15

「行くぞっ! 見ていてくれ、僕の必殺!」



「「超早朝疾風出勤秘術華麗なるmelonタッチ!!」」



 そう言いながら全く無駄のない綺麗な姿勢で改札に突っ込んで行った髭。

 まるで卓球選手のようにカードを持ち、まるで回転でもかけるような手つきで改札に滑らせ――




 ビーッ!!

「ぐげぼっ!」




 ……え?



 えええっ!?

 !?


《ああっ! 髭っ、アレを見てください!》

「ん? ――ああっ!!」


『交通系ICカード melonは当駅では対応しておりません』


「そっ、そんなぁ!」

《こ、このままじゃ追いつかれてしまいます! 横道に逸れましょう! ――私が少しの間押さえますから……!》

「でっ、でもそしたら狂信者さんが――って、あ、そっか。画面の外から見てるんですよね」

《ええ! でもこの力は一回、しかも10秒しか使えません! 早く逃げて!! 髭は世界平和の象徴だからぁ!!》


→13まで逃げろ!


・邪悪な「悪魔」の概念、こちらまであと2m!

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