第13話 火を付けて



寒くなっていく真夜中の部屋

毛布にくるまって

私は大切な人を抱いている


大切な人は

私に寄り掛かって

何の心配もしていない


その安らかな顔を見ると

この人を守らなければならないと誓える

冬が来る前に

獣達が冬眠の前に集める糧のように

抱えきれないくらいの愛を集めて

この秋を過ごそう


その愛で

冬を越そう


その愛を

雪の日の

暖炉の火にともそう

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