第125話 イエス、ユア、マジェスティ!
前回のあらすじっ!
明日、理央と遊びに行く予定です!俺のオーラで、理央からチヤホヤされないかなー!と思っております!以上っ!
明日の理央との遊びが楽しみになった時…
「ねぇ、凛、明日、やっぱり胸の大きいだけの女と遊びいくんだ」
「そろそろその呼び方やめような?」
なぜか美羽が怒ってます。
「凛はその人の胸を見てデレデレしてるから、明日は行かないほうがいい」
「お、おおおお俺は大きな胸を見てデレデレなんてしてないぞ!?」
「そんなことない。私は凛がデレデレしてるところを度々見てる」
「ち、違う!俺はデレデレなんかしてない!」
「へぇ、お兄ってやっぱり胸が大きい女が好きなんだ」
「だから違うって言ってるだろ!」
(コイツら全然聞く耳もってくれないんだけど!)
俺がそんなことを思っていると、隣から父さんと母さんの会話が聞こえてきた。
「ねぇ、あなた。凛って胸が大きいメス豚が好きらしいね」
「あ、あぁ。そうらしいな」
「なんでも、凛ってあなたの優秀な遺伝子を受け継いでいるらしいわね?」
「そ、そりゃ俺たちの息子だからな」
「と、言うことは、息子が巨乳好きなら、その遺伝子を受け継いでいる父親が巨乳好きってことにならないかしら?」
「そ、そんなことないと思うぞ?」
「あら?じゃあ念のため聞いておくわ。あなたの好きな胸の大きさは?」
「はっ!私、汐留篤は、胸の大きくて脂肪しかない女性より、Aカップの小さな胸が大好きです!つまり、私の胸のストライクゾーンは葵さんの胸だけです!」
「とても嬉しいわ。実はあなたが巨乳好きで、その優秀な遺伝子(笑)が、凛に引き継がれてると思って心配してしまったわ」
「そんなことはありません。凛にはきっと、不純な遺伝子(笑)が受け継がれてるだけです」
「そう。その調子で、私より胸の大きいメス豚を駆逐していってね」
「イエス、ユア、マジェスティ!」
(おい、この会話を俺たちの目の前で繰り広げるなよ。親としての威厳0じゃねぇか。しかも、母さんよりも胸の大きい女って駆逐対象広すぎだろ……)
俺の両親はもうダメらしい……。
あれから、俺は風呂に入ってベッドにダイブする。
スマホを確認すると、理央からラインが来ていた。
「涼風理央:明日のデート楽しみだね!」
「汐留凛:デートじゃないが、楽しみにしてるぞ」
俺はそう返信する。
(ふふっ!明日は理央からチヤホヤされる日だ!なんか楽しみになってきたぞ!?)
俺はワクワクしながら眠りについた。
土曜日となる。
父さんと母さんは、またしても朝早く出発したらしい。
(ホント、忙しいのにわざわざ帰ってきてくれるのは嬉しいな)
そんなことを思いながら、午前中は舞とゆっくり過ごす。
昼食後、俺は出発の準備を整えて家を出るため、舞に一言告げる。
「じゃあ、俺は理央と遊びに行ってくるから」
「ふんっ!」
そっぽ向かれました。
(朝から不機嫌なんだよなぁ。仕方ない。帰りに甘い食べ物でも買って帰るか)
そんなことを思いながら、理央との集合場所へ向かう。
集合時間5分前に集合場所へと到着する。
そこには、理央と、理央に似た美人な女性がいた。
そして、1人の男に絶賛ナンパされてました。
「ねぇ、君たち、これからお茶でもしない?」
「結構です!今、人を待ってますので!」
「まぁ、そう固いこと言わずにさ。俺たちが奢るから」
「だから結構です!」
見たところ、理央も、理央に似た美人な女性も困っているようだった。
俺は急いで駆けつける。
「ごめん、理央。遅くなった!」
「あ!凛くん!全然待ってないよ!」
「それならよかった。それよりも……」
「おい!お前、その女たちのなんなんだ?」
俺が理央と話してる最中に割り込んでくる。
「あ?俺は理央のクラスメイトだが、悪いな、俺はこれから理央と遊びに行くんだ。そのまま帰ってくれないか?」
「ぷっ!ははっ!おいおい!なんの冗談だよ!お前みたいな陰キャがこの女と遊べるわけねぇだろ!ちょっとカッコつけたいだけの陰キャ風情がっ!」
そんなことを言いながら、絡んでた男が俺に殴りかかってくる。
「はぁ」
俺はため息をついて、男のパンチを右手で受け止める。
「!?」
(なんだ?止められたことに驚いているのか?え、今の全然怖くなかったんだが…)
「なんだ、こんなもんか?」
そう言って俺は男を睨みつける。
「ちっ!」
男は舌打ちをして、俺たちの下から離れていった。
「ごめん!俺の到着が遅くなってしまったから……」
「そ、そんなことないよ!助けてくれてありがと!そ、その……か、カッコよかったよ!」
理央が顔を赤くしながら褒めてくれる。
「お、おう……無事ならよかったよ」
「う、うん……また助けてもらっちゃったね」
「これくらい理央が気にすることじゃない。女の子を守るのは男の役目だからな」
「そ、そうなんだ…。ふふっ、凛くんらしいよ」
「な、なにがだ?」
「ううん、なんでもない!じゃ!さっそくデートに行こ!」
「あ、おい!」
絡まれてたもう1人の女性なんか気にもせず、理央が俺の手を引いて歩き出した。
「………………。あれ!?アタシ無視されてね!?」
後ろの方からそんな声が聞こえた気がした。
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