髭──ひげ──卑下
男『なあ、今朝妻から『あなたって髭みたいな人ね』って言われたんだけど、これってどういう意味だったと思う?』
同僚A『ははは。そんなの決まってるじゃないか。髭は男にしか生えない。髭は男の象徴。つまり、男らしい人って意味だよ』
同僚B『いいや、僕が思うに違うね。女性って髭を汚らしいものとして見ているから、つまり君は汚らしいと思われているってことだ』
男『うーん。どっちなんだろう』
A『さあね。本人に聞いてみたら』
B『そうさ。確実なのは本人に聞いてみることだ。聞かなかったのかい?』
男『聞かなかったというよりは、その時はなんか変なこと言ってるなって思っただけなんだ。後々思い返して、あれはどういう意味だったんだろうなって……。でもそうだね、帰ったら聞いてみるよ』
翌日。
A『昨日のあれ、どうだった』
男『ああ、うん、あれね。あれは、酷かった。だから、あんまり言いたくない』
B『そう言われると余計に気になるな。ぜひ教えて欲しい』
男『えー』
A『ちょっとでいいからさ』
男『うーん、まあ、そうだね。じゃあいうけど。つまり髭っていうのは、生えたそばから剃られていくだろう。そのくせ、生えて欲しい頭の方は年々薄くなっていって、だからつまり、努力するけどその方向は間違っていて、全ては一切の無駄で、むしろ存在自体が邪魔者っていうか……ね』
A・B『ひでぇ』
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