第50話嵐のごとくⅢ ⑩
【嵐side】
モーニングスターをロストしたアゲハの為に今回の報酬から武器ガチャをする事に成った。
アゲハの僧侶戦士は、槍やナックルガード等も装備出来るので
ガチャを引くのは、当然アゲハに引いて貰うので『スカ』でも文句を言わないように約束させた。
まあ、ステータスの幸運値も俺達4人の中では一番高いから
丁度、ピックアップ・ガチャの時期だったので『一周だけ』と約束させて回して貰うことにした。
お陰で報酬の半分以上が吹き飛んでしまったのだが…………
「 ヤッタ、ヤッタわ! レア武器の『サンダースピア』が当たったわ!
これも日頃の行いが良いからねぇ~♪
残りの武器は、皆で分けてねぇ~♪」
そう言って、ゲームからログアウトして行った。
「「「………………」」」
悔しいが、
思ってもいない処で武装を強化出来たのに素直に喜べないのは俺だけじゃ無いらしく二人共に渋い顔をしていた。
せっかく鍛えた剣だったが、資金不足に成った為にNPC武器屋に要らなく成った武装を売ろうとしたら、知らないプレイヤーに声をかけられた。
「 兄ちゃん達、要らなく成った武装が有るなら NPCより俺が高く買い取るけど、売ってくれないか?」
どうやら、俺達と違い冒険者では無くて生産者や商人を楽しむプレイヤーも多いようだな。
「俺のプレイヤー名は『ボッタクリえもん』
と、言ってもボッタクリは
情報屋もやる予定だから、仲良くしてくれると嬉しいんだがな」
三人で相談した結果、ボッタクリえもん………長いから『ボツえもん』と呼ぶことにした。
「いやぁ~、クリえもん とか タクえもん と呼ぶ奴はいたけど、兄ちゃん達には
よっしゃあ、常連に成ってくれるなら、その名前でエエよ!
特別に今回は、イロを付けて買い取りをさせて貰うでぇー!」
確かに、ボツえもんは約束を守って結構高く買い取りをしてくれた。
こんな風に知らない誰かと仲良く成るのもVRMMOの醍醐味だよな。
♟♞♝♜♛♚♘♗♕♖♙♔
二度あることは三度ある。
俺達は、
「 冒険者の皆様!
お願いです。 私の子、アーウィンと幼馴染みのグレースちゃんが魔の森に遊びに行ったきり帰って来ないのです。
ご近所の大人が魔の森の側まで探しに行ったのですが、既に森の中に入ってしまったらしく、我々では魔の森の中までは危険で探せ無いのです。
時間がありません!
どうか、お力を御貸しください! 」
必死に頼むNPCのオバチャンに、
「まぁ、大変! お子さん達は、私達『勇者パーティー』が必ず救い出しますねぇ~。
アゲハちゃんに、お任せアレェ~!」
「「「「「………………」」」」」
またしても、
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