25話  冒険者VS悪魔(後編)




 そのころ、サイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんは自身を


囲むゴブリン達をモーニングスターを振り回し、全滅させいた。


"シュッ”


何かの異変に気付き、身をかわすサイバティック・ジェイミー


《ワグナー》さん。


\シュパッ/


だが、持っていたモーニングスターの鉄球が2つに切れた。


「えっ!」


驚きながらも身構えるサイバティック・ジェイミー《ワグナー》さん。


 すると、自身前方数十メートルの所に剣を構え立つデーモン


ゴブリンジェネラル。


「あっ、やったわねぇ~」


自身を攻撃したであろうデーモンゴブリンジェネラルを見つける


と、すぐさま走り出した。


その時速96km。


 高速で迫ってくるサイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんを見て、


デーモンゴブリンジェネラルが剣を振る。


"シュッ”


すると、デーモンゴブリンジェネラルが振るう剣から風の刃がサイバ


ティック・ジェイミー《ワグナー》さんを襲うが、それをサイボーグの目と


耳で素早く感知し、すんでのところで、それをかわしながら進む。


あっという間にデーモンゴブリンジェネラルの前に立つと、再び剣を


振るおうとするデーモンゴブリンジェネラルの剣を左手で受け止めた。


\\バシッ//


サイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんに剣を受け止められ驚く


デーモンゴブリンジェネラル。


 次の瞬間、


\\\バッキーン///


受け止めた左手を捻り、デーモンゴブリンジェネラルの剣を折る。


と同時に、左目から、赤いレーザー光線を出す。


\ピー/


そして、デーモンゴブリンジェネラルの胸にある悪魔核を破壊した。


悪魔核を破壊された、デーモンゴブリンジェネラルは、胸から紫色


の光の粒子が噴き出し、つづいて、目、鼻、口、耳から黒い煙を吐き


出し……そして、膝を”ガク”と折り、崩れ落ちるようにその場に


倒れたのだった。













「レッドバスター」


”ビッシューン”


\ズキュン/


 俺はビームガン(光線銃)で、デーモンゴブリンジェネラルが、空中に居る


デーモンレディー《マヤ》さん目掛け放つ矢を打ち落とす。


と同時に、


「デーモンクロー!」


”シュシュシュシュシュ”


さらに矢を放とうとしているデーモンゴブリンジェネラルに、爪のマシンガン


で攻撃するが、デーモンゴブリンジェネラルの後ろに居た、デーモンゴブリ


ンキングが、自身が持っている魔法の杖を振るい、そのデーモンゴブリンジ


ェネラルをバリアーで包み込む。


\\\カンカンカン///


デーモンレディー《マヤ》さんが放った爪のマシンガンは、すべて弾かれて


しまった。


「くっそ!」


悪態をつくデーモンレディー《マヤ》さん。


マヤさんが地上に居る俺に言う。


「バルバン《テンタ》、倒せとは言わないから、あのデーモンゴブリンキングを引き


つけてくれない?」


それを聞いて俺は黙って頷き、デーモンゴブリンキングの後ろに回ろうとする


のだった。












「レッドバスター」


”ビッシューン”


 俺は、デーモンゴブリンキングの後ろに回り込みビームガン(光線銃)で、


攻撃するが……。


\\\ビシャー///


デーモンゴブリンキングが持つ魔法の杖が自動的に働き、バリアーを張って


俺の放つビームをはじいた。


そして、ゆっくり俺の方を向く。


と、


杖を突き出し杖の先が光る。


デーモンゴブリンキングの周りに4~5本の槍が浮かぶと同時に俺に向かっ


て、槍が飛んできた。


”シュッ”、”シュッ”、”シュッ”、”シュッ”


俺は咄嗟に右に跳ぶ。


\シュポン/、\シュポン/、\シュポン/、\シュポン/


俺が立っていた場所に槍が刺さる。


右に跳んだ俺はゴブリン達をおびき寄せるため、用意した宝箱をひっくり


返し、\\\ドンガラガッシャン///


\\チャリンチャリンチャリン//


あたりに偽金貨をまき散らす。


 正直俺が、デーモンゴブリンキングを相手取るのは、はっきり言って


無理ゲーに近い。



【デーモンゴブリンキング】


HP    300+1200


MP     100+400(封印中)


運動性   50+200


攻撃力  200+800(+魔法の杖900)


防御力 100+400(+魔法の杖800)


命中      80+ 10


回避 60+ 5


×1


【テンタ(コンバットスーツ装着時)】


HP    500


MP    150


運動性   100


攻撃力   700


防御力  600


命中     88


回避 82



 せめてもの救いは、デーモンゴブリンキング本体のMPが、


サイキックレディー《メル》さんのブランチスキルで、封印され


てることだが……。










 俺が、デーモンゴブリンキングの相手をしてる間にデーモンレディー


《マヤ》さんは、石化の弓を持ったデーモンゴブリンジェネラルと戦って


いた。


「デーモンクロー!」


”シュシュシュシュシュ”


矢を放とうとしているデーモンゴブリンジェネラルに、爪のマシンガンで攻撃


し、デーモンゴブリンジェネラルの持っている弓を破壊した。


\\バッキーン//


 デーモンゴブリンジェネラルは弓を破壊されると、”バサ”と背中の翼を広げ、


デーモンレディー《マヤ》さんの所まで飛んで行き、デーモンレディー《マヤ》さん


の両腕を掴み上げ、


『デーモンクロー』を撃てなくした。


「んっ、なんて馬鹿力なのこいつ!」


両腕を掴まれもがく、デーモンレディー《マヤ》さんだったが……。


「デーモンテール!」


デーモンレディー《マヤ》さんは自身の三俣になった尻尾の先をデーモンゴブリン


ジェネラルの脇腹に突き立てた。


\ズボッ/


\\ぐぇ~!//


 そして、尻尾の先から悪魔専用の毒を注入する。


”ドクドクドク”


すると、デーモンゴブリンジェネラルは力が抜け、掴んでいたデーモンレディー


《マヤ》さんの両腕を離し、”ガク”となって、そのまま墜落した。


\\\ドスーン!///


デーモンゴブリンジェネラルが落ちた地面に、大きなクレーターができ、そこで


デーモンゴブリンジェネラルは絶命した。


「へへぇ~ん」


それを見たデーモンレディー《マヤ》さんは自慢げに胸を張るのだった。














 そのころ、メカイダー《バウアー》さんが、”メカイダースピン”でほとんどの


ゴブリンを蹴散らし倒していた。


 今、メカイダー《バウアー》さんの目の前には、魔法の杖(キングとは別の)


を持ったデーモンゴブリンジェネラルが立ちはだかっていた。


 デーモンゴブリンジェネラルが、徐にメカイダー《バウアー》さんに持っている杖を


突き出し、


\ピカッ/


杖の先が光ったと思ったら、


\\\バリバリバリ~///


電撃を放つ。


デーモンゴブリンジェネラルが放った電撃は、メカイダー《バウアー》さんを


襲うも、


\\\ビリビリ~///


平然と、デーモンゴブリンジェネラルの前に立つメカイダー《バウアー》さん。


「悪り~な、電撃は俺には効かないようだぜw」


平然と、自身の前に立つメカイダー《バウアー》さんに驚く、デーモンゴブリン


ジェネラル。


「ダブルカット!」


\バシュ/


驚くデーモンゴブリンジェネラルに対し、一旦ジャンプし、両手手刀を振り下ろす


メカイダー《バウアー》さん。


”プッシュー”


両腕をメカイダー《バウアー》さんに切り取られ、傷口から紫の体液と煙を出しな


がら、苦しむデーモンゴブリンジェネラル。


\\\ギョエ~!///


に対し、一旦下がったメカイダー《バウアー》さんは再びジャンプし、デーモン


ゴブリンジェネラル目掛け落下しながら、胸の前で両腕をクロス(×)させ。


「デス・エンド!」


胸の前で交差した腕から衝撃波を放った。


”ビヨ~ン、ビヨ~ン”


\\\ドッカ~ン///


衝撃波を受けたデーモンゴブリンジェネラルの体は爆発四散した。













 サイキックレディー《メル》さんの目の前には、デーモンゴブリン


ジェネラルが着けている魔法の指輪から召喚した魔人(巨人)が


立っていた。


\ズンズンズン/


地響きを上げ、サイキックレディー《メル》さんに迫る魔人(巨人)。


 しかし、サイキックレディー《メル》さんは落ち着き払った様子で、


「サイキックリバース」(念動力による反転)


と言うと、


”シュゥ~”と


目の前の魔人(巨人)が、急に元のデーモンゴブリンジェネラルの着ける


指輪の中に戻った。


驚く、デーモンゴブリンジェネラル。


すると空中から、


「デーモンクロー」


デーモンゴブリンジェネラルがかざす指輪にデーモンレディー《マヤ》さん


が爪のマシンガンを放つ。 


”シュシュシュシュシュ”


\\バキ~ン//


デーモンゴブリンジェネラルのつける指輪は粉々になった。


そこへ、サイキックレディー《メル》さんが放つ。


「サイキックウエーブ!」(念動波攻撃)


”ビヨ~ン、ビヨ~ン”


\\\ドカ~ン///


サイキックレディー《メル》さんの攻撃を受けたデーモン


ゴブリンジェネラルは爆発四散した。


サイキックレディー《メル》さんは上空のデーモンレディー


《マヤ》さんに向かい親指を立て言う。


「Good job(グッジョブ)」













「あちゃ~、あちゃ、ちゃちゃちゃちゃ~!」


\ドゴッ/、\ドスッ/、\ボスッ/


残りのゴブリン達を、得意の拳法で一掃するケンジロウ


(リャン先生)だったが、そこに


\ボー/


と炎が襲う。


それをかろうじて避けるケンジロウ(リャン先生)。


自身を襲ってきた炎の先を見ると、そこには槍を構えた


デーモンゴブリンジェネラルが居た。


\ボー/


さらにデーモンゴブリンジェネラルが槍から炎を出し、


ケンジロウ(リャン先生)を攻撃した……その時、


 突然、”サッ”と現れ、炎からケンジロウ(《リャン》先生)を


守る黒い物体。


「悪いな~お前の炎は俺に効かないようだ」


と言う。


自身を庇う黒い物体を見たケンジロウ(リャン先生)


が言う。


「もう、再起動したのか」


それに左手を上げ一言、


「ああ、もう動けるぜ先生」


と言うメカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんの姿だった。


それを見たデーモンゴブリンジェネラルは炎攻撃が効かないと


見るや。


\キエー/


雄たけびのような声を上げ槍でメカイダーOO《ダブルオー》


(ジョーダン)さんを持っている槍で突こうとするが、それを


"サッ"と華麗にかわすと同時に、


「ダブルオーカット!」


\\バッキーン//


手套で槍を真っ二つに切る。


「先生、今だ!」


メカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんの言葉に頷くと、


ケンジロウ(リャン先生)は、


「あちゃ~、あちゃ、ちゃちゃちゃちゃ~!」


\ドゴッ/、\ドスッ/、\ボスッ/


と拳で滅多打ちにするが……。


撃たれたデーモンゴブリンジェネラルはノーダメージのように見える。


「お前はすでに地獄に行っている」


とボソとケンジロウ(リャン先生)が言った瞬間。


”ピッシャー”


と、デーモンゴブリンジェネラルの体中から紫の血が噴き出し、


\\\バーン///


そして、ゴブリンジェネラルの体は爆発四散した。








「スパークソバット」


\ボスッ/、


俺は後ろ回し蹴りでデーモンゴブリンキングに蹴りを入れる。


が、


すぐさまデーモンゴブリンキングは杖でバリアーを張る。


 しかし、俺の蹴りはバリアーをすり抜け、デーモンゴブリン


キングの胸に命中する。


\バキ/


デーモンゴブリンキングは少し、よろけたものの平然としてる。


(少しは痛がれ!)


と思いつつ……。


本来、”スパークソバット”は、蹴り足に電撃をまとわせ


蹴る業だ。


 しかし、蹴り足にまとわせた電撃は例のバリアーをすり抜け


る時に消されたが、蹴りそのものは奴の体を捉えた。


もう一度奴のデーターを出してみる。



【デーモンゴブリンキング】


HP    300+1200


MP     100+400(封印中)


運動性   50+200


攻撃力  200+800(+魔法の杖900)


防御力 100+400(+魔法の杖800)


命中      80+ 10


回避 60+ 5


×1


で、今の俺のデーター


【テンタ(コンバットスーツ装着時)】


HP    500


MP    150


運動性   100


攻撃力   700


防御力  600


命中     88


回避 82


そして、


【ヒムカイテンタ】


HP     85

 

MP     30


運動性    35


攻撃力    35


防御力    35+300(魔革)


命中      70


回避 40


但し、これは武器なしのデーターだ。


武器を持ったデーターは、



【ヒムカイテンタ武器あり】


HP     85

 

MP     30


運動性    35


攻撃力    35+700(銃と手裏剣)


防御力    35+300(魔革)


命中      70


回避 40



攻撃力だけ考えたら、若干元の姿に戻った方が効果あり


そうだが……。


 だが、敵の攻撃を喰らえば……確実にThe end《ジ・エンド》だ。


と考え事をしていたら、


「うわぁぁぁぁぁぁぁ~!」


自分がまき散らした偽金貨に足を取られ、体制を崩す俺。


「しまった!」


\ドスン/


俺が足を滑らせ尻もちをついたタイミングを狙って、


デーモンゴブリンキングが杖を突き出し、電撃を放った。


\\ビリビリビリ~//


「うっ…………う?」


\\\バリバリバリ///


見ると俺の周りにバリアーが張られている。


≪テンタ君、大丈夫!?≫


(その声は……オトア!?)


「どうしたんだ、危険だから砦に居ろって!」


と少し怒り気味に俺が言うと、


≪だって見てられないんだもん!≫


と言い返された。


俺の後ろに居た三毛猫オトアが俺の前に回り込み、


”シャー”


とデーモンゴブリンキングを威嚇した。


(ああ、……確かに、ごめん)


と心で三毛猫オトアに謝った。


(うんw)


ここで、俺はひらめく。


「オトア、俺が変身を解いたら俺の肩に乗って」


≪この状況で変身解くの!?≫


と驚く三毛猫オトアに、


「いいから、いいから」


と宥める俺。


≪……んーわかった≫


渋々だが三毛猫オトアの了解を取った。


「じゃーいくよw リバース」


俺が変身を解いたと同時に、俺の肩によじ登る三毛猫オトア


「奴が攻撃したらバリアーを頼む」


≪わかった≫


デーモンゴブリンキングが杖を突き出すと杖の先が光、奴の周りに


4~5本の槍が浮かぶと同時に俺に向かって、槍が飛んできた。


”シュッ”、”シュッ”、”シュッ”、”シュッ”


と同時に三毛猫オトアがバリアーを張る。


\カン/、\カン/、\カン/、\カン/


バリアーが奴の槍を弾いた。


俺はすかさず、銃を抜き撃つ


\バキュン/、\バキュン/、\バキュン/、\バキュン/


、\バキュン/


5発の弾を胸にぶち込んでやった。


(暴発予防で、初弾は5発しか入れていない)


デーモンゴブリンキングの胸からは、紫の煙がもうもうと出、


苦しんでいるように見えたが……。


 悶えながらも、デーモンゴブリンキングが杖を突き出し、


電撃を放った。


”ビリビリビリ~”


\\\バリバリバリ///


すぐさま三毛猫オトアがバリアーを張り奴の電撃を弾く。


「なら!」


俺はベルトの後ろにある白い☆(手裏剣)を取り出し投げ


た。


”シュッ”


”クルクルクル”


\グサッ/


俺の投げた白い☆(手裏剣)は奴の左手の甲に刺さると……。


奴の体内の魔力を吸い出し、


\ピキ/、\ピキ/、\ピキ/


と左腕を凍らせた。


\グオー/


右手に持ったいた杖を放り出し、右手で左手の手裏剣を必死で


抜こうとするが、凍った手に見る見る氷が張り、その氷が盛り上


がって行き、なかなか手裏剣が抜けない。


俺はその間に、銃の弾をリロードする。


今度は、MPD弾。


※(MPD弾とは、弾が命中した相手のMPを空中に拡散させる


弾のこと)


\バキュン/、\バキュン/、\バキュン/、\バキュン/


、\バキュン/


胸の心臓の横悪魔核がある場所だと思われるところに5発撃ちこ


んだ。



\グオー/


デーモンゴブリンキングは、胸から紫色の光の粒子が噴き出し、


つづいて、目、鼻、口、耳から黒い煙を吐き出し……。


崩れ落ちるようにその場に倒れたのだった。


俺は、デーモンゴブリンキングの死亡を確認すべく近づき、


死亡を確認した。


≪死んでる?≫


三毛猫オトアが聞いてくるので、


「やったみたいだ」


と答え、


(こいつのおかげで苦労したんだよな)


って思い、少し憎しみを込めて、奴が落とした杖の先にある


魔晶石のようなものを、


\バキュン/


と撃って


\パキ~ン/


破壊した。


その時だった。


突然、俺(肩に乗ったオトア含む)の前に空間の穴が出現し、


”ピシュー”


「うわぁぁぁぁぁぁぁ~!」


≪キャァァァァァァァァ~!≫


と俺と三毛猫オトアは、その空間に吸い込まれるのだった。




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