第85話 嵐のごとく Ⅴ ②
【嵐side】
妹たちの場合、あわよくばイベントで従魔を見付けたいからだろう。
狙いは『角ウサギ』
二人ともウサピョンの動画を見て欲しく成ったようだ。
今回は俺の出番は成さそうだな。
妹たちは、友達の前で張り切っているせいなのか、力加減を間違えて
ちなみにサナダとギレンは念の為にマオとユーミンの護衛に付いている。
不器用な奴らだと高みの見物を洒落こんで、オヤツの干しいもを食べていると、
「ねえ ねえ 何を食べているの ?
ボクも欲しいなぁ~ 」
誰だ ?
周りを見たが誰も居ないぞ ?
「ここだよ、ここ !
キミの目の前に居るじゃないか ! 」
良く見ると目の前に羽の生えた小さな女の子が居た。
「羽虫 ? 」
俺が口にすると羽虫が怒って、
「羽虫なんかじゃないよ !
ボクは妖精族だよ、失礼しちゃうな !」
えっ、もしかしたらイベントか ?
「わるい わるい、
干しいもをやると嬉しそうに受け取って、
「ワーイ 、 キミって良い奴だね ♪」
ムシャクシャと食べ始めた。
「あー、美味しかった ♪
ありがとう…………キミの名前は ?」
「俺か ? 俺は嵐……この
「アハハ、キミは良い人だね ♪」
ピコーン ♪
〖妖精をテイムできます ! Yes/No 〗
えっ、えっ、副業のテイマーは 1体しかテイム出来ないんじゃなかったのか ?
条件反射で『Yes』を叩いていた。
〖妖精の名前を決めてください !〗
『 ベル 』 名前をつけたら、
〖妖精 ベルのテイムに成功しました !
副業テイマー、初めての二体目テイムの成功報酬が出ました。
『100万エンジャー 』と『 100ポイント』がプレゼントされます 〗
ベルは嬉しそうに俺の肩に留まりながら、
「よろしくね、ケンシン !
ボク、頑張るからね ! 」
ワールドアナウンスに成っていたのか、妹たちやパーティーメンバーが 此方に向かって走ってくる。
気のせいか、皆の視線が痛いんだが、逃げ出しても良いかなぁ~ !
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
案の定、皆に怒られた !
確かに、マオとユーミンの従魔を見つけに来たのに俺が従魔をテイムしたのだから仕方ないと思うが、妹たちの目は嫉妬で燃えている気がする。
俺、悪くないよな ?
皆の検証の結果、『副業テイマーの2体目のテイムの確率は、物凄く低いから見つからなかったのでは無いか』と云う事に成った。
ベルは、さっそく他の従魔たちに挨拶をして仲良く成っていた。
同じパーティーの従魔同士だと仲良く成り易いのかも知れないな。
一通り、従魔やメンバーたちに挨拶を済ましたベルは、俺の元に戻って来て頭の上に留まり落ち着いたようだった。
羨ましそうに見る女の子たちの目が恐い。
再び、従魔をゲットする為に草原に向かった妹たちやパーティーメンバーたち、……
しかし、角ウサギ達は逃げ出した後だった。
アレだけ狩られたら逃げ出すよな !
見るからにイラつく妹たち…………女神、恐ぇぇぇ 。
少し離れた処に岩場があり、腰を落ち着かせる為に岩場に座ると…………卵 ?
卵が二つ有った…………嫌な予感がしたから妹たちを呼んで卵をマオとユーミンに押し付けた。
これ以上、恨まれるのはゴメンだぜ !
マオとユーミンに押し付けた卵にヒビが入り中からヒヨコが出てきた。
あっ アブねぇ !
ヒヨコは最初に見たマオとユーミンを親と認識したらしく懐いていた。
まあ、確かに可愛いヒヨコだ…………尻尾が蛇で無ければな !
〖コカトリスの子供をテイムしました !
名前を付けてください ! 〗
とりあえず、任務完了だよな !
二人はコカトリスの子供に名前を付けて、晴れて『テイマー』の仲間入りをしたのだった。
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