」」」」
皆で手を合わせ、片付けをすると言っても、”泉の水筒”の
水を使い、各自の皿を洗い、小槌に収納するだけだけどね。
(毎度毎度、楽でいいね)
◇
昨日、テントを張ったところから歩くこと約1km。
「うっわ!」
「うわぁ~!」
「なにこれ!」
俺、シェリーさんタミーさんが自分達の前方を見て叫ぶ。
「「「サーチャースコープ」」」
【小ワーム】
HP 100
MP 40
運動性 70
攻撃力 80
防御力 40
命中 68
回避 60
×400
俺達が驚くのは魔物の強さではなく、数。
全長0.5mの俺達世界の田舎に出る蛇くらいの大きさだし、
口から溶解液を吐くんだが、その溶解液は、岩石を溶かせる
が、鉱物、金属を溶かすほどの威力はない。
だが、問題はその数400匹。
それが、地面といい、壁といい、天井といい……。
そこら中から、生えているって感じ、しかもこの【小ワー
ム】冒険者ギルドでは引き取ってくれない言わば無価値。
無価値だからと言って、放ってはおけないのだが……。
目の前の魔物の暴力的な数に、俺達は絶望するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます