第122話 どうも監禁されてます

〜チャラ男神〜


突然だが、

室内で可愛い女神と2人で共同作業と言ったら、どんな雰囲気になると思う?


きっと大勢はこう思うだろう。


そんな絶好のシチュエーション、きっと甘い雰囲気が漂ってるんだろう。ってね


「「うぉぉぉぉぉ!!」」


そんな幻想は捨ててくれ。

ヤベェ、気合い出しながら妨害を排除しようとしてるけど全然突破できる気がしねぇ。


「相手どれだけ悪魔としての力を使ったんだぁぁ!」


「ケルベロスに向けられる恐怖を力にしたんだろ。

リースのせいにする訳じゃないが、守護者が倒せなかったのが大きくてかなり力強くなってんじゃね?。」


「本当にさ、アイツらの力は恐ろしく燃費が良くて…

ケルベロス倒せば恐怖は減るだろうし、こんな大掛かりな妨害もできなくなるだろうけどさ。」


硬ぇ!

リースとケルベロスがいるところが、ドーム状に見えなくなってる。


「神の力使っちゃおうかなぁ…」


「そんな事したら存在ごと消えるぞ、チャラ男!

まぁ消えてくれた方が僕は嬉しいけど、でも私以外には人気高いんだからやるなよ?」


「多分狙ってないな、

ごちそうさまです。」


「は?」


ちょっとしたロリ女神のツンデレを楽しみつつ、魔力を高める。


ガチャ


扉が開いた?

此処には俺とロリ女神しかいないはずだが…


「た、だ、い、ま〜!」


なんだ爺さんかよ。

速くこっちきて手伝、え…


はぁ?!


「「くたばれ!」」


「ギャァァァ!」


なんでコイツは浴衣着て、たこ焼きと綿あめを食ってんだよ。

祭りか!行ってきたんかお前!


「痛いぞ、ロリ女神ならともかく男に殴られる趣味はないんじゃが。」


「今は非常事態なんだよ。」


「そうなんだよ、ウマ!爺さんの世界に悪魔が出て。ウマ!」


それでどうしてロリ女神はさりげなく、たこ焼き奪って食ってんだよ。

俺にも寄越せ。


「悪魔?アイツらまた沸いたのか。」


「そんな話ししてる暇ないぞ、リースちゃんが戦ってるから。」


「もっと早く言わんか!」


すごい勢いでリースの居場所特定を始めた。

やっぱり爺さんは優秀だな、真面目に活動すればもっと力を増せるだろうに。


まぁ、

今以上に強くなると、存在する事がつまらなくなるから儂はもういい…

って言ってたし、事実その通りだからな。


「おーい、チャラ男〜。

悪魔いないじゃん。」


その場には居ねぇよ。

というか、あのクソ硬い結界もう破ったのか?!


「え、破るの早くね?」


「むしろ、なんであんなのに苦戦してたんじゃ?

ロリ女神は癒しの力だからわかるが、チャラ男なら直ぐに破れるじゃろ。」


「は?」


「ん?おかしい所でもあったかの?」


いやいや、おかしい所もなにも消されるぞ?!


最近、と言っても100年単位だが。

神の規定に追加された項目。

・世界同士の争いに神自身が直接手を出してはならない。

破れば神は消滅、すなわち死。


「もしかして力使った?

それってダメなんじゃなかったっけ。」


だがダメなら既に消えてるはず。


あっ…


「え、なにチャラ男とロリ女神は気づいてなかったのか。

儂ら神が手出しちゃいけないのは、相手の世界の住人と戦力じゃ。

実質何処にも属してない悪魔は直接ボコしても問題ないぞ?」


…スー。


明らかに狼狽えているロリ女神、多分今の俺もそんな感じだろう。


「うわ、恥ずかし!

自分の勉強不足なのに、リースたんを戦わせて、危険に晒して恥ずかしー!」


「「……」」


なんも言い返せねぇ…


「勉強不足でした!ごめんね!

それより早く助けてあげよ。」


「あ〜、そりゃ無理じゃ。」


見てみ、と地上の映像が映るテレビを見る。

…ヤベェ。


「うわ!誰アレ?!

顔は隠れててわかんないけど…いや、リーナちゃんだ逃げてたのか。」


いや、アレが誰かは別にどうでもいい。

問題は持ってる装備なんだよ。


あらゆる攻撃に対する耐性がめっちゃ上がる

【狂愛のドレス】


魂すら傷つけるヤベェ武器

【破魂の黒槍】


腰あたりに浮いてる短剣、リースにあげた水晶の完全上位互換

【オーロラ・セブン・ダガー】


右手首に付いてる腕輪、魔力の回復が早くなって枯渇しない

【泉の腕輪】


このヤベェ4つの他にも、そこそこの効果が付いてるアクセサリーの数々…

アイテムBOXに入れてるならまだあるかも…


全部、爺さんと本気で作ったり盗んだロマンと性能を合わせ持った最強装備達です。

神すら倒せる、はい!お疲れ様です。


「いやぁ、ちゃんと金庫に保管しておくべきだったのぉ。」


リースの身はひとまず安全だと判断し、

ヤバい装備を取り戻すための会議をするのだった…



〜エルフ〜


ジャラ…


どうも、

鎖付きの首輪と手枷、おまけに猫耳付きのエルフです。


今いる場所は少し薄暗い部屋にある大きなベットの上、窓はなく扉が一つあるだけ。


はい、監禁されてます。


目が覚めたら、この状態でベットに寝てた。

でも意外とエルフボディは慌ててないんだよね、私も一切ドキドキしてない。


「ふ〜ん♪ふ〜ん♪」


扉の向こう側からは鼻歌が聞こえる。

歌と声が懐かしいって感じるから、多分エルフボディの妹。

多分これが理由か。


「ふふ、ふふふ!」


笑い方、怖いな。


起きて直ぐの時はなんとか逃げようと思って色々やった。


神様ぁ〜。

…反応無し!


って感じで、さっきから何回か連絡してるけど反応もないし


ぐぅぅぅ!


力入れて引っ張ったりしても、手枷も首輪も壊れなかったし取れない。


魔法は何故か魔力が上手く感じ取れなくて、発動はもちろん、道具に込めたりとかもできない。


救助来るまで待つしかないなぁ…

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