第153話 話し合い
「夢…ですか?」
「ああ、あの日、俺達がシルフィに怒られた日、不思議な夢を見たんだ」
「うん、何かと何かが戦ってる夢」
「なんだそりゃ?」
数日後完全復活を果たしたエイトとミュウは久しぶりにシルフィ達と食事をする事になったのだが、これを良い機会と思い、この前の事を話したのだ。
「具体的にはどんな夢なんですか?」
「流石に何かだけじゃわかんねぇよ」
「流石にそうか」
「うーん…でも、どう説明すればいいのか…」
シルフィとアリアンの言う通りだが、
エイトとミュウも夢の事だし、数日前の事だ、当日よりも記憶は抜け落ちている
アニメや漫画の様に鮮明に覚え続けるのは中々に難しい事だ。
「だったら、抽象的でもいいから、それなら言えるだろ?」
「…まぁ、それなら」
「言える…かな?」
確かにアリアンの言う通り抽象的に言えばなんとかなる。
お互いの顔を見て頷いて、エイトとミュウは夢の事を話し出した。
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「確かに…不思議な夢ですね。」
「だろ?」
説明後、シルフィが最初に言った言葉がそれだった
「まぁ、そうだな、あたい達とは違う服装、顔もぼやけてて、敵も"敵"って事だけなんだろ?」
「うん、なんかそんな感じだったから」
ミュウの解答に曖昧だなぁとアリアンに言われるが、夢の世界の事なのだから仕方がない
むしろ、夢なのにここまで覚えている2人を誉めてもいいくらいだ。
「ですが、私達が使いそうな技を使っていますね」
「そう?」
「厨二病っぽい技を使っているのとかは理解出来るけど、それ以外はないだろ?」
シルフィは自分達が使いそうなと言うが、ミュウとエイトはいまいちピンと来ない。
紅蓮の龍を生み出し…とか
大量の剣を出したり…とか
2人で合体技…とか
異世界のこの世界ならまだしも、エイト達が瑛人だった頃はそんなのはRPGの世界の話になる。
「だからあり得るのか?」
「確かにカッコイイけど、でもエイト、今の私達が使えると思う?」
ミュウの言う通り、無理な話だ。
カイト(勇者笑)をボコす程度には強くなったが、厄災や女神の話になれば別になる耳にタコが出来るくらい言うが
厄災達はそう容易くはない。
無自覚、最強、俺強ぇぇぇ、の様な
転生特典や
生まれついての才能、
生まれついての能力と言った
特に努力と言った事をしていない人間は
負けた時に大きく挫折する。
努力と言う事をせず、尚且つ簡単に強くなった者は、確かに羨ましい、
しかし、そうなった者の末路は簡単だ
"破滅"する。
「…ふむ、沢山の術式を展開って魔術使いのあたいなら………」
「無理ですね」
「無理だな」
「無理ね」
「誰か1人は擁護してくれよ…確かに無理だけど」
ただし、今はの話で、将来的に出来るかどうかは考えていない、アリアンの魔術がどこまで進歩するかによるが、先ず今は無理だ。
「でもさぁ?おかしいと思わない?」
「何が?」
夢の事ならなんでもありな為、おかしいのは普通だと思うが?
と、ミュウは思うが、エイトは違う様だ。
「いやだってさ?夢を鮮明に覚えている…これなら誰だってたまにはあるだろ?」
「まぁ…ありますね。」
シルフィだって鮮明に覚えている夢の1つや2つある筈だ、だからこそ肯定するのだが、今回はそれとは違うのだ。
「だけどさ?俺とミュウ、つまり"2人が同じ夢を見る"なんて、いくらなんでもおかしいだろ?」
「…確かに」
アリアンはそう頷く、エイトは自分の考察を交えて話を進める。
「それにこれが前世の記憶の事と関係があるなら、シルフィだって(猫だけど)見てもおかしくはない。」
「猫だけどね?」
とミュウは言うが、エイトは知っている、けど前世との関係性を含めるのなら可能性は0ではない。
「それは知ってるよ、でもそう考えると、なーんかありそうなんだよなぁ」
そう言って、エイトは意見を求める
エイトの言っている事には一理ある
例え夢だとしても、関係のない人物の可能性のある人達の夢をミュウと一緒に見て
尚且つ、記憶も鮮明。
シルフィが前世猫だから、と言うのなら
前世の事も関係するかもしれないが、たかだか日本の高校生が、RPGのラスボスみたいな奴と関係があるわけがない。
だからこそ、不思議なのだが、
「あれこれ考えても仕方ないですね。」
「そうねシルフィの言う通りよ、今は目の前の事に集中するしかないわ。」
「………だな」
そう言ってエイト達は食事を終わらせて、学園に行く準備をする。
アイ、サユリ、メグミの事
カイトの事、目先の事でも課題は多いのだ。
一先ずは終わったとしても、全てではなく
ただの始まりに過ぎないのだから…
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病院行って来ました、どうやら食中毒らしいです。検査結果はまだ来てませんが…
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