第126話 作戦会議(目が笑ってない)
「全く…随分と朝からお盛んですね?」
「別にいいじゃん彼女なんだし」
「彼氏とイチャイチャしたい」
朝、お日様が登り始め、東の空が暁色に染まっていく
そんな中、エイトとミュウは2人でシルフィの前で正座していた。
「別にそれに関しては私から特に言う事はありません、次は私がやれば良いだけですから?」
異論は認めないと言う圧が凄く、ミュウも何も言えなかった。
(今日の夜も来るのか…)
寝るだけなら別に構わないと思うが、ミュウが怒って来たらまた夜戦(意味深)が始まるので(別に構わないが)やめて欲しいが、そんな事を言っても変わらないのでエイトは黙っておく。
「そんな事よりも、私との約束を破った事に怒っているんですよ?」
「約束?」
そんな約束したか?と言うのがミュウ達の脳内によぎるが
すぐに理解する
「私にまだ勝てない貴方達を強くしたのは誰ですか?」
「…その…ごめんなさい」
「ごめん…なさい」
トレーニングをサボった事に怒っていた様だ
たった1日と思うかもしれないが、
1日でもサボればその分ブランクができ、
厄災にもカイトにも負ける可能性が出てくる。
だからこそシルフィは怒っているのだ
それはエイト達を大切に思っているから
今後の人生を彼らと過ごしたいからである。
それが分かっているからこそ、自分達の行いを反省して、エイトとミュウは謝っているのだ。
「ハァ…今回はここまでにしときましょう、どうせ昨日の事を話していたらいつのまにか寝ていたとかそんな所でしょう?」
エスパー?とも思える言葉に驚きつつも2人は頷く
「その件については朝食の時にでもゆっくりと話しましょう?」
「…だな」
「うん」
エイトとミュウは頷くと立ち上が…
「し…痺れた…」
「ちょ…ちょっとまって…」
膝立ちから、四つん這いになり
足の痺れがなくなるのを待つ
…が
「ああ!!!」
「ひぅぅぅ!!」
「早く行きますよ~フフフフフ♪」
シルフィが痺れる足をツンツン触り
2人は悶絶する
絶対今日の仕返しだ。
それが数分間続き、2人は絶対にシルフィを怒らせない様にしようと改めて感じた。
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「は?里帰り?」
朝食の時間、4人で食事をしていると
シルフィが早朝の事を話して、アリアンはそれに驚いた。
そして、一か八かエイトとの交際を認めてもらう為にミュウが家に帰ると言ったのだ。
「うん、駄目かな?」
「いや、あたいは居候の身だから文句は言えないけど…大丈夫か?」
アリアンが心配するのも無理はない
ミュウの一族は名門貴族、それなのに対してエイトは平民、その2人が交際して同棲して結婚も考えているなんて普通にあり得ない。
前世の記憶が蘇ったとか絶対に信じないだろう。
だからこそ心配しているのだ。
「ご心配なく…とは言い難いですね、いくらエイトさんが英雄の職業とは言え身分差はどうしようもないですから。」
「俺の両親みたいに簡単に首を縦に振ってくれたら楽なんだけどなぁ」
「それはないわねエイト、お父様もお母様もそう言うのには厳しいから。」
名門貴族と言う肩書きがある以上、ミュウの言う通り特例は出すのが難しいのだろう。
特例を出せばその後もそれが理由で色々な厄介ごとが来る可能性がある。
「だからエイトが爵位を手に入れれば…か、本当に博打だし上手い具合に噛み合わないと成功もしないな。」
アリアンの言う通りだ。
カイトの事、女神達の事、厄災の事、結婚の事、これらが上手い具合に噛み合う事で
エイト達の作戦(?)は上手くいく
逆に少しでもミスすれば終わりだ。
故に今回の里帰りも、博打の一つだ
全てはここから始まるのだ。
「そんで?手紙は渡したのか、シルフィ?」
「はい、アリアン様、渡したと言うより出しました、ミュウ様が結婚したい人を連れて帰ると。」
「ぶほっ!?」
遠回しにするのは色々不味いと思うが
シルフィの直球発言にもヤバさを感じたエイトは自分でも驚く程、驚いた。
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時間は作るものだ、と言う人がいるが
その作る時間すらないんだよ!!(切実)
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