第56話覚えていますか !❤️
【嵐side】
また逢えるよな、クリス。
俺が真剣に悩んでいるのに、コイツらは……
まあ、お子様たちには、『恋』なんて理解出来ないから仕方ないかぁ~
ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ
「コラァー!
とっくに始業ベルは鳴っているんだぞ!
皆、席に着きなさーい!」
落ち着きの無い奴らめ!
まっ、所詮は子供だから仕方がないか。
由利子オバチャンに抱えられていた二人は、教室の後ろに立たされている。
しょうもない奴らだと思っていたら、若い女の人が入って来た。
『 今日から教育実習生として皆がお世話になる『
皆、竜ヶ崎先生に迷惑をかけないようにするんだぞ!
竜ヶ崎先生は、この学園の卒業生でもあるから皆の先輩でもある。
先生に成る為の勉強をするのだから邪魔はするなよ!
それと、文化祭だが…………
…………由利子オバチャンの声が最後まで聞こえてこなかった。
髪色も髪型も瞳の色も違ったが、そこに居たのは クリスだったからだ。
「竜ヶ崎
この学園の卒業生で現在、
短い間ですが、よろしくお願いします」
…………この声! まっ 間違いなくクリスだ !
きっと、これは運命に違いない!
愛の神はアフロ……はだめだし、恋の神エロスは奴の息子だから駄目だな。
日本の神、愛染明王あたりに祈れば良いのか?
そして、クリス……蛍と目が合った。
【蛍side】
懐かしいなぁ~。
かつて通った学園に生徒としてでは無く教師見習いとして戻ってくるとは学生時代には思わなかったなぁ~。
わたしの教育実習の担当は、潮来由利子先生だ。
学生時代に兄妹でお世話に成った先生で、由利子先生とハルト先生が結婚前のデートをお兄ちゃん と お義姉ちゃん達とで追跡・観察したのは、今では良い思い出だ。
あの頃も結局、お兄ちゃん達は由利子先生に見つかり怒られていたけど、…………相変わらず勘が良いのか、隠れて観察していた女子生徒二人を発見・捕縛したのは見事な動きだった。
あの動きは、とてもアラフィフには見えない……と云うか、本当に年を取っているのだろうか?
顔もスタイルもアノ頃から変わらない気がする。
三姉妹の母親とは、とても見えないなぁ~。
そんな事を考えていたせいか、気が付くのが遅れてしまった。
ゲームで一緒に遊んだケンシン君たちのクラスがわたしの教育実習の担当クラスだったなんて……
簡単な自己紹介の後、ケンシン君の視線が わたしに向いている事に気がついた。
なにやら熱い視線を感じるけど……まさかね!
でもアノ視線には覚えがある。
兄、忠夫に向けるお義姉ちゃん達の視線だ。
大好きなお兄ちゃんだったからこそ、気が付いて……わたしもお義姉ちゃん達が大好きだったからこそ、お兄ちゃんのことを
4人の美少女がお兄ちゃんのお嫁さんに成り、現在は明日香お義姉ちゃんの娘、
令子お義姉ちゃん と お絹義お姉ちゃんの娘、
お兄ちゃんと大江戸仁さんは友達で家族ぐるみの付き合いが有り、わたしも何度か彼らに会っていた事を思い出したのは、生徒達の自己紹介が終わった後だった。
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