察知した悪意(ユニット:桐夜、エルピス)

「増えた……だと?」


 桐夜の隠れ家にて。

 ゆえあってかくまわれているエルピス――"希望"の概念体――が、突如として呟いた。


「増えた? 何がだ…………ッ!?」


 言葉の意図を尋ねようとした桐夜が、胸を押さえる。


「ぐっ……!?」

「うぅ……っ!」


 そばにいる恋人もろとも、彼を異変が襲う。

 だが、それは長くは続かなかった。


「ッ、はぁ、はぁっ……」


 彼にとって事情はまったく探れないが、一瞬で異変は去っていった。


「何だったんだ? 今のは……」

「さあ……分からないわ」


 理由も原因も不明だが、一瞬で収まった異変。

 しかし桐夜は、自らを襲ってきたものの正体を探っていた。


(俺の胸を満たしたのは、悪意だ……。それもラヤル――俺の幼馴染みを殺したレプリアとやりあった時の比じゃない。それも、外から向けられるもんじゃなく、まるで心の奥底からわき上がるような……)




 桐夜の推測は、当たらずとも遠からず……というものであった。


---


★解説

 本エピソード執筆時点における、ソルト様の最新エピソードとリンクさせました。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885714804/episodes/16817330647821687472


 被害が一瞬で収まったのは、幸運というか"ある人物"の対応の素早さによるものです。


 現在は非常事態に陥っており、中の人はメタ的に「白けるわこんなの!」という総ツッコミを覚悟で対策を講じております。

 直前のエピソードもその一環。


 いやホント、何だこの非常事態……。

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