第53話 最後の勇気

教室


授業を受けている海斗の元に1通のメールが来る


「…ん?誰からだ?」


(…全く誰だよ非常識な)


そもそも授業中に携帯を弄っている海斗も非常識だが、彼にはその自覚はない


(…って彼女からだ♪)


彼女と言うのは勿論海斗の妄想の中だが、兎に角彼女(ミュウ)からのメールを確認する


『今日の放課後、橋の下で待ってる』


「…へぇ」


ようやく気持ちの整理がついて自分に会いたくなったか…


そう勘違いする海斗はニヤニヤ笑いながら、放課後を今か今かと待ち侘び始めた


——————————————————————

放課後


橋の下で待ってると言う言葉を信じて、海斗は歩いて向かう

橋の下と言うのは多分、生塵(シルフィ)を殺し損なった場所だろう


行くついでにケーキを買っておく、どうせ朝まで布団の中だが、念の為に買っておいた


ウッキウキで歩いて向かっていると、少し線香臭い匂いがした


「…なんだろう?」


気にはなるが、彼女が待っている為、無視する

そして橋の下に着くのだが、線香の匂いの正体がすぐにわかった


「…何してるの?」


「…シルフィにお供えしてるの。」ぽち


手を添えてシルフィが住んでいたところに線香と花束を置く


その姿が滑稽で海斗は笑わずにはいられない


「馬鹿だねぇwミュウちゃんはw?」


「あんな猫なんかより、僕がもっと可愛くて、賢い猫を買ってあげるのに。」


ミュウの怒りに触れるが、海斗はそれに気づかない

恋は盲目と、言うがこれは恋でもなんでもなく、ただの自己満足だ


「…ねぇ?」


「ん?どうしたんだい?ミュウちゃん?」


ミュウは髪を整え、服は瑛人のパーカーを着ている

しかし目は虚で、世界に絶望し

海斗に対する憎しみの気持ちが嫌と言う程分かる


…当の本人は全くそれに気付きもしないが


「…なんで、有田を殺したの?」


唐突な質問に海斗は驚きながらも笑って答える


「そりゃあ勿論、僕の携帯を壊したからさぁ、あれ高かったんだぞ?殺しても良いだろ?」


「…その殺した包丁は?」


「そこの川の中に捨てた、夜遅くに掘って埋めたから、馬鹿な警察は全然気づかなかったよw」


罪の意識が全くないのだろう、殺人を認めても悪びれるつもりは一切ないらしい


「…なんで…シルフィと瑛人を殺したの?」


「殺したぁ?あれは事故だよw事、故w…まぁトラックが来るのがわかってたから、頂戴いいし、死んでもらおうと思ってね?」


「僕の女を奪った男と汚い猫、携帯を壊した女、皆んな死んで良い人間だろ?…だから僕が代わりに殺してあげたんだよ!寧ろ感謝してほしいくらいだよw」


「…てか、なんでそんなこと聞くの?あ!もしかして僕の武勇伝が聞きたかった!そりゃあ良かったよ!」


全て都合の良い様に解釈海斗、その所為で、ミュウは大切な人を失ったが…


…その男の人生も終わらす事が出来て、少しだけ感謝した


「…そっか…瑛人はそんな理由でいなくなっちゃったんだ。」


ミュウは虚な目で海斗を見つめ…言った


「………逝く前に、貴方に言う事があるの。」


「僕の家に行く前に?…なに?」


「…この話、全部ネットに流れてるから。」


そう言うとミュウは胸ポケットから携帯を取り出した


「私の携帯は今、生配信中、そして私のパソコンからも繋がっていて、全国に拡散してる。」


そう言ってミュウはニヤリと笑う


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話の展開が早いと思いますが、文章力がないので許してください

後、数話で終わる(予定)感じです。




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