24話 冒険者VS悪魔(前編)
「悪魔が憑依してデーモンゴブリンジェネラルとデーモンゴブリン
キングなってんだぞ!!」
と言う言葉を聞いて、俺、メカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さん、
メカイダー《バウアー》さんの3人は、驚いたが、サイキックレディー《メル》
さん、デーモンレディー《マヤ》さん、そしてサイバティック・ジェイミー
《ワグナー》さんは平然としていた。
平然としている3人のうち、サイキックレディー《メル》さんが言う。
「先生、悪魔がここを襲うって、初めから想定内だったんじゃないの?」
その言葉に、
「えっ、想定内?……とはどういうことだメル」
と聞き返す
「だって、本来、そこのワグナーを除いた私達4人は、2週間前に
この最終の実技試験を受けて卒業の予定だったでしょ」
とサイキックレディー《メル》さんが指摘する。
「それは……だな」
とメルさんに答えようとする
「それは……って、ズバリ、テンタ君とオトアちゃんのためなんでしょ」
と
「いや、まぁ……」
と言葉を濁す
「それはどういうことだ先生!」
とメカイダー《バウアー》さんが、
「んっ……うん」
と口ごもる
「テンタ君とオトアちゃんはね、悪魔に狙われているのよ」
「悪魔に狙われてるだって!」
と驚き言うメカイダー《バウアー》さん。
それを見て、サイキックレディー《メル》さんが俺を”チラ”って見来たので、俺は
「実は……」
と、この世界に転生してきた経緯と
をみんなに話した。
◇
「「なるほどな」」
俺からいきさつを聞いたメカイダー《バウアー》さんと、メカイダーOO
《ダブルオー》(ジョーダン)さんが声をそろえて言う。
その様子を見たサイキックレディー《メル》さんが言う。
「狙われるテンタ君の戦闘力を少しでも上げるため、彼を冒険者にしようと
誰かが考え、この最終の実技試験を彼に受けてもらうことにしたのは良い
けど、そうしたらあからさまに彼に護衛をつけることができないわけよ」
「なるほどな」
とメルさんの言葉に納得するメカイダー《バウアー》さん。
「じゃあ、サイバティック・ジェイミー《ワグナー》は、テンタの護衛って事か?」
メカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんが、サイキックレディー《メル》さんに聞く。
「いいえ、彼女は護衛と言うより、監視役でしょ」
ズバリ言うサイキックレディー《メル》さんの言葉に、
「監視役!?」
とサイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんの方を見るメカイダー《バウアー》さん。
「本当か!?」
とメカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)がサイバティック・ジェイミー
《ワグナー》さんに聞き返すと、
「ええ、まぁ」
と俯き言うが、
「でも、テンタ君とオトアちゃんの監視役と言うより悪魔の監視だけどね」
すぐさま顔を上げ付け加えるサイバティック・ジェイミー《ワグナー》さん。
「でも、何でテンタとオトアちゃんが悪魔に狙われてることに気づいた
んだ?」
とメカイダー《バウアー》さんがサイキックレディー《メル》さんに聞くと、
「それはね、2人が転生者ではないのにこちらに転生してきたってことよ」
「んっ?言ってることがわかんねぇ」
メルさんの言葉にメカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんが言う。
「でしょうね」
と軽くあしらうサイキックレディー《メル》さん。
で、説明を続ける。
「以前……あるダンジョンで、古文書を見つけてね、それをわかる人に
解析してもらったら……神であるダリウスを復活させるには、異世界人
の魂と肉体を持ってそれをなす……と」
それを聞いたメカイダー《バウアー》さんが口を挟む。
「んっ、神ダリウス……って100前に現れた悪魔王ダリウスと同じ
名前じゃないか?」
とサイキックレディー《メル》さんに聞くと、
「そう」
「そこで、さっきお昼食べてるときに
いて、彼女とテンタ君が私達が元居た世界の人だと確信したって訳よ」
「なるほどな」
メルさんの説明にメカイダー《バウアー》さんが納得する。
「この世界に転生以外でこっちの世界に来た事例ってないでしょ」
納得するメカイダー《バウアー》さんに駄目押しの説明をするサイキックレディー
《メル》さんだった。
そこへ、メカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんが割って入りサイキック
レディー《メル》さんに聞く。
「でもよ、ワグナーがテンタ達の護衛ってか、監視役ってのはどうやって気づいたんだよ」
その質問にメルさんがこう答えた。
「あなた方は、転生前日本人だから知らないかもしれないけど、『サイバティック・
ジェイミー』ってのは、アメリカで放送された人気番組だったのよ」
「そうなのか?」
メルさんの言葉にメカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんが、メカイダー
《バウアー》さんの方を見て聞と、
「んっ、その名前……日本でも放送されていたような」
と答えるメカイダー《バウアー》さんに
「知ってるのか?」
とメカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんが聞くが、
「知ってるって言うほどではないが……何か聞き覚えが……」
と考え込みながら答えるメカイダー《バウアー》さん。
それを見ていた、サイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんが、
「この私のブランチの『サイバティック・ジェイミーは、』はね、
ジェイミー・ワグナーと言う女性宇宙飛行士が事故で、左手、両足、左目、右耳を失
った後、ある政府の秘密機関にサイボーグ手術を施され、その能力を使って悪を懲ら
しめるのよ、そしてそのジェイミーが所属している秘密機関ってのが、いかにもアメ
リカのCIAを模した機関だったってことにメルが気が付いたって訳ね」
と説明する。
「まぁ、そういうことねw」
一連のやり取りを黙って聞いていたデーモンレディー《マヤ》さんが、
「なるほどね」
と頷きながら、
「まぁ、私のブランチは悪魔だし、デーモンレディーのアニメの設定では、
悪魔だけど悪魔退治するってキャラだからテンタ君やオトアちゃんを襲おうとする悪
魔なんてちょちょいのちょいよ、任せときなさい」
と胸を張り、
デーモンレディー《マヤ》さんに見られ、やれやれって感じで
「お前ら、わかったんだったら、早く撤退の用意をしろ」
とみんなに言うが……。
「ちょっと、待ってくれ先生」
とメカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんが、
「悪魔がテンタ達を襲うかもしれないって思って俺達を今回選んだんだろう先生?」
「ああ、そうだが」
「なら、今攻めてきている奴らも倒せるってことじゃないか先生?」
と聞き直すメカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんに、
「いや、1体2体ならともかく、6体もの悪魔、それに500以上のゴブリンとなる
と……」
と説得するように言う
「あら?、ずいぶん見限られたものね」
と先生に反抗的な態度で言うサイキックレディー《メル》さん。
「先生、私のブランチスキル知ってますよね」
そうサイキックレディー《メル》さんに言われ、
「ああ、知ってるよ」
と小声で答える
「ゴブリンとは違い、悪魔は魔法を使える……しかも6体もの悪魔が一斉に魔法を使
われたら……って思ってませんか?」
「ああ、思ってる」
とサイキックレディー《メル》さんの質問に小声で答える
そんな先生に大声で、
「あ、ま~い!、私のブランチスキルの『魔法攻撃無効』は視野に入ってるもののす
べての魔法を無効にできるんですよ、悪魔がたとえ5体や6体いいようとも」
「それに、悪魔ハンターの私が居るしね」
とデーモンレディー《マヤ》さんがちゃっかりアピールする。
それを見て、メカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんが、
「メカイダー兄弟も居るんだから無敵じゃないか!な」
と言いながらメカイダー《バウアー》さんの肩を叩く。
「それに、援軍が来るんでしょ」
とサイキックレディー《メル》さんがサイバティック・ジェイミー《ワグナー》さん
に聞くと、
「ええ、CD隊(クリスタル警備隊)がこっちに向かってるそうよ」
とサイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんが答えた。
「わぁった、わぁった、」
「「「「やった!」」」」
喜ぶメルさん達。
そして、サイキックレディー《メル》さんがみんなに言う。
「みんな~戦闘準備よw」
「「「「「おー!」」」」」
俺を含むみんなが一斉に雄たけびを上げるのであった。
◇
砦から飛び出した俺達は、直ちに先ほどと同じ陣形を取る。
前衛壁役は、メカイダー《バウアー》さんと、メカイダーOO《ダブルオー》
(ジョーダン)さんなんだが、ここで先ほどと違うのは、
メカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんの隣に、
で、後は先ほどと同じに左翼にサイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんに右翼
が
そして空が飛べるデーモンレディー《マヤ》さんが上空に待機する。
ここで、またもや先ほどと同様に、俺とサイバティック・ジェイミー《ワグナー》
さんが索敵を掛ける。
俺は、バトルスーツの機能のサーチャースコープを使い、ジェイミー《ワグナー》
さんはブランチ能力の『分析』を使う。
【ゴブリン】
HP 100
MP 40
運動性 70
攻撃力 80
防御力 40
命中 68
回避 60
×500
【デーモンゴブリンジェネラル1】
HP 180+90
MP 60+30
運動性 90+45
攻撃力 140+70(+400)
魔剣ウインドーブレード
防御力 80+40
命中 90+ 5
回避 80+ 5
×1
【デーモンゴブリンジェネラル2】
HP 180+90
MP 60+30
運動性 90+45
攻撃力 140+70(+400)
サンダーガの杖
防御力 80+40
命中 90+ 5
回避 80+ 5
×1
【デーモンゴブリンジェネラル3】
HP 180+90
MP 60+30
運動性 90+45
攻撃力 140+70(+400)
防御力 80+40
命中 90+ 5
回避 80+ 5
×1
【デーモンゴブリンジェネラル4】
HP 180+90
MP 60+30
運動性 90+45
攻撃力 140+70(+600)
魔法の指輪指輪の精サザーン
防御力 80+40
命中 90+ 5
回避 80+ 5
×1
【デーモンゴブリンジェネラル5】
HP 180+90
MP 60+30
運動性 90+45
攻撃力 140+70(+400)
石化の魔法の矢
防御力 80+40
命中 90+ 5
回避 80+ 5
×1
【デーモンゴブリンキング】
HP 300+1200
MP 100+400
運動性 50+200
攻撃力 200+800(+魔法の杖900)
防御力 100+400(+魔法の杖800)
命中 80+ 10
回避 60+ 5
×1
(あっら~ゴブリンはともかく、デーモンゴブリンジェネラルと、デーモンゴブリン
キングの数値を見ると俺の戦闘力をはるかに超えてないか?これって、ゲームなら無
理ゲーのレベルだわ)
と心に思いながらもサイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんが索敵したデータ
ー同様に、俺のデーターも念話でメンバー全員と共有する。
俺達を確認したゴブリン達も陣形を取る……って。
さっきとおんなじで、デーモンゴブリンジェネラルの前に100体づつ整列しただけ
の陣形。
(ゴブリンって本当にあほうなんか!?)
整列したゴブリン達は、手に持っている武器を構える。
やはり、先ほどと同じで、殆どが石斧や石槍……中に数体は錆びた金属製の剣や
槍を構えてが……。
ただ、デーモンゴブリンジェネラル達やデーモンゴブリンキングは、剣や弓、
槍、魔法の杖などの
まずは、サイキックレディー《メル》さんが、ブランチスキル『魔法攻撃無効』
を発動。
続いて、先ほどと同じく、サイキックレディー《メル》さんが前列2列のゴブリン達
に念動力による金縛りを掛けた。
「サイキックフリーズ!」(念動力による金縛り)
”ピタ”と動きを止めるゴブリン達。
「よっしゃ~!軸線に乗った!」
前列のメカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さんがそう言うと、
両手を突き出し両手首を引っ付けると、両手が手首の中に収納する。
「ソーラーブラスター!」
全身のソーラーパネルで吸収した太陽エネルギーをその両手首に送り、
発射。
”ビッシューン”
2本の大きな光の柱が、5列に並ぶゴブリンのうち、3列目と4列目のゴブリン
約200体ほどを一瞬にして消し飛ばした。
\\\ドッバ~ン///
しかし、ゴブリンの後方に並ぶ、5体のデーモンゴブリンジェネラル達は、
デーモンゴブリンキングの持つ魔法の杖で発生させたバリアーに包まれ、
メカイダーOO《ダブルオー》(ジョーダン)さん撃った光の柱をはじいた。
\\\ビッシャ~ン///
それを空中で見ていたデーモンレディー《マヤ》さんが思わず、サイキック
レディー《メル》さんに大声で文句を言う。
「何で魔法が使えるのよ!」
それに対し、サイキックレディー《メル》さんが悪びれることもなく言う。
「本体の魔法は封じてるけど、アイテムの魔法は封じれないのよ」
それを聞いて、デーモンレディー《マヤ》さんが、
「っちぇ、つかえねぇ~なあんたのスキル」
吐き捨てるように言った。
その傍らで、ソーラーブラスターを使い、機能停止状態のメカイダーOO《ダブル
オー》(ジョーダン)さんを庇うように、立つ北星の拳のケンジロウ姿で立つ
り)で動けないゴブリン達を、得意の拳法で次々に倒して行く。
「あちゃ~、あちゃ、ちゃちゃちゃちゃ~!」
\ドゴッ/、\ドスッ/、\ボスッ/、
そして、左翼からゴブリン達の左側に回り込んだサイバティック・
ジェイミー《ワグナー》さんだが、それを見た30体ほどのゴブリン達が、サイバ
ティック・ジェイミー《ワグナー》さんをぐるりと囲む。
そのゴブリン達に対し、サイバティック・ジェイミー《ワグナー》さんが左手に
持っているモーニングスターと呼ばれる(棘付の鉄球に鎖で持ち手とつないだ武器)
を振り回し、
\バッキ/、\ドシン/、\ボッカーン/
\\\ギャー///
自身を囲むゴブリン達を次々に倒したて行った。
と同時に、2列目のゴブリン達の前に居たメカイダー《バウアー》さんも動いた。
「メカイダースピン!」
フィギアースケーターのようにスピンしながらゴブリン達に迫り、次々と撃破し
て行った。
\バン/、\ドン/、\バッキーン/
\\\ギャー///
そのころ、俺は右翼から右に回り込み
「レッドバスター」
”ビッシューン”
\ズキュン/
\\\ギャー///
俺はビームガン(光線銃)で攻撃していたら、俺に気づいたゴブリン達が、俺を
見つけ、俺を囲もうと迫ってくる。
(ヤバイ)
と俺が思った時だった。
「デーモンクロー!」
”シュシュシュシュシュ”
\ズボッ/、\ズボッ/、\ズボッ/、\ズボッ/
\\\ギャー///
空中からデーモンレディー《マヤ》さんが、俺を囲もうとするゴブリン達を指
の爪をマシンガンのように飛ばし攻撃した。
「ありがとうございます」
と俺がお礼を言うと、俺に対してウインクをして、
「いいえw」
と言葉を返してくれた。
その時だった。
”シュ~ッ”
一本の矢が飛んできて、デーモンレディー《マヤ》さんの左の翼に突き刺さった。
\ズボッ/
すると、矢が突き刺さったデーモンレディー《マヤ》の左の翼が見る見る石化してい
った。
「あっ、!」
と驚くデーモンレディー《マヤ》さんだったが、そのままゴブリン達が群れる所へと
墜落する。
\\\ドスン///
(ああっ、マヤさんが……)
デーモンレディー《マヤ》さんのピンチに、俺は自身の危険も顧みず、ゴブリンの
群れてる場所へ駆け出したのだった。
◇
\\\ドスン///
(ああっ、マヤさんが……)
デーモンレディー《マヤ》さんのピンチに、俺は自身の危険も顧みず、ゴブリンの
群れてる場所へ駆け出しかけたその時だった。
「デーモンディスチャージ~!」
と叫ぶデーモンレディー《マヤ》さんの声と同時に、デーモンレディー《マヤ》さん
を取り囲むように群れているゴブリン達のちょうど真ん中あたりが、
\\\ビカビカビカ~///
と光り、
\\\ビりビリビリ~///
囲むゴブリン達に稲妻が襲う。
\\\グギャ~///
悲鳴と共にゴブリン達は真っ黒に焦げ、やがて砂に変わって行った。
「ふんっ、ほんと、使えない……あの子(サイキックレディー《メル》))のブラン
チスキル」
そういいながら、自身の石化した左の翼を手で掴み、引きちぎった。
\\\ベキベキベキ///
(うっわ!)
あまりの情景に俺は絶句する。
が、
引きちぎった左の翼が、
\\\ズバン!///
と生えてきた。
(スゲー、これが彼女のスキル『超速再生』か!)
驚く俺をよそに、デーモンレディー《マヤ》さんはその場から空中
に飛び出すのだった。
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