第76話 嵐のごとく Ⅳ ⑬
【由利凛side】
「なっ、なんだってぇーーー !
玄武の奴がゲームの世界に居たのは本当なのか、由利凛ちゃん !」
「あー 、 ウルサイ !
もう少し静かに話せないのか、龍騎 !」
琥珀お姉ちゃんが龍騎くんの耳を引っ張っているのじゃ。
「痛い、痛いよ、姉さん !
わかったから ! 静かにするから許してくれよ !」
琥珀お姉ちゃんに許しを請うている龍騎くんを見ていると、
「だから、早く玄武を引き取って欲しいのじゃ !
とりあえず、一緒にゲームの世界に行ってからリアル世界に戻る方法を相談して欲しいのじゃ !」
えっ ! と云う顔をして龍騎くんが、
「俺、そのゲームのハードもソフトも持っていないんだが、誰かから借りれるかなぁ~ ? 」
「それは無理だと思うのじゃ !
『ドラゴン・ファンタジー』のせいで、ハードもソフトも大人気だから借りるのは難しいのじゃ ! 」
「そうか、それは残念だなぁ~
そんなに大人気なら買うのも無理そうだなぁ~
高いハードだけど遊びたかったなぁ~ 」
……白々しいのじゃ ! それなら、
「ハードの会社もソフトの会社も大江戸グループだから、1台と1個なら買えるハズだから問題無いのじゃ !」
「ゲッ ! 流石に全部買うと俺の貯金箱が空に成るんだが……「いい加減、抵抗するのは止めなさい !
私は天音の監……護衛があるから、
ガッカリと項垂れている龍騎くん。
姉に逆らえる弟は居無い、と云うのは本当のようなのじゃ !
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
ガックリ
うん、嵐お兄ちゃんと龍騎くんは似た者同士だと、改めて判ったのじゃ。
カゲトラの姿を見るなり
妾が
流石、知恵の女神が二人も居ると違うと思ったのじゃが……
「玄武には『ログアウト』の項目が無かったわ。
おそらく、プレイヤー扱いでは無く モンスター扱いだと思うのよね。
だから、ゲームクリアかゲームオーバーするとリアル世界に帰れる気がするのだけど……」
「ゲーム・メディア部門は、
「 ウワァーン ! 青龍~、ボク、ボク、このゲームで死んじゃうと消滅するかも知れないんだって !
死ななくても、ゲームの管理者やマスタープログラムに見つかったら、データー と成ったボクは削除されてしまうんだよぉー !」
亀と蛇が泣きながらカゲトラに抱き付いている姿は、シュールだのう~。
ピコーン♪
〖 幻獣ゲンブをテイムできます。
テイムしますか ? Yes/No 〗
オオー 、 こんな風なんじゃなぁー !
!!
「「 急いで『テイム』して ! 」」
アリアとエデンに言われて、カゲトラはテイムを選択したのじゃ !
〖 幻獣ゲンブのテイムに成功しました !
職業『テイマー』が解放されました !
特殊職業の解放特典として『100万エンジャー』とスキルポイント『100ポイント』がプレゼントされます。
『チャレンジャー』の称号が与えられました ! 〗
カゲトラがステータスを確認すると、職業が『テイマー』に成っていたのじゃ。
そういえば、職業に迷っていたので 決める前に引っ張って来たのを忘れていたのじゃ……妾は悪く無いよね、テヘッ !
カゲトラは、ステータスを見て職業が『テイマー』に成っているのに感動したのか、震えていたのじゃ……
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