辞めたい新人

【社員食堂にて】


 ガヤガヤ、ガヤガヤ──。


 A『この間、入ってきたなんだけどさあ』

 B『え? なに? 周りがうるさくてよく聞こえねーよ。(がどうのこうのと聞こえた気がしたが……)』


 A『この間、新人が入ってきたじゃん』

 B『あん? ああ……。(はん? 人参が入る? 入るってどこに入るってんだよ)』


 A『あ、その顔はよくわかってなさそうだな。ほらあれだよ。

 B『あぁん? (なんだよ、の人参って。人参に顔なんかねーだろうが。……なんかよくわからねーが、話だけは合わせとくか)』


 B『それで、それがどうかしたのか?』

 A『それがさ、入ってきたばかりなのにさ』

 B(そういえば入るってどこにはいるんだ? ケツか? ケツの穴に入るのか?)


 A『「」ってうるさいらしくてさ。だったらさっさと辞めりゃあいいのにな』

 B(ケツに入って「」と連呼する人参? なんなんだこいつ、頭おかしいんじゃねーか? 今後はあんまり関わらない方がよさそうだな……)


 A『な。ヤバいだろ』

 B『あ、ああ。かなりヤバいな』

 A『だろう。後からわかったんだけど、裏で色々やらかしてたみたいなんだよな。本当、クソだよ』

 B『糞……か。そうだな。……。それで、その後はどうなんだ』

 A『どうって?』

 B『そいつは舐めたのか』

 A『ああ、辞めたよ。しかも何がムカつくかって、俺がさせられたことなんだよ』

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