第88話 脅されるネタを提供してるだけじゃねぇか!

前回のあらすじっ!

 先生と電話なうです。やっと本題に入りました。以上っ!




『この時間に電話してきたことはわかりました。明日の三神さんとの食事会は何時からでしょうか?』


『私もいるからな』


『あー!もう!話の腰を折らないでください!』


(どんだけ三神さんの奢りで高級料理が食べたいんだよ!)


『話の腰を折ったわけではない。汐留が忘れているようだったので、付け加えただけだ』


『どっちも同じだよ!』


(ホント話が進まなねぇ!)


『汐留が覚えているならいいんだ。それで、明日は三神の仕事と、私の会議を考慮して19時に三神が予約した。明日は三神の奢りで高級焼肉だ。っしゃ!』


『喜びすぎだ!それでも三神さんの先輩か!?』


『何を言う。私は奢られるくらいの仕事をしたからな。当然の対価だ』


『うん……。どんな仕事をしたのかは予測がつくので、もういいです。話を戻しましょう』


(俺を明日の食事会に参加させることが仕事だったんだろう。まぁ、仕事内容は“俺の動画を拡散するぞ?”と脅すことだったんだけどな!)


『あぁ、そんな無駄なことに時間を使いたくない。お前の睡眠時間なんざ減ろうがどうでもいいが、私の睡眠時間が減るのは勘弁してほしいからな。はやく要件を伝えたい』


『ん?睡眠時間の件こそ無駄な時間だよな?俺に言う必要ないよな?』


『おい、さっきから私の言葉にツッコミをしすぎだ。お前は私との電話を長引かせたいのか?そんなに私の声が聞きたいのか?』


『…………いえ、もう黙っておきます……』


(なんで俺がツッコミをすると、“先生ともっと電話したい!”ってなるんだよ!むしろ今すぐ切りたいわ!)


『そうしろ。明日は三神がお前を迎えに行くことになった。どこで拾った方がいい?』


『そうですね…。それなら学校の校門前でお願いします』


『了解した。学校だと私が拾う方がはやそうだが、私の車にお前が乗るところを見られるとマズイ。だから予定通り、三神にお願いしよう』


『そうですね。それでお願いします』


『あぁ。学校なら予約した店から30分もあれば着くだろう。学校には18時半までに来い』


『わかりました』


(ふぅ、無事に要件は済みそうだな……。長かったなぁ……)


『他には何か聞きたいことはあるか?』


(うーん…あ!そーいえば、気になってたことがあったんだった!)


 そう思ったため、先生に聞いてみる。


『あの、先生はいつ俺のスマホに電話番号を登録したんですか?』


『あぁ、それなら三神の電話番号を登録する時に、私のも一緒に登録しておいた』


『えーっと……なぜですか?』


(陰キャの連絡先なんかあってもいいことないと思うが……)


『あぁ、それはな、お前とは将来結婚すると思ってな。だから電話番号を登録した』


『どんな思考回路してんだよ!』


(どの部分で結婚するって思ったのか聞いてみたいわ!)


『そんなこと言うな。実は美女の連絡先をゲットできて、喜んでるんだろ?』


『そんなわけないわ!登録名からして恐怖でしかないんだが!』


『ちなみに、私はお前からのプロポーズを待ってるからな』


『それは一生ないので諦めてください』


(生徒に何をお願いしてんだよ!)


 そんなことを思っていると…


『あ、そういえば、今日もコスプレしたんだな』


 先生が今日のコスプレの件に触れてくる。


『はい……先生にも伝わってるんですね』


(先生にも伝わるくらい、拡散されてるんだなぁ)


『あぁ、三神が動画を送ってくれた』


『三神さんも拡散してんのかよ!』


(先生にだけは拡散してほしくないんだけど!?脅されるネタを提供してるだけじゃねぇか!)


『そうなるな。で、暇だったから送られた動画を見たんだよ。そしたら……ははっ!あ、いや、なんでもない。笑ってはないぞ』


『絶対、思い出して笑ってただろ!』


『おいおい、生徒が頑張ったことを先生が笑うわけないだろ?』


『そ、そうですよね……。じゃあさっきのはなんだったんですか?』


『あぁ、さっきのは笑ったわけじゃない。嘲笑ってたんだ』


『余計悪いわ!』


(全然フォローになってないんだが!?てか、いつまで電話するんだよ!)


 そんなことを思う凛であった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 う、嘘だろ!?先生と電話するだけなのに、1話で終わらなかったんだが!?

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