9話 復活!悪魔子爵ゴースン



------(第三者視点)------☆



 テンタ達が居る大陸とは別の大陸の地下深く岩でできた、


地下城の 大きな神殿の様な場所。


両脇に大きな石の柱が立ち並び、神殿の奥には神(悪魔の像)が、


ある場所。


 彼らは戦っていた。


・チーム名 シロッコのリーダー、セルジュ・コーポー(男性)。


・チーム名 ホイアンのリーダー、鄧・彬彬(男性)。


・チーム名 マーブルのリーダー、オフィリア・ナイトレー(女性)。


・チーム名 アネッロのリーダー、シャーリー・クロフォード(女性)。


・チーム名 サエッタのリーダー、マルティナ・プラシド(女性)。



「お前達のうち、戦いに勝ったもの1人だけ、助けてやろう」


悪魔男爵バンバ配下No1のウーヌム(クレオパトラ風の姿)が、


5人の冒険者チームのリーダー達に言った。


 神殿の柱の陰に隠れて、お互いを伺う5人。


 冒険者チーム、マーブルのリーダー、オフィリアは思う。


(この狭い空間では、私の弓は不利ね)


彼女の得物は石化の矢、弓を引き狙いをつけている間に相手に間合い


を詰めらる。


 相手が1人なら、この狭い空間でもなんとかなるが、ここでは


1人に弓矢を向けている間に、他の3人に狙われる。


 別の男も考えていた。


 冒険者チーム、ホイアンのリーダー、鄧・彬彬ダンピンピン



(俺の火尖鎗かせんそうの炎の攻撃は直線、槍としても


直線でしか攻撃できん)


 自身の得物では、柱の陰に隠れる相手に攻撃が仕掛けられない


でいた。


 そんな時、1人が動いた。

 冒険者チーム、アネッロのリーダー、シャーリー。


 柱の陰から、自身の持つ魔法の指輪をかざし言う。


「出てこい!サザーン~」


 魔法の指輪から、魔人を呼び出し、


「柱ごと、あいつらを倒しなさい」


「パパラ~」


シャーリーの命令に、そう返事意を返す魔人。


\\バキ//


"\\ミシミシ~//"


”\\ズズズーン//”


次々と神殿の柱を壊す魔人。


 たまらず、神殿の広場に飛び出す鄧・彬彬ダンピンピン


飛び出すと同時に、


「ホイアンチューツー」


得物の火尖鎗かせんそうから火柱を撃つ。


と同時に、同じく飛び出したセルジュが、


「ウインドーブレード!」


風の刃を飛ばす。


 しかし、どちらの攻撃も魔人に吸収される。


「っ、ナニ!」


「何っ!」


そして、お返しとばかりに、口から炎の竜巻を吐き、


セルジュと鄧・彬彬ダンピンピンを丸焦げにした。


「よ~し、後2人ね」


2人を倒したことに油断したのか、シャーリーは柱から半身


を乗り出していた。


”ピシュッ”


そこへ、1本の矢が飛んできて、


「うぐっ!」


シャーリーに命中……と同時に彼女の体は石化していった。


そして、シャーリーが石化したと同時に、指輪の魔人も姿


を消す。


「ふぅ~」


オフィリアは、安堵の表情を浮かべるが、次の瞬間!


「サンダーボルト!」


\\ピカピカ//


\\\ドッカーン///


「キャー!!」


稲柱が彼女を襲った。


 稲柱に襲われたオフィリア、真っ黒こげになる。


それを、そっと、柱の陰から確認するマルティナ。


「ふぅ~」


とため息をつき、柱から出てきた時だった。


 突然、彼女の前に6人の悪魔が現れる。


「えっ」


マルティナは、一瞬驚くが、


「約束は守ってくれるのよねぇ~!」


と語気を強めて、6人の悪魔に言った。


\パチパチパチ/


悪魔男爵バンバの配下、No1のウーヌム(クレオパトラ


風の姿)が、マルティナを見つめながら拍手をした。


その後ろには、他のバンバの配下(No2~No7)が居る。


「お見事、自分から手を出さず、人が共倒れするのをじっと


待つ……実に卑怯極まりない行為です」


そのウーヌムの言葉にマルティナは、


「何を悪魔が言ってるのよ、勝てば良いんでしょ勝てば!」


と毒づく。


それをにこやかに見つめウーヌムが言う。


「はいw、あなたはとても悪魔的資質がありますよ~」


「それはどういう意味!」


ウーヌムにマルティナが言うと、


「はい、こういうことです」


ウーヌム以下バンバ配下の悪魔達が左右に分かれると、


その後方から、ダリウス(オトアの体)が現れた。


「えっ、何!」


驚くマルティナにダリウス(オトアの体)が言う。


「ほう、これがゴースンの素体となる者か……」


その言葉に、


「素体?……ってどういうことよ」


少し、たじろぎ、後ずさりしながらマルティナが言う。


ダリウス(オトアの体)は、そんなマルティナを見つめ


笑みを浮かべながら言う。


「本来なら、我と同じ異界の人間の体がよいのじゃが……


今はそう贅沢も言えんからのう」


「えっ、どう言うこと、どう言うことよぉ!」


鳴き叫ぶマルティナに向かってウーヌムが言う。


「約束は守りますよ……あなたの命は取りません……


ただ……」


「ただ、何よ!」


ウーヌムの言葉にマルティナが大きな声で聞き返す。


「ただ、お前の体と魂は、我が下部、悪魔子爵ゴースンの


憑り代となるのだ!」


と、ウーヌムの代わりにダリウス(オトアの体)が答えた。


それを聞いて、


「約束が違う!や・く・そ・く、がぁ~!!」


と泣き叫ぶマルティナを、ダリウス(オトアの体)とその


周りに居る悪魔達が嘲り笑いう。


 マルティナはこの場から逃げようとするが……。


それをさせじと、バンバ配下No7のセプテン(ゴスロリ風の姿)


が、素早く動きマルティナを取り押さえる。


「くっ、」


取り押さえられたマルティナに、ダリウス(オトアの体)が、


近づき言う。


「安心せい、痛みなどみじんもないわ」


その言葉に、


「痛みどころか、得も言われぬ開放感を感じますわよw」


微笑みを浮かべ言うウーヌム。


「では、参ろうか」


と、ダリウス(オトアの体)が、おびえるマルティナに声を掛け、


呪文を唱えだした。


「無の具現たる深淵よ 世界を束ねる古の契約よ 我が名に


従いて悪魔子爵ゴースンを呼び寄せたまえ~」


すると、


”\\\ゴー///”



と言う音と共に、大地が揺れ地響きが鳴り出す。


 次の瞬間!


マルティナの頭上に、黒い煙と共に悪魔子爵ゴースンの


アストラル体(精神体)が、現れ、シャリーのもとへ


降りてくる。


「いっ、やぁ―――っ!」


マルティナが大声で叫ぶが、ゴースンのアストラル体


(精神体)は、マルティナの体へと融合する。












\\\ビリビリ~///


\\\バリバリ~///


そして、マルティナの着ている服だけでなく下着も破け……。


丸裸になると、同時に体が少し大きくなり、腕や下半身には


岩のようなものが覆う。


 背中に蝙蝠のような羽は生えないものの、白目は黒く、


瞳は金色に輝いていた。


「おお、よう戻ったゴースン」


マルティナの体へと融合したゴースンに、ダリウス


(オトアの体)が声を掛ける。


「はは、ありがとうございますダリウス様」


声を掛けられたゴースンはすぐさま傅き、ダリウス


(オトアの体)に言った。


そこへ、いつの間にか現れた悪魔男爵バンバが(坊主頭に、


青白い顔つき)、ダリウス(オトアの体)の横から現れ、


復活したゴースンに声を掛ける。


「他に冒険者どもを捉えておる、配下の復活用にそれを


使われるとよかろて」


その言葉を聞き、


「おお、かたじけないバンバ殿」


とバンバに一礼するゴースン。


「では、連れてまいれ」


一礼するゴースンを前に、バンバが配下に命令する。


「「ははっ」」


と、すぐさまNo2のドゥオ(ヘラクレス風の姿)と

No3のトリア(中国の皇帝風の姿)がさっと動いたかと


思ったら、捉えた冒険者シロッコ、ホイアン、マーブル、


アネッロ、サエッタ、各チームのメンバーを連れてきた。


「何だ、なんだ!」


「俺達をどうす気だ!」


「私達はどうなるの!?」


口々に文句を言う冒険者達。


その前に、現れたゴースンの姿を見て、サエッタのメンバーの


「「あ・姉さん!」」


「「マルティナ様!」」

重装歩兵の2人と魔法師の2人が驚き叫ぶ姿に。


「我は悪魔子爵ゴースン、お前達のリーダーは、生まれ


変わったのだ!」


と言い放つ。


動揺するサエッタのメンバー。


そこに、バンバ配下No1のウーヌム(クレオパトラ風の姿)が、


「他の冒険者のリーダーは死んだ!……」


「お互い殺しあってなぁ~」


と言いながら不敵に笑う。


「「「「「なんだって!」」」」」


「「「「「どういうことよ!」」」」」


口々に言う冒険者達を見てゴースンは睨んだ。


\カーッ!/


目が光ると、なぜか全員動けなくなり、しゃべれなくなった。


そして、ゴースンは動けなくなった冒険者たちの中から10人


選ぶと、


「後は、バンバ殿、お好きになされませ」


そう言って、10人の冒険者と共にその場から、\ボワ/っと


消えた。


それを見て、バンバ配下のNo1~No7までの悪魔達が目の色


を変えた。


 それは、まるで飼い犬が主にえさの前に”待て”をされた状態


と言ったところか……。


それを見た、バンバが言う。


「わっかった、その者どもをお前たちの好きせい!」


この言葉を聞いた途端、バンバ配下のNo1~No7までの


悪魔達が、残りの冒険者達を襲い、魂を喰い尽くすのだった。

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