第64話 勇者と英雄の死闘

唖然その言葉が今の空間において正しい言葉だろう


ミュウ達やアイ達はエイトとカイトの戦いに参戦しようと動こうとするが、それがかえって邪魔になり、ただただ、見ている事しか出来なかった


「ブルーボール(蒼き弾丸)」


カイトがそう言うと、青色の球がカイトの周りに現れてエイトの剣技から身を守る


「ただの球だと思うなよ?」


一旦距離をとり、体制を立て直す

そして両腕を後ろに曲げて

両腕を前に出す、すると球は弾となり

エイトに襲い掛かる


「…だからどうした?」


その球を1つ1つを正確に弾き飛ばし、逆にカイトにその球が来る


カイトはそれに驚かず、笑みを浮かべながら高い跳躍でこれを躱す


「ブルーサンダー(蒼き雷電)」


その高い跳躍を駆使して今度は空から稲妻をエイトに向けて攻撃する


その稲妻はエイトにモロ当たり、エイトの周りに青い空間が出来る


「…フヒッ」


とても勇者とは思えない顔つきで笑う

しかしそれは勝ったと言う確信ではなく


「そうこなくっちゃな?」


「…ふ」


まだまだ痛ぶれる喜びに歓喜しているだけだ


(殆どダメージはない…それはあいつも気づいてある筈だ)


服などが少し破けてはいるが、先程の攻撃もほぼ無傷だ英雄の力なのか、勇者が弱いのかは分からないが


(今の所は正々堂々だな)


「今度はどうかな?」


「ブラックボール(漆黒の弾丸)」


先程の攻撃よりも更に魔力の高い球がカイトの周りに現れる


エイトはこれを返すのではなく、正確に躱す

そして最後の攻撃を躱すのと同時に

カイトに目掛けて跳躍する


そして自然落下する僅か数秒間

ただの生徒だった2人とは思えない程の剣技で打ち合い、その音はほんの僅かだが遅れて聞こえてくるほどだった


地面に着地した瞬間、カイトは瞬時に魔法を展開してエイトに攻撃する


「………」


エイトはそれを躱(かわ)し、打ち返す

その隙にカイトは更にでかい球を作り出し

笑う


「ブラックホール(混沌の弾)」


「消えちまいな!エイト!!!」


本当に殺す気でカイトは攻撃する

普通なら審判の担任が止める筈だが

好都合と言わんばかりに何もしなかった


エイトはそれをかw


「!?」


正面から来ていた筈の攻撃が何故か背後から来ていた


「…ふふ」


「あのクソ担任っ」


「転移魔法!?」


「不味いですね…っ」


「動きたくてもアイ達が邪魔で…っ」


担任の不正によって、エイトはモロに攻撃が当たる


「チッ!」


地面を蹴り、カイトに急接近する

カイトは倒したと確信していたのか

行動が遅かった


「ハァ!!!」


エイトの斬撃がカイトに………


「!?………服!?」


当たることはなく、あったのは斬られた服だけだった


「上着を脱いで躱(かわ)しましたか。」


「行け!カイトお兄ちゃん!!」


「これで決まったわね!」


(…いや、多分)


カイト側にいるアイとサユリは勝利を確信し

喜び、担任は他の取り巻き達も喜んでいる


「チェックメイトだ…モブw」


エイトの周りに魔法陣が展開され、それが爆裂魔法だと言うことが魔力量で理解できる


絶体絶命のピンチ

カイトはその優越感に浸り、無様な顔をしているであろうエイトの顔をm…


「な!?」


「フェイントのつもりか?とっくに気づいていたよ?…だからね?」


「カイトの所にも魔法陣が!?」


ミュウが叫んだ様にカイトの周りにもカイトと…いやカイト以上の魔力量の魔法陣が展開され

瞬時に爆裂魔法だと理解する


「コイツ…っ!?」


カイトは驚き

2人同時に魔法陣が発動し、巨大な爆裂が周囲を襲う


「くっ…なんて爆風!!」


「ミュウ様!私の後ろにお下がりください!!」


「安心してあたいの防御魔術で防ぐから!」


ミュウはシルフィとアリアンのお陰で爆風を守られる


「アイ!」


「わかってる!」


「………やっぱり。」


サユリ達もアイの魔法で爆風から守る


両者陣営は爆風から身を守り

煙が晴れるのを待つ

暫くの間は砂煙で何も見えなかったが

次第に視界が晴れていき


「………モブぅ…っ!!!」


明らかにダメージを負っているカイトと


「…やっぱり、強ぇ…な」


ダメージを負いながらも強者のオーラを漂わせるエイトが先程と同じ位置で対峙していた


——————————————————————

効果音を使わないで書くとこんな感じか…

続く



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