第81話 嵐のごとく Ⅳ ⑰

【嵐side】


 ゴブリン・ライダー達を全滅させて『ホッ』としていたら、


「ブモォー ! 」


 雄叫びを上げながら、オークブタ系モンスターが現れた !

 先頭に成って走って来たオークをウサピョン蹴りウサギが空中で回転しながらドロップキックを加えた後に反動を利用して元の位置に戻ろうとした処に流星が来てウサピョンを乗せて戻って来た。

 同じようにサナダやギレン、馬達も戻った処で臨戦体制に成る。

 そして、俺が先頭に立ってダークネスの大盾を構えて、


「ヤーイ、ヤーイ、お前達の母ちゃん、で~べそスキル『挑発』!」


 オーク達が一斉に俺を目掛けて突進してきた !

 ……もう少し、マシな『挑発』のセリフを考えてくれよ、運営 !

 近付いたオークをシールド・バッシュで跳ね返した後に妹達が攻撃をして倒しているが、里山から沢山のオークやゴブリンが降りてくる。

 ゴブリン・ライダーは先鋒だった訳だな !

 馬達も敵を蹴散らしているが、まだ子馬の為なのか疲れが出始めているように見える。


「オイ、サリーとユカリンの魔法使い組 !

 炎魔法と氷魔法を組み合わせてなんかは出せないのかよ ! 」


 某、アニメの大魔導士の少年みたいな魔法なら、一気に逆転出来るハズだ。


「無理なのじゃぁー ! 妾たちのレベルは低い上に、権利の都合でアノ極大消滅魔法は無いのじゃぁーー !」


「あのアニメの会社は、大江戸グループとはライバル関係でしょう ! 嵐くん家の会社なのに知らないの ? 」


 ユカリンとサリーに言われたが、…………そうだったのか ?

 知らなかったなぁ~、……とにかく誤魔化そう。


「知ってたサー、 緊急事態で忘れていただけだよ、ハハハハッ」


 ゴブリン、オークの連合に手を焼いていたら、


「テラ.サンダー !」


 雷魔法が炸裂して、大半のゴブリン、オーク達にダメージを与えた。

 雷魔法で麻痺マヒして動け無いモンスター達に向かって、一陣の風が通り過ぎた。


「変移抜刀真空斬り !」


 風かと思ったらプレイヤー !

 モンスター達が、真っ二つに成った途端にポリゴンと成り爆散した。


「助っ人に来たぞ、ケンシン !」

 振り返ったプレイヤーはトモエだった。

 と云うことは、後ろを振り返えると魔導士のネイだ。


「油断するなよ、本体が来たぞ ! 」


 見ると、先ほどのオークより大きく武装したオークが3体現れた……!

 あれがボスか ?

 さらにゴツくてデカい立派な武装をしたオークが1体現れた。


「オークジェネラルが3体にオークキングが1体か !

 助けに来て良かったよ、ケンシン !」

 トモエが、ニコリと笑って言った瞬間、ドキっ とした。


 俺はクリス……蛍、一筋 ! 俺は蛍一筋!

 親父ゼウスとは違うんだ !


 そんな俺に悪魔由利凛ささやいた。


「大丈夫だよ、お兄ちゃん !

 仁おじちゃん(嵐の父親)だって、奥さんが5人なんだから。

 今の日本なら5人までなら合法じゃ !」


 見るとニヤニヤしている悪魔由利凛……そういえば、コイツ邪神だったわ !


凍結地獄コキュートス !」


 一瞬でオークジェネラルとオークキングが凍りついた !


「御日様の力を借りて、必殺のサン・スパーク ! 」 」


 大空から光弾丸が降って来て凍りついたオークキング達が砕け散った !


「初めてだったな、アノ二人がウチライジング・サンの賢者アイリスとウチのリーダー大勇者ミルキーだよ 」


 おっ、噂の喪女だな !……どれどれ、オークキング達が居た場所に居たプレイヤーが振り返えると………えっ!


天姉あまネェ(天音) ! 」


 そこには、由利凛や恵利凛の実姉であり、俺達 大江戸兄妹の姉貴分の潮来天音あまねが居たのだ!


 ヤバいよ、ヤバいよ !

 姉貴天音は異様に勘が良い、俺が姉貴を喪女なんて言ったのがバレたら………おっ、恐ろしい。

 アニキアポロンアネキアルテミスなら説教で済むが…………あの、エターナルな説教も地獄だが姉貴天音は、それを上回る肉体言語付きの説教が付いてくる。

 やはり由利子オバチャンの影響なのか ?

 日本神話の最高神 天照大神は優しいと云うイメージだったのに !

 由利子オバチャン、恐るべし !


 とりあえずは、俺の平和の為に全力で誤魔化そう !








 ※この物語では、アポロンやアルテミスの双子神はアレス、ヘパイストスの兄姉と云うことに成っています。

 もちろん、アテナ、エリスの兄姉でもあります。


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