悪意の胎動(ユニット:???)

「………………」


 高高度に転移した、漆黒に桜色と金とで飾った機体が呟く。


「……よもや、そのような振る舞いを」


 無機質な音声は、しかし怒りを確かに孕んでいた。


「世界など、どうでもよいというのか。……否、世界全てが壊れるには非ず。もしや、狙いは……」


 傍観者を貫く――むしろ傍観者であるがゆえに、謎の機体は世界の異変を察知した。


「そのような悪意を示すのであれば、もはや、私も大きな介入をせねばなるまいな。だが、その前に」


 謎の機体は、コクピットに座っている青年を外に出す。


「ここで待つが良い。私でなくては、あれらは止められぬ」




 ふわりふわりと漂う青年に向けてそう言い残すと、謎の機体はいずこかへと転移した。


---


★通達

 非常事態です。

 予定を変更して、「桜付きの積極戦闘の解禁」を実行します。


 本来これは最終決戦直前に行うつもりでしたが、「ことここに至って律儀に縛りを守っていては、リア様の世界が壊滅する」という状況となったための非常手段です。


 あれらを静観していては、FFXXどころかプレイヤーである中の人、もとい有原にとってもバッドエンド直行案件です。

 大人げないプレイングですが、それほどの事態なのです。


 本エピソード以降、桜付きは積極戦闘や積極介入を実行します。

 格や手段から考えた場合、リア様を差し置いて極めて強力な加護を施す場合があります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る