第18話沢田邸での新たな動きと対処 華音も動き始める

華音たちが再び20階に戻ると、新たな情報が入ったらしく、全員が忙しそうに動いている。

松田明美が、華音に声をかけた。

「詳しくは、さっきの大会議室で」


華音たちが、大会議室に入ると、大きなモニタースクリーンには、沢田邸を警護している橋本スタッフが映っている。

「今度は、沢田邸に、地元代議士の秘書と、地元極道の幹部が、揃って歩いて来ました」

「まずは、その時の録画をご覧ください」


地元代議士の秘書(カッチリとしたスーツ姿、髪もポマードで固めている、中年、精悍な感じ

「おい・・・この家、留守か?」

地元極道の幹部(派手なご極彩色のカッターシャツ、白いブレザー)

「まあ、調べに出した子分は戻って来ていねえが・・・」

「どこをほっつき歩いているのやら」

地元代議士秘書

「おい、無責任なことを言うなよ」

「確実に殺したかどうか、それくらいは調べろ」

「でも、葬式の話も聞かねえし」

地元極道幹部

「隣近所・・・下手に聞くと・・・やばいかもな」

地元代議士秘書

「先生からは、早く報告しろって叱られているんだ」

地元極道幹部

「うちもそうだよ、大親分が、切れそうになってる」

「結果がはっきりしなくて」

地元代議士秘書は、バールを手にしている。

「こじ開けるか?」

「そうすれば、もう少しわかる」

地元極道幹部

「ああ、そうでもしないと、子供の使いだ」


次の瞬間だった。


自転車に乗った地元回りの警察官が、画面に映った。


「こら!何をしている!」


地元代議士秘書と地元極道幹部は、全く動きを止めない。

自転車で近付いて来た警察官に、地元代議士秘書が名刺を見せると、地元回りの警察官は代議士秘書と地元極道幹部に最敬礼、そのまま沢田邸を去って行く。


橋本スタッフの報告が、ここで入った。

「地元警察は、私が匿名で呼びました」

「この画像は、官邸とマスコミに、動画サイトにもアップしました」


華音は、橋本スタッフに質問。

「で、地元代議士秘書と地元極道幹部は今はどこに?」


橋本スタッフは即答。

「はい、すぐに捕縛して、今は柳生事務所の地下牢に」

「最初に捕まえたチンピラと同じ部屋です」

「井岡君と高田君が運びました」

「自白剤を飲ませて、二人が聞き取っています」


沢田史裕が驚いた顔になると、華音は首を横に振る。

「まだまだ、頂上は先」

「これぐらいで驚いても、仕方がない」


松田明美が華音に声を掛けた。

「地下牢には行くの?」

華音は即答。

「行かない、それより、出かけるかな」


柳生隆

「一緒に行こうか?」


華音は、柳生隆を手で制した。

「柳生は顔を見せないほうがいい」

「一旦、久我山に帰る」

「そこから、歩く」


華音の考えを読んだ、シルビア、春香。エレーナ、雨宮瞳が、さっと、華音の周りを固めている。

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