第3話 出会い:一希

俺はこの会社の社長の息子だ。

それで評価されたくなくて、必死に仕事をしてきて気がついたら28歳になっていた


今日も変わらず仕事していい寄ってくる取引先の女性に笑顔を振りまいてどこか退屈な日々を過ごしている


あと3ヶ月で社長になる予定があるためその準備などで忙しく過ごしてきたが今日でひと段落した


会社に戻ってみると最近彼女ができたという雪が「誰か呑みに一緒に来てくれ!」と騒いでいた


男性社員が数人集まってジャンケンしていた

側から見たらなんだこの会社と思われるんだろうなと苦笑いしつつ自分の席についた


「あ!一希さんお疲れ様です。

結構可愛いんですよ。一希さんも写真だけ見ます?


でも一希さんは来ちゃダメですよ

僕の彼女お金しか目がないので、社長の息子なんてきたら僕捨てられちゃう」


何をほざいてるんだか、俺は金しか目にない女は嫌いだ虫唾が走る

俺が行くわけないけど、雪がなんとかムカつくから写真だけ見るかと思い奪ってみた


可愛い、なんだこの可愛い生き物


おそらく手前の派手な露出多めの子が雪の彼女だ。ということは今日いるもう1人がこの可愛い人か。

一応雪にも確認して俺の予想が確信にかわった。1回でいいから話してみたい、動くところを見てみたい。


「これは俺が行く。上司命令だ。」


「嫌ですよ!絶対嫌です! 」


「俺が次期社長って事を隠して、雪の同期ということにすればどうだ?あとそうだなメガネでもかけてくか?」


我ながら何言ってるんだかな、本当呆れる


「それならいいですよ…。でも本当に僕と彼女の邪魔だけはしないでくださいね。」

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