第5話 風邪

 次の日の朝L◯NEのグループに通知が来て目が覚めた。そこには、凛から

『体調を崩したので連休は遊ぶことが出来ません、すいません』

と来ていた。今日は元々用事が入っている人が多いということで遊ぶことも無かったため、心配のメッセージを入れるだけにした。ふと、凛が独り暮らしをしていることを思い出したので、


『凛、今一人だけど大丈夫?』


メッセージを送ると既読がついた。そして秋元が


『体調を崩してるのに凛さんとイチャイチャしようとするなんて、斎藤さん(。・ˇдˇ・。)』


怒った顔文字と一緒にメッセージが来た。最初は何故怒っているのか分からなかったが自分のメッセージを見ると自分が一人だから凛と連絡取ろうとしてるメッセージをグループに間違えたように見えてもおかしくないような内容だった。

 理解すると急いで


『誤解させてすまん。凛と話したいとかじゃなくて、実は凛のおじさんが出張しててそれにおびさんが付いていってて凛は独り暮らししてるから看病とか大丈夫かなって意味のメッセージを送ったつもりだったんだ。』

と釈明すると


『そうだったんですね。こちらも勘違いしてしまいすいませんでした。』


秋元が誤解していたことを謝罪してきた。凛からは


『今部屋が散らかっているので男性に見られると恥ずかしいので来ちゃ駄目です(^_^;』


と返信が来た。秋元が


『用事が終わったら私が行きますね。』


『ありがとうございます。沙也加さんやゆうかさんとかなら。風邪が移らないよう気をつけてください。住所は後でお伝えします。』


と返信していた。

 残りの連休は部活などでみんなの予定が合わなかったので凛とどこかデートに行きたかったが、凛が風邪を引いてしまったので、連休中は予定が無くなってしまった。特に用事もなくやることが無かったため、午前中に、学校の課題を済ませて昼から部屋の掃除をしてゴロゴロと過ごしていた。夕方頃に秋元と小林から


『そこまで酷くはなさそうで良かったです。』


と来ていて安心した。夜は、凛の体調をこれ以上気にしても仕方がないと思い寝ることにした。翌日の朝にはメッセージで


『だいぶ体調は良くなりました。』


とメッセージが来ており安心した。連休最終日も結局一日中ゴロゴロして気付いたら夜になっていたので凛におやすみのメッセージだけ送り寝た。

連休が終わり、学校が再開した。俺は凛と登校するため、駅で待っていたがいつもの時間になっても凛が来ないため、連絡すると


『風邪をぶり返してしまったので休みます。』


と返信が来た。心配の連絡を入れて登校することにした。

 凛が休みということで凛のことばかり考えてしまい、今日だけで何回も先生に注意されてしまった。休憩中には雄二たちからも「今日の奏は奥さんを亡くした時の旦那さんみたいに心ここあらずって状態だぞ。」と言われてしまう始末だった。少しでも凛に会いたいと思い、放課後凛の家にプリントを持って行くことにした。チャイムを鳴らすと中から凛のおばさんが出てきた。


「奏です。学校のプリントです。凛の体調は大丈夫ですか?」


「奏君ありがとう。今は落ち着いてきて良くなってきたわ。」


おばさんがそう言っていたので少し安心した。本当は凛の顔を見たかったが、邪魔になってもいけないので帰ることにした。グループの方に凛が


『ちょっとしんどいので多分連絡はあまり取れないと思います、すいません。お母さんが看病に来てくれました。風邪が移るとよくないのでお見舞いとか大丈夫です。』


『お大事に、早く元気になってね』


皆が心配のメッセージを送っていた。

 ところが、凛の体調が良くなることはなく今週はずっと休み、メッセージに既読が付くことはあったが反応することもなかった。次の週の月曜日の朝メッセージに『元気になりました』と凛からメッセージが来た。

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