第43話 決別…(歓喜)
海斗のスマホは瑛人の顔に当たり、地面に落ちる
「…いっ…つぅ…」
いきなり投げられた為、対処が出来なくモロに当たる、血は出ていないが物凄く痛い
「瑛人!?大丈夫!!」
「…ああ、なんとかな。」
「テメェ!コラ!離せ!」
「いい加減にしろ!」
「お前本当におかしいぞ!」
同じクラスメイトの男子2人が海斗を抑える、その為海斗は動けなかった
「画面が開きっぱなしだ。」
瑛人は海斗が投げたスマホを拾うと画面が開きっぱなしになっていた
「…消して…全部…お願い。」
「…わかった…ねぇ。」
「…?何?」
瑛人はミュウの周りにいた女子の1人に声を掛ける
「バケツに水を入れて持ってきてくれない?」
「…なんでよ。」
「これを壊す」す
今の時代どの携帯にも防水性がある、海斗の携帯もそうだ、…しかし海斗の携帯は所々ヒビが入っている為、防水性は低下しているだろう
「…ならちょっと貸して。」
「…?…わかった」す
「…ありがとう。」
瑛人は言われた通りに渡す
すると女子は思いっきり叩きつける
「…ふん!」バギィ
「ああ!!!僕の携帯を…何するんだ!」
海斗は自分の行いを棚に上げて叫ぶ、しかしその子は無視してバケツに水を入れてくる
海斗のファンクラブや好きな子達も海斗の盗撮写真の証拠を見た人達はあり得ない気持ちもあるが、とてもではないが許容は出来ない
「…………」ぽい
ボチャ…バケツの中に携帯を入れる
画面が明るかったが、完全に壊れたのか画面が消えた
「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
周りで抑えていたクラスメイト達を引き剥がして、バケツの中から携帯を取り出す
電源をつけようと何回も電源ボタンを押すが
起動しないのか、涙を零す
多分完全にショートしているだろう、新しい携帯に変えたとしても、写真や動画はもう復元は出来ないだろう
「…ふざけんなよ……ふざけんなよ!このアマ!!!!」
立ち上がり、周りを睨みつけながら叫ぶ
「僕が何したって言うんだ!ただ彼女の写真を撮っただけだろ!なんで怒られなきゃいけないんだ!なんでこんな目に遭わなくちゃいけないんだ!」
「ミュウの彼氏は俺だ、お前じゃない、それにこれは盗撮写真だ、証拠は消したがな。」
(最も、これのせいで警察に通報は出来なくなっちゃったけど…やらかしたな)
しかし、ミュウの様な人見知りが警察に事情聴取された場合、まともに答えられるか心配でもある為、この程度で済ますのもありだ
「……ミュウちゃんの彼氏は僕だ!君じゃない!皆んなだって知ってるだろ!」
そう言うが、周りは誰も答えない
何も知らなければ海斗の味方もいただろうけど、今回の事で海斗の本性がわかってしまい、誰も擁護はしない
「…なんでだよ…なんでなんだよ!!!」
大粒の涙を流しながら泣く海斗を前に瑛人はミュウを抱き寄せながら、話す
「今回の件は警察には言わないでおく…けど、2度と俺達に関わるな。」
瑛人はミュウを抱き寄せるとミュウも顔を赤くして嬉しそうに俯く
その姿がトドメだったのか海斗は寝取られ現場を見せつけられてしまった男の様に発狂しながら教室から飛び出した
「ワァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
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その後、海斗が教室に戻ってくる事はなく、同じクラスメイト達からの心配の言葉が1日中続いた
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