異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~

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王都出立編

登場人物の紹介

 まずは主人公のマルクについて触れていきます。


 マルクはランス王国の辺境にある、バラムという町に生まれました。

 幼い頃から別の世界の夢を何度も見たことで、彼は自分自身が転生した存在であることに気づきます。

 それと同時に、前世で自分が命を落とすまでの経緯も思い出してしまいました。


 その記憶には、カフェをオープンしたこと、店を経営していた日々、そして思うようにいかず店を閉めることになった苦い経験まで含まれています。

 つまりマルクにとって飲食店経営は、単なる憧れではなく、一度失敗を経験した上で、それでももう一度挑みたいと思えるものだったわけです。


 そのため彼は、二度目の人生では飲食店経営を成功させようと決意しました。

 マルクの住む世界には色んな職業がありますが、その中でも冒険者はハイリスクハイリターンの仕事です。

 危険が伴う代わりに、依頼によっては報酬が高額になる。

 異世界でも自分の店を持とうと決めたマルクの意志は強く、それを反映するように、短期間で開業資金を貯めようとしました。


 マルク自身は平均的な家系の平民であり、実家に大きな資産があるわけではありません。

 だからこそ、自分の店を持つためには、自力で資金を捻出しなければならない。

 冒険者として活動していた背景には、そういった現実的な理由も関係しています。


 魔法と剣術の両方をそつなくこなせる代わりに、突出した能力があるわけではない。

 そのため、冒険者時代のマルクは「そこそこ成功した部類」のCランク冒険者まで上がりました。

 Cランクというと少し地味に聞こえるかもしれませんが、危険な仕事をこなしながら生活できる時点で、実力のある冒険者です。


 本作に登場する槍使いのフランはBランク冒険者でした。

 たとえ魔法が得意でなくても、秀でた技能があれば若くてもそこまでは上がれる、という感覚です。

 一方でマルクは、魔法も剣術も扱えるものの、どちらか一つで突出した天才というわけではありません。

 そこが、彼らしい堅実さにもつながっているのだと思います。


 ちなみに髪色は、この世界に多い金色です。

 髪型は短髪とまではいかない長さで、基本的には動きやすい服装を好んでいます。

 食材探しに行く時は、冒険者時代の名残りもあって、当時の装備をそのまま着用することも多いです。

 料理人でありながら、必要があれば森や草原にも入っていく。

 そのあたりは、冒険者としての経験につながっているかもしれません。


 続いて、燃えるような赤い髪、バーニングレッドのアデルについて。


 彼女はエルフということもあり、高いレベルの魔法使いです。

 ハンクも魔法が得意なのですが、種族と経験の違い、さらにアデルが魔法特化型であることから、魔法に関しては彼女の方が上手です。

 戦闘面でも頼れる存在ではありますが、アデルの場合はそれ以上に、独特の存在感が印象に残るキャラクターだと思います。


 アデルが美食家と呼ばれるようになったのは、各地で様々な料理店を食べ歩いたことがきっかけです。

 いつの間にか、彼女が通う店は美味い店だという評判がつくようになりました。

 味にうるさいところはありますが、特に評論家というわけではありません。

 肩書きを名乗っているというより、周囲が自然とそう呼ぶようになった、という方が近いです。


 マルクの焼肉屋にとっても、アデルの存在はかなり大きいです。

 ただの常連客というより、店の味を理解してくれて、時にはマルクの背中を押してくれる人物でもあります。

 気まぐれに見えて、必要なところではしっかり見ている。


 謎多きセレブという立ち位置ではありますが、現時点ではネタバレになってしまう部分も多いです。

 そのため、彼女の詳しい背景については、今後の物語で登場するのを楽しみにしていただけたらと思います。


 メインキャラクターの中では、この人も欠かせないと思います。

 Sランク冒険者ハンク。

 通り名は、無双のハンクです。

 緑がかった色の髪の毛と、大きなバックパックがトレードマークになっています。


 ランス王国周辺では、そこまで危険な依頼は多くありません。

 そのため、彼がSランクに認定されたのは、もっと広い範囲で活動を続けた結果です。

 現時点では出生についても情報が少なく、なぜそこまでの強さに至ったのかは謎に包まれています。


 魔法と剣術の両方を使いこなすという点では、ハンクとマルクには共通点があります。

 本来ならば、どちらか片方を高い水準まで鍛えるだけでも困難であるという、この世界の常識があります。

 それにもかかわらず、ハンクは二つの力を高次元まで極めています。


 そこまでの強さがあるからこそ、Sランク冒険者は小型のドラゴンなら一人で倒すことさえできる、というわけです。

 もちろん、彼のような超人が何人もいたら、世界のパワーバランスが崩れてしまいます。

 だからこそ、Sランク冒険者というのはごく少数しか存在しません。


 フランのBランクが、才能と鍛錬で到達可能な一つの頂点だとすれば、それより上の世界は、天啓にも似た特別な才覚を備えた者にしか到達できない領域です。

 ハンクは、その領域にいる人物と言えるでしょう。

 普段は気さくで面倒見のいい兄貴分ですが、実力だけを見れば完全に規格外です。


 ガルフール編に登場したナツミ社長も、ある意味ではそれに近い存在です。

 彼女も転生者であるという特別な背景を活用した結果、Aランクという高みに上がれたのかもしれません。


 マルク自身に潜在的な可能性があったとしても、冒険者時代にハンクと出会うなど、何か大きなきっかけが必要だったでしょう。

 ただ、彼の場合は冒険者として頂点を目指すよりも、自分の店を持つという目標を選びました。

 そこがマルクらしいところでもあります。


 書籍版から本作を知ってくださった方向けに、エスカやフランについても触れてみたいと思います。

 まずはエスカについて。


 エスカは、マルクと冒険者時代からの知り合いです。

 肩まで伸びた黒めの髪と、明るい笑顔が特徴の女性冒険者です。

 マルクにとっては気心の知れた相手であり、バラム周辺の空気にもなじんでいる人物だと思います。


 Dランク冒険者で、魔法はそこまで得意ではないものの、弓の扱いに長けています。

 アデルやハンク、おまけにフランがいると存在感が薄れてしまいそうですが、バラム周辺なら一人で無茶をしない限り、十分に強い冒険者です。

 戦闘だけでなく、狩りや探索の場面でも活躍しますね。


 マルクと同じく辺境であるバラム出身ということもあり、性格はわりとのんびりしています。

 幼少期から自然に親しんだり、狩猟技術を学んだりした経緯から、冒険者を志したという背景です。

 派手な強キャラというより、土地に根ざした実力者という印象が近いかもしれません。

 マルクにとっても、昔からの知り合いとして気楽に話せる貴重な存在です。


 続いて、我らがフラン様について。


 フランはBランク冒険者で、得物は槍。

 髪色は水色で、長めの髪型をしています。

 動きやすさを重視した紺のノースリーブがメイン装備です。

 とある国の貴族家の令嬢で、独特の口調も印象的でした。


 セレブという共通点があるからなのか、アデルとは面識があるようです。

 少し高慢なところはありますが、Bランクの名に恥じない実力があります。

 若くしてそこまで上がっている時点で、相当な才能と実力がある人物です。

 本人の態度に癖はありますが、実力が伴っているからこそ、周囲も一目置いているのでしょう。


 作者的には登場機会を増やしたいキャラクターなのですが、Bランクともなると依頼に引っ張りだこです。

 そのため、メインの二人に比べると出番が少なくなりがちです。

 強いからこそ、気軽にバラム周辺をうろうろさせにくいという事情もあります。


 だいたい、この手の強キャラはラスボス手前ぐらいでパーティーに合流しがちなのですが、この作品にラスボスはいないんですよね(笑)

 なので、フランについては、ここぞという場面でふらっと登場してくれるくらいが、彼女らしいのかもしれません。


 普段の一話分ぐらいのボリュームになりましたが、今回は登場人物の解説をお送りしました。

 本編では語りきれない部分や、キャラクター同士の立ち位置が少しでも伝わっていれば嬉しいです。

 少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

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