第32話 古代都市ダンジョン

10階層のボス部屋の青龍を倒しそこでアダマンタイトのインゴットを手に入れたサトル達はそこで昼食を食べていた。


「マーガレットは風とファイアーを組み合わせ、ルビーゼはウォーターと土を組み合わせて魔法を繰り出すのを今度は主眼に練習してみよう、それとルビーゼもマーガレットも無属性魔法のシールドを自分にかけれる様に訓練してごらん」


「無属性魔法といっても、何ができるか自分では未だわからないのですが」とルビーゼが言うのでサトルはルビーゼにステータスを表示させて自分の能力を確認させる。


ルビーゼ・メラニー  エルフ族 180歳

【HP】75/100 体力

【MP】3200/10000 魔力

【INT】510/1000 知力


魔法特性:土系魔法・水系魔法・無属性魔法(ニードル、ステラフォール、シールド)


マーガレット  エルフ族 182歳

【HP】75/100    体力

【MP】3500/4000 魔力

【NT】500/1000   知力


魔法特性:火系魔法・風系魔法・無属性魔法(シールド、幻覚)


表示されたステータスを見てルビーゼ達が唖然としている。


「サトル様、ステラフォールってどんな魔法でしょうか?」


「これは敵対する対象物にいくつもの流星群を落とし殲滅する中級の上位魔法だ

けどかなり魔力を消費する魔法だね。でもルビーゼの魔力だったら大丈夫だよ、まずはニードルとシールドを瞬時に発動できる様にしてから訓練したらいいよ」


「マーガレットも幸いルビーぜと同じ無属性魔法なので二人で訓練すれば直ぐ使える様になるよ」


「すごいじゃないか!二人とも。私も無属性魔法の特性を持っているが未だ自分の無属性のスキルを詳しく見て訓練してないからこれから一緒に訓練しましょ」


「スザンヌ様に言われても何だか実感が湧きません・・・」とルビーゼ。


そんな会話を10階層のボス部屋でして11階層に向かった。


11階層になって、再びゴーレムが現れた。

今度は金属でできたゴーレムで古代都市で滅びた古代人の人工物のようだ。


サトルが【鑑定】のスキルで持って調べると”魔石が人間の心臓部に有るが、それを破壊するまで瞬時に再生されて倒すことができない”

”金属は非常に硬いアダマンタイト製で通常の剣では傷一つ付けられない”とわかった。


「相手はアダマンタイト製のゴーレムで剣では歯がたたないのでここは俺が相手するよ」


サトルは『誅戮剣』を取り出し、ゴーレムに向かって肩越しから斬撃を加える。

物凄い衝撃音とともにゴーレムがひっくり返るが肩口が傷一つ付いていない。


「同じ合金同士ではやはり傷もつかないか、仕方ない素手でアタックするか!」

サトルは『誅戮剣』をストレージにしまい、素手で魔石の部分を集中的に攻める。


ゴーレムがサトルを掴み投げ飛ばすと、ピンポン球の様に軽々と吹っ飛び壁に激突するが、サトルはシールドを自身に掛けて居るので傷一つなく立ち上がる。


ゴーレムの動きがさほど早くないので、攻撃を躱しながら手に魔力を込めて再び強烈なストレートを打ち込むサトル。


ピキッっとゴーレムの硬い胸に亀裂が入り直ぐ様再生されるが、今度はサトルは再生速度より早い打撃を魔石部に数百発のストレートを見舞った!


パキーンと亀裂が入り、魔石のある胸に穴が開く。

素早く魔石を抜き去るとゴーレムはズドーンと音をたてて、背中から倒れた。

流石のサトルもシールドを何層にも掛けながら手に魔力を流し続けたので終わった時には膝間づいてしまった。


「サトル、大丈夫か?」とスザンヌが直ぐによってきた。


「あぁ、少し疲れたが大丈夫」といって、ストレージからポーションを取り出して一気に飲み干した。


アダマンタイト製のゴーレムは【次元ストレージ】にいれて、キタミにでも戻ったら自分たちの護衛にでも作り直そうと考えるサトルだった。


12階層は平原ステージにワイバーンが2匹いた。


「1匹をマーガレットとルビーゼ、スザンヌがもう1匹を対処してくれる?」


「了解よ!」とスザンヌが答える。


マーガレットがワイバーンの翼に【ファイアランス】、ルビーゼが【アースランス】を同じく翼めがけて放ち飛び立てなくしてから【縮地】で二人は1匹のワイバーに迫り剣で首を切り落とした。


スザンヌはワイバーンが火を放って飛び立つ瞬間に一瞬で首を切り落としてこち

らも討伐完了した。


13階層、14階層と進み15階層のボス部屋についた。

扉を開けるとアンデットクイーンが床から1メートル程浮いてこちら4人に薄笑いを浮かべている。


「やっとここまでたどり着いたのは褒めてやりたいが久しぶりにお前らの魂を食らってさらに私の肥やしにしてやる、感謝して死んでいけ」


「いやぁー、成仏さしてあげるから感謝するのはお前の方だぞ」とサトルが笑いながら応える。


サトルは一瞬で【鑑定】をして相手が【幻惑】【精神破壊】【闇呪縛】を持ち、魔石が左右の胸にあり、それを破壊しないと消滅しないことを悟っていた。


「みんな、相手は幻惑、精神破壊、闇呪縛のスキル持ちだ、『リフレクションリング』で防ぎながら左右の魔石を狙い撃ちしよう!」


マーガレットが【ファイアアロー】で左胸の魔石を狙うが剣で魔法を切り裂かれてしまう。

一方ルビーゼも【アースアロー】を放ったが簡単に盾で防がれ魔法が霧散する。


スザンヌが【聖魔法】で浄化しようと魔法を放った。


流石にアンデットクイーンは悲鳴を上げながらスザンヌに【ダーク呪縛】の黒い触手を伸ばしてくるがスザンヌが剣で一閃して霧散させる。


サトルが魔力を込めて左右の魔石めがけて【エネルギーボム】を放つと、アンデットクイーンが剣で防ぐも剣を打ち砕いて、魔石二つを見事に破壊して黒い靄となってアンデットクイーンが消滅した。


「結構苦労したけど流石に15階層のボスだったな!魔法は剣で防がれこういう時は【結界】で囲って【異空間】に放逐すれば簡単だけど討伐証明が出来なくなるし難しいな」


今回は砕けたアンデットクイーンの剣と魔石の欠片に盾をサトルがストレージに回収した。


側の宝箱を罠がないのを確認して開けると一冊の古代語で書かれて居る魔法書が入っていた。


「サトル古代語は読めるの?」とスザンヌが聞く。


「ああ、こちらに飛ばされた時にスキルをもらって居るので幸い読めるぞ」


中の魔法書をペラペラめくると現代魔法より強力な魔法式が書かれた説明書の様な本だ。



サトルはストレージに回収して16階層に向かった。


16階層は火山ステージで黒龍がこちらに物凄い高温の火炎咆哮を放ってくる。


3人に【シールド】をしてあげてサトルは『鬼切丸』で硬い黒龍の首をいとも簡単に切り落とした。

もの凄い音で首が地面にズドンと落ちて一瞬で巨体の黒龍を倒した。


スザンヌもマーガレとやルビーゼは余りの力にサトルを唖然としてみている。

痛い視線をスルーしてサトルは「17階層にくぞ!」と言って更に進んで17階層に向かった。


17階層は古代都市跡の様な建物朽ち果てているが、1棟だけ3階建ての金属の塔が光ってそびえて居る。


周りには人工の植物の蔦が行く手を阻む様にうごめいている。


「サトル様、スザンヌ様この人工の蔦を防ぎながらあの塔に近づくのは容易ではないです。如何しましょうか?」


「あの植物を動かして居る大元の動力源が有るはずだ、それさえ破壊すればあれは動かなくなると思うのでちょっと探るから待っていてくれ」とサトル。


サトルは【サーチ】を掛けて金属蔦の動力源を探ると、蔦が分岐する元の太い部分に【隠蔽】を施されている装置を見つけた。


サトルはそこに『レーザービーム』を放って装置を破壊すると今まで蠢めいていた金属の蔦が一斉に停止した。


4人は蔦を避けながら塔の入り口に入ると、今度は金属製のアーミーアントが数千匹が襲ってくる。


サトルが【結界】でアーミーアントを全て囲い込み【グラビティ】と重力魔法を掛けてぺちゃんこにして結界をサイコロほど小さくして、2階にあがった。


2階にはアダマンタイトの硬い鉱物で出来たミノタウルスがハルバードを構えて居る。


マーガレットとルビーゼが剣で同時に斬りかかるがミノタウルスはそれを防ぐそぶりもなくハルバードの柄で二人を撥ねとばす。


剣は硬いアダマンタイト製のガタイには傷一つつけられない。


スザンヌが『魔剣五芒星剣』に魔力を込めてハルバードを躱しながら魔石の部分に鋭い突きをいれるとわずかながら亀裂が入り、体制が崩れるも倒すまでには至らない。


崩れかかった隙を見逃さずサトルが【縮地】でミノタウルスに肉薄して手に魔力をを込めて手刀で胸に突き刺して魔石を奪った。


背中から倒れ込んだミノタウルスは魔石を抜かれ動かなくなった。


「サトルの手刀は私の剣よりも強いのだな!」と呆れながらスザンヌが嘆く。


「いやぁー、古武術を昔からやっていたので武道一般にはこの世界に来て一段と強力になっただけだぞ」


「強力になったって、私の魔力を通した剣より威力が強いのは規格外だと思うがな・・・」


そんな会話をしながら最後の階の3階にあがった。

そこには人工物の9本の首を持つヒュドラが炎と毒ガスと石化の魔眼を持って待ち構えて居る。


「ヒュドラは首を切ると再生して2本になって増殖するので、マーガレット、俺が『鬼切丸』で首を切り落とすから切り口を強めの火系の魔法で溶かして再生を防いでくれ」


「わかりました、お任せください」


「じゃ、行くぞ!」


サトルは身体強化を掛けて素早く最初に火を吐いてくる首を切り落とす。


直ぐ様マーガレットが【ファイアボール】を切り口に包み込む様に放ち切り口を溶かして封じた。


サトルは躱しながら身体強化とシールドをかけて9本の首を全て切り落とし、一方マーガレットは通常より高温の【ファイアボール】を放って居るため魔力がかなり持って行かれ、途中でスザンヌに交代してもらい3本の残りの首はスザンヌの【ファイアスプラッシュ】で切り口を溶かして再生を防いだ。


最後にサトルが魔石を取り除いて殲滅した。


どうやらこの古代都市ダンジョンの最下層がこの建物の3階の様だ。

宝箱が側に置かれて、中には『魔導銃』が入っており”念じる魔法弾を撃つことができる”と書かれた説明書が古代語で書かれていた。


サトルは【次元ストレージ】に入れて、全員で床にある転移版に載ってダンジョンの入口へともどってきた。


サトル達4人はダンジョンの側に軒を連ねた屋台の一角に入り遅めの昼食を取る。


「おばちゃん、定食4つ頼むよ」


「なんだい、男の冒険者かい?珍しいね、でも普通じゃないねお前さん」


「おばちゃん、わかるの?」


「ああ、こう見えても冒険者を長年見ているからある程度の強さはなんとなくわかるのさ、そこのお嬢さんも今まで見た中では一級品だけどアンタは底無しの強さを感じるよ」


「あいよ、今日の定食はオークの照り焼きステーキと野菜スープにパンダね」


4人は流石にお腹が空いていたのか黙々と食べて、銅貨40枚を渡して屋台をでた。


サトルに触れて4人は一瞬でギルドの裏通りに【転移】して正面に回ってギルドの受付に向かった。


「古代都市ダンジョンを踏破したのでダンジョンコアと内部の地図だ、討伐した魔物はここじゃまずいだろ、どうする?」とサトルが受付嬢に言うと、慌てて受付嬢が「こちらの素材置き場に討伐した魔物をおいてください」と言って裏にある素材置き場に案内した。


サトルは解体ができる魔物は全て出したが、ミスリル製やアダマンタイト製の魔物などは全てストレージに入れたまま魔石だけ受付嬢に渡した。


アンデットクイーンの盾と破壊された剣それに魔石の破片も受付嬢にわたした。


「清算をするまでかなりのお時間がかかりますので明日の午前中に再度来てください」と言われ冒険者カード4枚をスザンヌが受け取り冒険者ギルドを出た。


「サトル、時間があるがマーガレット達も疲れた様だから宿を取って明日また訪れることにしましょう」とスザンヌが宿を探す。


ギルドから10メートル先に”旅の夕暮れ”と看板が出て居る宿を見つけ皆で向かった。


「1泊ダブルとツイン2部屋お願いできるかしら?」とスザンヌが聞くと可愛らしいネコ属の女性が「大丈夫ですにゃん、200号室がダブルで205号室がツインです。夕食、朝食ともに5時からでラストオーダーが9時半ですニャン。前金で銀貨3枚になります」


スザンヌが銀貨3枚を渡し鍵をもらって部屋にそれぞれ入った。

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