第79話 お姉ちゃんだってゲームがやりたい !

【天音side】


 蝶子ちゃんの配信サービスを見ていたら、ゲームをやりたく成ってきたわ。

 この間、引き籠もりをしてゲームをしていたから、お母さんに『ゲーム禁止令』を出されてしまったから出来ないのよね。


 いいなぁ~、 皆 楽しそうで !

 私も由利凛ちゃん達と遊びたいよぉー !


 秋桜こすもす(トモエ)ちゃんからのメールでもケンシンくん達の冒険が楽しかった事が書いてあった。


 明日菜ちゃん達もゲームを始めたのが、蝶子ちゃんの配信で判ったわ。


 私のパーティー『ライジング・サン』も皆が仲良しで楽しかったけど、妹達や弟達潮来姉妹&大江戸兄妹と一緒に遊んだのは 小学生くらいが最後だったから、なおさら皆で遊びたく成ったの。


 そんな事を考えていたら、親友の竜ヶ崎琥珀こはくちゃんが私を見詰めていることに気がついた。

 琥珀ちゃんは、お母さん由利子の弟子で琥珀ちゃんのお母さんである明日香さんもお母さん由利子の教え子なんだよね。

 だから、私達は小さかった頃から家族ぐるみの付き合いがあり当然、私の考えていることが……


「ダメよ ! 天音は、来年度の風紀委員長の予定なんだからね !

 他の生徒の模範に成らないとイケナイんだから、サボるなんて許されないわよ ! 」


「好きで風紀委員に成った訳でも無いのにぃー !

 私だって遊びたいよぉー、琥珀ちゃん ! 」


「生徒会に入って生徒会長の方が良かったかしら ?

 それが嫌だったから風紀委員に成ったんでしょう !」


 ウグゥ、私は普通に暮らしたいのに、何で皆は『ソッ』としてくれないの ?

 私は普通の女子高校生だよ !

 やっぱりお母さんが目立つせいなの ?


 私より琥珀ちゃん、そして明日菜ちゃんや英里香ちゃんの方が適任だと思うんだけどなぁ~ !


 せっかく、謎だったテイマー情報が有ったのにぃ !

 流石に やり直しプレイは出来ないけど、副業も見付かったみたいだし、テイマーに成って私のモンスちゃんが欲しかったのになぁー…………猫以外で。

 猫は大江戸家に沢山居るから、別のモフモフが欲しかったのよね。

 嵐くんのタヌキチぶんぶく茶釜、可愛かったなぁー。

 きっと、イベントは他にもあるハズ !

 なんとか、お母さんを説得してゲーム復帰しないと『ライジング・サン』の皆には申し訳無いわ !

 副リーダーのクリス蛍ちゃんは、教育実習生として中等部で忙しいから無理だから、私が復帰しないとメンバーが攻略に乗り出せなくて悔しいと思うの !



 ♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔


【琥珀side】



 ダメだ、コリャ !

 この娘が、日本神話の最高神なんて言っても誰も信じ無いでしょうね。

 月読様から頼まれた時には、シスコンか !

 なんて、思ったモノだけど……これは、心配する訳よね。


 それに目だちたく無いと言っても無駄だから !

 黙っていても、カリスマ性が凄いから誰も無視なんか出来ないからね !

 私だって、せっかく人間に転生したんだから少しは遊びたいのに、目を離すと直ぐにサボる娘がいるから遊べないんだよ。

 あらためて、月読様の凄さが判るように成ったわ。

 四神の白虎時代には、姉と弟に挟まれた目立たない地味な神の印象だったけど、サボる怠け者な姉と暴れん坊な弟に挟まれて苦労したんですね。

 その立場に成って、初めて知りました。

 遅刻した玄武は迷子に成ってゲーム世界に居るわ !

 朱雀は未だに目覚めないわ !

 マトモなのが、四神時代のライバルだった青龍だなんて !

 その青龍も玄武を救い出す為に、しばらくはゲームに取られるし、私一人でこの娘の監視、観察、警護をしなければ……


「そうだ ! 琥珀ちゃんも一緒に『ドラゴン・ファンタジー』をやろうよ ! 」


「なにが『そうだ !』よ !

 もう少し真面目にやらないと書類が終わらないわよ ! 」


「終わったよ。 だから一緒に遊ぼうよ ! 」


 ……これだ、無駄にスペックが高いから注目を浴びるのに、本人は気づいていないとは……天然なの ?


「ゲーム内だと、沢山スイーツを食べても太らないよ !

 ゲームの『味覚エンジン』が凄いから、現実と変わらないんだよ ! 」


 なんですって !


「その辺の詳しい情報を教えて頂戴な、天音 ? 」


 天音から、あらためてゲームの情報を聞いた……

 たかが、ゲームだと侮った私がバカだったわ !

 人間の女性に生まれてから甘いスイーツにハマッタ私。

 だけど食べすぎると太るのが難点なのよね。


 なんかノセられている気がするけど、あえてノセられてあげるわ !


 この後、一緒に由利子先生を説得に行ったら、何故か頭を抱えていたけど大丈夫よね。

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