ビデオレター
帰宅した時、ボクはいつもポストの中を確認してから部屋に入る。
今日見ると、そこには謎のビデオレターが入っていた。なんだろうと思いながら、リビングにて再生させると、画面の中から聞き覚えのある声と姿が流れてきた――。
『うぇ〜い、オタクくん見てる〜www。
いまからオタクくんの大好きな彼女と楽しいことをしまーす。キャハハハハ』
『いやあ! 離して!』
まさかとは、思ったが――。
『やめて! やめてよ!』
『うるせぇ!』
『いやぁ!』
『ヒャヒャヒャヒャ! はーい、じゃあまずは服を脱いでもらいまーすwww』
『やめて! やめて! イヤー!!』
その人は、ボクが密かに思いを寄せているマミちゃんだった。映像の中の彼女は、宣言通りに服が脱がされ、やがて裸になった。辱めを受けるその姿は、映像が進むに連れて過激さを増した。
『おいおい暴れんなよ!』
『やめて……もう、やめて……』
『フヒャヒャヒャヒャ! おりゃ! おりゃ! どうだ、あいつのと俺、どっちが気持ちいい!』
あまりに悲惨な状況に思わず目を背けたくなってしまう。だがボクの体は正直で、ついその姿を見入ってしまう。最初は抵抗していた彼女も、だんだんと大人しくなり、最後の方にはまるで陸に上げられたマグロのようにされるがままだった。そして、
『ふぅー、やったやったwww。てことでオタクくん。君の大事な大事な彼女は俺が美味しく頂いちゃいましたー! キヒャヒャヒャヒャwww こいつはもう用済みでーすwww』
そこで映像はぶつりと途切れた。
『なんてこった……』
これはいわゆるNTR映像。こうしちゃいられない。ボクは勢いよく部屋を飛び出した。
“ピンポーン”
隣の部屋のチャイムを押す。数秒もすると、ガチャリと音がして扉が開く。出てきた男にボクはいう。
『あ、えっとすみません。このビデオなんですけど、オタクとうちのポストが間違えられて入れられていたみたいで……』
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