デート?
日曜日、俺は後3日も休みがあることにテンションが爆あがりし、昨日は深夜3時までアニメを見た。気づいた時には寝落ちしもう今は昼の2時だ。
ピーンポーン!
ドアを開ける。そこには昨日と同じ状態の桜が生えていた。
「なんだよ?」
「ボルダリング行こう!」
「行かない」
「昨日奢ってあげたのに?」
「わかったわかった」
服を着替えて鞄を持つ。大したものは入っていない。財布とスマホそれぐらい。
「どこにあるんだよボルダリング」
「知ってるわけないじゃん」
「どついたろか?」
Googlo mapを使い調べる。マジかよ電車乗らなきゃじゃん。最寄駅に乗り最寄駅にまだ向かう。なんとも紛らわしい日本語だ。
日曜の2時だぞ。なんでこんな満員なんだ、
隣の人と肩がぶつかる。もちろん桜とも。
(次は○○駅〜○○駅〜)
あと3つか、心の中で呟く。油断してしまったせいで桜とはぐれる。
「あいつどこ行きやがった」
「こっちぃー」
満員電車の中で手を伸ばす。あと2センチ、あとちょっと、少しずつ近くなる。
「よし!」
手と手が触れる。そしてその手を掴もうとした時だった。
(○○駅〜○○駅〜、☆○、$○の方はお乗り換えください)
急に電車が止まり、人が出て行く。俺たちは手を掴んだまま、その車両に立ち止まった。だった4秒ほどだっただろう。なのにやけに長く感じ、少し恥ずかしさを覚えた。
「勝手にどっか行くっうわっ!」
急に電車が動き出し、俺は体制を崩した。そのまま桜の方へ倒れ込むのがラブコメ展開。そうじゃないのがこのバカコメ。俺はドアに頭を打つ。そして桜に笑われる。
最後に一言、「守りたいこの笑顔」俺はそのあとボルダリングも碌にできませんでしたとさ。めでたし、めでたし…。じゃなくないか?!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます