第32話 被害妄想
朝 2人はいつも通りに学校で授業を受けていると…
学校の放送で瑛人とミュウが呼び出された
「…なんで呼び出されたんだ?」
「よ…ばれ…たの…?」
まだ完璧ではない日本語で、瑛人と話すミュウ
「流石に俺の前なら英語でもいいんだぞ?」
「…にほん…ご…おぼ…え…たい…」
2人きりの時だけ…ミュウは日本語ではなく、英語で話す、そう言う約束だからだ
「先生の言葉がわからない時は俺に言ってくれ、ちゃんと教えるから。」
「あり…がと…う」
そう言って2人は職員室に入る
他にも先生達がいるが、特に気にしていない様だった
「…おい、あれ」
「………ひ!?」
そこにいたのは担任の先生と昨日ミュウの砂の絵を滅茶苦茶にした少年、海斗がいた
「2人ともなんで呼び出されたか、わかってるよね?」
なんのことだ?全くわからない、それに何故海斗がここにいるのかもわからない
「いえ、わかりません。」
小学生と言えど敬語は使える、担任にわからない事を言うと担任はため息をこぼしながら話し始める
「あのねぇ、嘘は良くないよ?嘘は、正直に言いなさいそしたら終わりだから。」
「…本当にわかりません。」
こっちは何も知らないまま呼び出されているのだわかるわけがない
「あのね、昨日の放課後、君はそこにいるミュウさんと一緒に遊んでいる海斗君を突き飛ばして怪我をさせたでしょ?」
「………は?」
「しかもミュウさんの為に描いた絵を滅茶苦茶にして泣かせたらしいね?…何か言う事はないの?」
「………嘘つくなよ、海斗。」
つまり、昨日ミュウと遊んでいたのは瑛人ではなく、海斗で、海斗に怪我をさせ、ミュウが描いた絵を滅茶苦茶にして泣かせたのは瑛人の所為…と言う事だろうか?
「…嘘?」
「はい、僕達が遊んでいた所にそいつが勝手にやって来て、ミュウの描いた絵を滅茶苦茶にしたんです。」
「…それは本当なの?」ちら
担任は瑛人の隣にいるミュウを見る
「…っ!」ギュ
ミュウは瑛人の後ろに隠れて、顔だけ頷いた
「と、言う事らしいけど?」
「う…嘘なんかついてない!、で…デタラメを言うな!」
明らかに動揺しているが、全く反省はしていない様だ
「本当の事を話して、どっちが嘘ついているの?」
「「そっち」」
「…ん!」指差し
瑛人と海斗は互いに指を差し、ミュウも瑛人の後ろで海斗に指を差している
これで明らかに海斗が嘘をついているのがわかるのだが、海斗は誤魔化せると思っているのか、言い訳を始める
「嘘じゃないもん!僕は嘘言ってないもん!あっちが嘘をついてんだもん!僕と絶交したから、嫌がらせしてくるんだ!」
瑛人は嘘をついてないし、こっちからも言っていない、そもそも絶交とか言うが、まず友達ですらない
「嘘じゃない…って、嘘をつくなよ、嘘を。」
「…海斗君?」
「本当だもん!なんで嘘つくの!僕とミュウちゃんが仲が良いから嫉妬したんだ!」
明らかにミュウは瑛人の後ろに隠れて怯えているので確実に嘘だってわかるの
なのに怒られたくないのか平然と嘘をついている
そして……
「嘘をつくなぁ!!!」
海斗が瑛人を襲い、それに驚いた瑛人が倒れると海斗は馬乗りになって殴ろうと拳を構えて
「やめなさい!!!」
担任に止められた
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その後、海斗の嘘がバレて、瑛人達の無実は証明された
海斗は嘘をついた事、人に怪我を負わせようとした事で、厳重注意され、この件は終わった
これでやっと終わった、そう安堵した次の日2人は海斗の恐ろしさを知る事になる。
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